西研のレビュー一覧

  • NHK「100分de名著」ブックス ルソー エミール 自分のために生き、みんなのために生きる

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    ルソーといえば、『エミール』『社会契約論』と名前だけは知っていたけど、これは一度読んだ方がいい。
    「どんな社会が幸せか」「その社会をつくるために人は何が出来なければならないか」という、「社会」とか「公的なもの」に対しての理念から、「どんな教育が必要か」を考えるルソーに非常に共感した。
    ルソーの原著はかなり読むのは重そうだったので、手始めにこちらを読んだら、めちゃくちゃ読みやすい。
    エッセンスを抜き出した感じで、著者による現代的な視点や発達論的な視点からの補足もあり、教育に関わる人間として読んで損はないと思う。

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    2021年03月31日
  • 哲学は対話する ──プラトン、フッサールの〈共通了解をつくる方法〉

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    誰にでもわかりやすいコトバで哲学の根本的意味を問いつつ、プラトンやフッサールの思想を通じて、共通了解に向けた哲学対話の具体的手法を提示しつつ分断→共存の社会を目指した画期的な大作。

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    2021年03月02日
  • 超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学』

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    『精神現象学』をこれほどわかりやすく解説した本はないと思う。しかし、それだけ著者の解釈が入り込んでいるわけで、本当にこの本を理解したといえるかどうかはまた別問題である。やはり原書に当たるほかない。

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    2020年10月29日
  • NHK「100分de名著」ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ

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    「ツァラトゥストラ」は非常に難解。
    しかし、本書は、それをこれでもかと言うほど噛み砕いて分かりやすく書いてくれていると思う。
    ニーチェの入門には最良の書では?

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    2020年03月22日
  • NHK「100分de名著」ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ

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    『ツァラトゥストラ』と並行して、感動しつつ読んだ。『ツァラトゥストラ』だけでは無理。
    著者なりの解釈で、永遠回帰、運命愛、超人の関係がよく分かった。
    超人になるのは大変だ、というのがよく分かった。

    これでいい、ではなく、これがいい、と自分(の人生)を肯定しきることができるか?できそうな気持ちになったけど、肯定できない人生もある。

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    2020年01月31日
  • NHK「100分de名著」ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ

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    「ツァラトゥストラ」を読むのに、なかなか書かれていることが理解できなかったため併読。ツァラトゥストラで書かれている内容を、ニーチェが書いた他の本も合わせて解説してくれるため、やっとなんとなくですが読みとることができたので、解説として非常にお勧めです。

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    2019年03月27日
  • 別冊NHK100分de名著 「幸せ」について考えよう

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    ネタバレ

    「幸せ」について、文学の章、経済学の章、哲学の章、心理学の章の4つの章から考察されている本です。
    内容はかなり専門的なので、要点だけ知りたい方は、まとめのページだけ読むだけでもいいかもしれません。

    文学の章は井原西鶴『好色一代男』『好色一代女』。
    経済学の章はアダム・スミス『国富論』。
    哲学の章はヘーゲル『精神現象学』。
    心理学の章はフロイト『精神分析入門』が取り上げられています。
    私は、普段、まず読むことのなさそうな本ばかりですので、この本で要点がわかってよかったです。

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    2018年11月23日
  • 知識ゼロからのニーチェ入門

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    わかりやすく建設的でもある。どこが角になりやすいかを踏まえた上でどのように受容すればいいのかまで提案されている。角を取って語っているのではなく角を提示した上で、こう考えませんか?なので良かった気がする。

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    2017年12月18日
  • NHK「100分de名著」ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ

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    ニーチェの思想を解説する本はたくさん出版されており、そのうちの何冊かを読んできているが、この本はその中でもよくできていると思う。ニーチェの思想の核になる部分を、やさしい言葉で簡潔に解説している。そしてまた、後半では著者の考えを展開することで、ニーチェの思想に足りなかったもの、あるいはその思想史的な位置を浮かびあがらせている。装丁や頁の体裁も見やすく、今、初学者に勧めるならこの本ではないかと思う。「100分de名著ブックス」は玉石混淆。これは大当たりだと思う。

