当時の慶喜の側近による、謎の架空座談会なんかが時々挿入されていて、
微妙っていうか、読みづらく感じる向きもあるかもしれないが、
「とりあえず慶喜という人の概要が知りたい」という自分の希望は充分叶えてくれた。
この本も、解釈のひとつに過ぎず、これだけが正解ってわけじゃないのは勿論。
篤姫の副読本という視点で読みましたので、その方向で。
この時代について、自分、ほんと無知無関心でしたな。
そもそも「尊皇攘夷」って、四文字熟語みたいなもんだと思ってたし。
「尊皇」と「攘夷」はぜんぜん別の言葉でしたよ・・。
「攘夷」と「開国」はちょっと並び立たないが、「尊皇」は両立できますな。
この時代の最終結論は日本は「尊皇開国」ということでいいでしょうか。
阿部正弘が発案し、島津斉彬が育てた思想も、それですよね?
「生麦事件」は習ったからなんとなく覚えてたけど、
その当事者が島津久光だったとか、うろ覚えの知識が繋がったり。
篤姫28話時点で、一橋派は敗れて慶喜は将軍にはなりませんが、
井伊様が暗殺された後、家茂の後見役として、松平慶永とともに政治の表舞台に。
それから激動の幕末アレコレ。ほんといろいろ大変でしたね・・。
慶福のほうが将軍にふさわしいと、篤姫と同じ視線で自分も思ったけど、
それは結局、天下が安定していて、いまあるものをそのまま次代に受け渡す役目なら、
慶福のような、天性の王子様気質は最適任だったかもしれない。好かれるだろうし。
でもこれほど激動の時代には、それだけではどうにもならんかった。
慶喜は将軍になりたくなかったというのは、家茂の死後お鉢がまわってきたときも、
徳川家の相続はするけど将軍はイヤとか言って、ほんとヤだったのかなと思いますが、
そのことで、無責任とかかっこ悪いとかは責めたくないです。かっこ良くはないが。
やりたくない気持ちは、わからないでもないので。
彼は、自分の意見としては開国論者だったらしいし、時勢を理解すればするほどに、
攘夷なんかできるわけないことも身にしみてわかったと思うが、
将軍の後見役になり、後に将軍職に就けば、自分の思うとおりに動くことはできなくなる。
試行錯誤で主張がコロコロ変わっちゃったり、仮病使って逃げちゃったり、
ほんといろいろみっともなかったり、かっこ悪かったりもするわけですが、
それでも彼は、なんとか徳川家を強い立場に持ち直そうと頑張る。
その努力は涙ぐましいほどだと思うんですけど。
終盤は、あきらめたのかなんなのか、あんまり動かなくなるらしいが。
日本史上に燦然と輝く大ヒーローってわけにはいかないですが、
英明だったのは確実だし、武将としても結構いけてたし、
うまくはいかなくても、彼なりにすごく頑張ったのではないでしょうか。
今後ドラマ内でどのように描かれるのかはわからないですが、
やっぱり私は、なんとなく慶喜を応援するような気持ちでいるような気がします。
がんばれ慶喜。結果はきまってるけど。