あらすじ
終身現役、一生勉強。
56歳でベストセラーを上梓、
85歳を超えても活躍し続ける秘訣とは?
孔子は「40歳にして不惑」「50歳にして天命を知る」と言っています。
確かに人生を「起」「承」「転」「結」と4つに区切れば
50歳は既に己の行く道筋をはっきりと頭に描き、死という終わりに備える「結」に入る年齢なのかもしれません。
しかし、人生が80年以上になった今、童門先生は「もはや人間の一生に『結』などない。あるのは『転』だけだ」とおっしゃいます。
逆に50歳は新しい境地を追い求める転変への分岐点になりえるというのです。
実際、代表作となった歴史小説『小説 上杉鷹山』を上梓されたのは
都庁勤務というサラリーマン生活に51歳で終止符を打ち、作家活動に専念された後、56歳の時なのです。
そして、「起承転転」の日々を支えるのは知識や教養を高めるための「勉強」であると先生はおっしゃいます。
この本にはその「勉強」をどのような態度でどういうふうに行っていけばよいのかが書いてあります。
50代からに焦点を当てた童門式勉強法です。
しかし、その方法論、生きる姿勢はあらゆる年齢の方々にも参考になります。
若い方々にも是非読んで頂きたい1冊です。
*目次より
「死して朽ちない」ために何を学ぶか
死ぬまで未熟、未完な「起承転々」の人生
型にとらわれない自分流の学び方でいい
「眠らなくてはいけない」という拘束感から解放されよ
頭をやわらかく、心をゆたかにする思考法
人生の余白を広げる学び方
「終身現役、一生勉強」の生き方を貫く
知識と行動を並立させる「楕円思想」をもて
やるべきときに自分の「やる気」に相談するな
主体性と協調性が並立する「握り飯」型人間であれ
異見こそ尊重せよ――単眼を複眼に変えるもの
世界の破滅を前にリンゴを植える静かな覚悟をもつ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
【50歳からの勉強法】童門冬二の著書を読んで学んだこと
私は、2024年に50代になる予定の人間です。最近、心も体も老いを感じることが増えてきました。
そんなときに、ふと手に取った本があります。それが、童門冬二さんの【50歳からの勉強法】です。
この本は、私にとって「縁」のようなものでした。なぜなら、この本は、私がずっと悩んでいた「勉強する目的や方法」について、著者の考え方や体験を紹介してくれたからです。
この本のタイトルを見て、勉強の方法論を期待する人もいるかもしれません。しかし、この本は、そういう本ではありません。
この本は、勉強する目的や心構えについて、著者の人生観や哲学を語ってくれる本です。
私は、この本を読んで、自分の学びに対する想いや姿勢を再認識することができました。この本を読んで学んだことを、皆さんにもシェアしたいと思います。
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まず、著者の童門冬二さんについて少し紹介します。
童門冬二さんは、都庁と小説家の2足のわらじを履いていた方です。芥川賞候補になったことで、文筆家としての道を歩み始めます。
しかし、他者の作品と自分の作品を比較される世界に身を置くことで、自分の能力の限界を感じます。
そして、一時期、筆を置くことになります。その後、太宰治の作品に出会って、小説の魅力に再び目覚めます。
都庁という組織の中で働く著者は、執筆のテーマを「文学」から「組織と個人」に変えます。歴史に実在する人物の生き方や組織との関係を描き、現代社会における組織と個人の在り方について考えさせてくれる作品を生み出します。
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この本は、そんな著者の人生や作品に触れながら、50代からの勉強について語ってくれます。
著者は、50代とは、孔子でいう知命、命を知る時期だと言います。そのためには、自分をゼロベースにリセットし、過去の蓄積に光をあて直すことが重要と記載しています。また、併せて時間、ひとづきあい、情報取得についての考え方も提示しています。
(組織と自身の視点)
組織の論理、目的に対して、自身はどのような矜持をもって対面していくのか? 決めること。持つこと。そのうえで、賛成、反対・代替案を提示するという行動を示すこと。
(時間と自身の視点)
考えて時間を消費すること。何が目的で何が重要なのか? 効率性の視点では、二者択一ではなく、二者二択でもよい、しなやかさを持つこと。
(心と自身の視点)
後悔はしないように努めること。また、後悔・挫折から逃げるのでなく、それを学ぶ機会ととらえ直すこと。絶えず、謙虚に、外部からの指摘、助言を受け入れること。
(自身の敵は自身なり)
基本、人間は怠惰と思うこと。やる気・モチベーションを理由にしないこと。必要があるならば、やれ。
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【50歳からの勉強法】童門冬二は、40代、50代のみならず、幅広い年代の方にとって気づきの書になるのでは?と考えています。著者の考え方に触れることで、「勉強する目的」について、ガチガチではなく、柔らかい視点でとらえ直すことができます。ぜひ、手にとってみてはいかがでしょうか?