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    2016年11月19日
  • 「考える」ための小論文

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     論文とは、他者に自分を知って貰う手段の一つ。他者を説得しようと根拠を示しながら自分なりの意見を表明する。大学に入る為に求められる基礎レベルの教養だ。論文も、読者とのコミュニケーションの一種である。だから、誰もが納得のいくように論を進める必要がある。その際に、把握すべきなのは個人と社会の関係性、具体的事例と抽象的理論の関係性だ。今どんな社会が到来しているのか、そしてそれらが引き起こしている問題状況はどうなっているか等について、個人の生と深く照らし合わせながら論述する。

     そもそも、意見とはどのようにして形成されるのか。著者は、己がまだ認識できぬ隠された段階にある意見は、各人の抱える感覚や感情

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    2015年03月15日
  • 「考える」ための小論文

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    ネタバレ

     「考える力」を身につけたいと思い、その一助となるような本を探していたのだけど、これは良い出会いだった。小論文対策として以上に、一人の人間として物事(人間の生や社会について)を考え、まとめることについて真摯に取り組んでいる本だ。 

     読んでいて思ったのは、「独自性ある文章」は思っている以上に簡単には出てこないし、かといって諦めるほど手の遠いものでもないんだ、ということ。
     普段から、私たちの周りには「もっともらしい正論」がそこら中蔓延していて、すぐに思考がそっちに引きずられてしまいがちだけれど、それは結局は考えた「つもり」でしかない。そうした紋切型の思考の軛から離れるには、素朴な問いに立ち返

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    2014年06月13日
  • 憂鬱になったら、哲学の出番だ!

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    ♪はー、デッカンショーオ、デッカンショ♪という訳で、デカルト、カントにショーペンハウアーはいいんだけど、カントの生きた時代にはフランス革命が横たわっていた等、額に入ったお飾りの哲学を解放し、時代が如何にそれ(哲学)を必要とし醸成されたのかがしっかり理解できる一冊。

    まさにソクラテス的アプローチで切り込むソーイチロウをがっぷり四つで受けて立つ哲学者・西先生のストロングスタイルが堪らない。

    ルネッサンス期のプラトンとフィチーノを知って、なぜ海外での学位表示が「Ph.D.」なのか、よく理解できました。

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    2014年05月11日
  • 集中講義 これが哲学! いまを生き抜く思考のレッスン

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     「ヘーゲル大人のなりかた」「実存からの冒険」と、哲学を体系的かつ網羅的に、さらにわかりやすい文体で語る西先生だが、本著と「哲学的思考」はその究極体といえる。近代哲学を中心としたちょっと小難しい議論を、行き詰まった現代人の不安や悩みの解決に繋げていこうという激しい情熱が伝わってくる。竹田青嗣先生と同様現代思想への批評は辛口であるが、それほど同理論にも精通しているということでもあり、その解説は的確。ご本人もおっしゃっているとおり、これからもさらなる考察を続けていく意気込みを示しているので今後の著作がとても楽しみ。

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    2014年03月14日
  • 不美人論

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    古本屋さんはいい出会いをくれる。

    なんだろう、口に出しても卑屈、と捉えられがちなことを正直にかたっていること、教授の西研さんの柔らかい合いの手と解説、話に出るタイプがなんとなくイメージしやすいところ、などなど読んでて面白いなぁ、と思えた小説じゃない本。

    哲学に興味を持ちそう。

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    2013年10月29日
  • 集中講義 これが哲学! いまを生き抜く思考のレッスン

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    ネタバレ

    西 研さんという哲学者の著書、集中講義 これが哲学!
    「人生は何のためのものか」という~問いを問わずにおれないのは、
    その人の生がどこかに苦しいものを抱え込んでいるからですね。
    ~生の物語がなかなか描けない。~将来的な展望がはっきりしない
    ~存在可能が明確でない~この種の不安や苦しさが究極的な
    意味を求めさせる。ということが書いてあります。この部分にとても
    共振してしまった私は、いったい・・・

    最近、お世話になっている哲学者は、この西 研さんと竹田青嗣 さん、
    この二人にかかると、難しい近代哲学も、私の人生に活かせる概念に
    なってくれる。

    私たちは、私たちなりに、私たちが生きている世界のル

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    2013年04月13日
  • 「考える」ための小論文

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    小論文入試を控えているため、

    1.評価される小論文とはどんなものか
    2.それを書くに当たって必要な力は何か
    3.その力をどのように養えばいいか

    について知りたいと考えて読んだ一冊。
    1、2については明確に知ることができた。3についても完璧とは言わないまでも、8割程度の、かなり明確ではあるけれども少しぼんやりしている、といった程度まで知ることができた。残りの部分は他の書籍や、実際に文章を書くことによって明確にできそう。
    自分の読書目的と本書の内容の一致度を考えると、非常に効率の良い読書だった。

    内容については、小論文の文章テクニックとかではなく、書く際の思考の軌跡をメインに据えて論じられて

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    2012年08月21日
  • 考えあう技術 ――教育と社会を哲学する

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    「なぜ学ぶのか」。
    これを哲学者と教育社会学者が語りあった、対談とエッセーを収めた本。

    「学び」は「自分のため」か。
    他者との関わりの中での、他者のための学びの可能性を展開できないか。
    そのような可能性を探る意味でも、非常に参考になる一冊。
    教員志望者には特にオススメ!

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    2012年03月16日
  • 「考える」ための小論文

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    [ 内容 ]
    論文は、なりよりも自分のモヤモヤした考えを明確にするため、またそれを他者に伝えるために書かれる。
    「自分とは何者か」から「人間の生」「現代社会の在り方」まで幅広いテーマを取りあげて、論文の「かたち」と「なかみ」をていねいに解説する。
    本書は、大学入試小論文を通して、文章技術の基本を身につけるための、最良の実用参考書である。
    と同時に、「書く」ことによって自分をつかみ、思考を深めていくための哲学の書でもある。

    [ 目次 ]
    第1章 論文ってどういうもの?
    第2章 じょうずに「考える」ために
    第3章 「読み」と「発想・構成」―原理篇
    第4章 「読み」と「発想・構成」―実践篇

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    2014年10月28日
  • 不美人論

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    いわゆる「ブス論」ということなんですが、もうねぇ、いちいち身につまされる話で
    「どうしたら、こんな私でも生きやすいか」ってホントむずかしい問題だなぁと思います。
    ブスであることから派生して「自分のことが嫌い」となったときに、「自分のことを嫌いでもいいじゃないか」と自分を肯定することと「自分のことが嫌い」という自分を認めることの違いを知る。
    いちいちの自分確認作業がいるなぁと思ったわけです。

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    2010年01月23日
  • NHK「100分de名著」ブックス ルソー エミール 自分のために生き、みんなのために生きる

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    古典に触れたくなった。

    近代教育の古典である『エミール』を読みたいと思った。

    原典に手を出す前に、入門書を読んでみようと思い、手に取った本。

    最近、批評家の東浩紀さんの雑談配信を視聴していて、

    「人文系の若手は、古典を読んでない。」というような苦言?を耳にした。

    そうだ、まさに自分もその1人だ。

    40歳になり、今一度古典に触れたいという気持ちが湧いてきた。

    『エミール』は200年以上前に書かれた作品だ。

    幼い頃、決して恵まれた家庭環境にはなかったルソーが、理想的な教育とは何かということをことを示すために著した実験小説ともいえる。

    いち教育者として、親として、非常に納得できる部

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    2025年11月28日