【著書より】(ページ)※一部、解釈を含む。
(11)
老いてもなお学びの姿勢を忘れない姿勢が、流動的で不安定な点々の人生に確たる骨格を与え、その時間を豊潤なものにしてくれるのです。
(24)
学びの姿勢は自由でいい。・・・をしなければならないは不要。教科書は世間にある。現実、現物、現場に触れよ。
(78)
自分のやる気に相談するな。やる必要のあることは、さっさと取り掛かる。
(117)
なら人間を目指そう。あのひとのためならば・・・と想う人と出会い、そのようになるに努める。
おかゆにならない。個人の矜持を保ち、組織の目的の達成に努める。迎合しない。
(137)
類似点を探すことから入れば、人間関係は意外にうまくいくものです。
(186)
心がやわらかく、鏡がきれいに保たれていれば、そこに映る像は鮮明で記憶にも長く深くとどまるだろう。
(193)
後悔しまいと努めながら、いつも後悔し、そのつどまた戒める。この半永久的な反復に、僕はひとが生きて居ることの本質があり、快味もあると思うのです。
(195)
人間関係を絞り込むこと。重要ではないものとは距離をおくこと。なぜならば時間が少なくなってきているから。
Posted by ブクログ
原稿を口で書く、辞書を読む、三度読んで理解できないところは捨て、理解出来るところを熟読する、やりたくないことから始める、飲んだら書くな、
Posted by ブクログ
作家の童門冬二さんが、自身の考える50歳からの勉強法を示した本。
参考になったのは次の点。
○「五十歳を過ぎたら、学びの種は未知ではなく、むしろ既知の分野に探しなさい」とうこと。
○「辞書を読む」というのは、作家として語彙を増やすため、あるいは減らさないようにするためとのことだが、時々言葉が出てこないとか、特に手書きしようとすると漢字が浮かばず焦ることのある自分も、時間があるときにはやってみようと思った。
○仕事は「嫌なことから手をつける」
童門さんが元都庁職員だったとは知らなかったが、その頃の様々な経験も学びとしてうまく活かしてきた方なんだと思った。
そして、原稿を口述で書かれていることに驚いた。そのためには、事前の十分な準備と脳内での十分な発酵作用が大切だが、それは我々一般人の仕事においても言えることだろう。
Posted by ブクログ
生涯未熟、一生学びという「起承転々」の人生二度目の転機として50歳を想定してのアドバイス。ただ、目からウロコ的な内容には欠けるように感じた。
一方で、元都庁職員であり、歴史小説家としての著者の生活、著作スタイルや人づきあいなど、童門冬二については興味深く読むことができた。
4-12
Posted by ブクログ
2025.5.31
題名の通りの内容を、経験を基に著されている。五十歳以降の日々を有意義で、実りあるものにするためには『学び』が有効な方法であるとし、未知なものではなく既知なものから探すことを提案している。
また、都庁勤務時代の経験からたくさんの事を教えてくれています。
・よく『時間がない』という人がいますが、それは怠け心が言わせている言い訳に過ぎないことが大半です。たいていの『時間がない』は、『時間を作る気がない』と同義語なのです。時間は『ある、ない』ではなく『その事をやる気があるか、ないか』の事なのです。
・人に動かされ組織に埋没するのではなく、できる事なら人を動かし、組織を束ねられる主体性、自立性を有した『なら』的組織人であれ
Posted by ブクログ
勉強法とあるが、具体的な方法を説明しているわけではなく、50歳以降における考え方、心構えを書いている。
文章が平易で読みやすいのは筆者が文中で書いているとおり。
Posted by ブクログ
録音して著作しているのには、驚いた。
参考にしたいこと
①怒らない
②人から学ぶこと
③50からは、新しいことではなく、これまでやってきたことから、選択して深くほりさげる。
④文は短く、分かりやすく。
⑤身近なところに師匠あり、
50からは、付き合う友達を絞り込むこと。
⑥プレゼンは事前の準備とアドリブ