NHK「100分de名著」ブックス ルソー エミール 自分のために生き、みんなのために生きる

NHK「100分de名著」ブックス ルソー エミール 自分のために生き、みんなのために生きる

小説・文芸
935円 (税込)

4pt

4.0

少年の成長過程を通して語られる教育論『エミール』は、民主主義社会を担う、自立した人間のあり方を問う人間論でもあった。真に自由な人間を育てるために必要なこととは何か? 現代の実践的哲学者が、稀代の思想家を掘り下げる。

[内容]
はじめに 真に自由な人間を育てるために
第1章 「自然」は教育の原点である
第2章 「好奇心」と「有用性」が人を育てる
第3章 「あわれみ」が社会の基盤になる
第4章 理想社会のプログラム
ブックス特別章 自由に生きられるための条件を考える
読書案内
ルソー 略年譜
あとがき

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内文学
  • 出版社
    :
    NHK出版
  • タイトル
    :
    NHK「100分de名著」ブックス ルソー エミール 自分のために生き、みんなのために生きる
  • タイトルID
    :
    463232
  • ページ数
    :
    176ページ
  • 電子版発売日
    :
    2017年08月31日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    5MB

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NHK「100分de名著」ブックス ルソー エミール 自分のために生き、みんなのために生きる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    2021年5月18日
    教育関係者として、エミールの基本的内容を押さえようと思い読んだ一冊。
    内容も分かりやすくまとまられており、一気に読み切ることができた。コンサマトリーな教育を肯定しているところに、おもしろさを感じた。自身が作り上げてきた授業は意図せずルソーの思想に近いものであった。このことからも、自身が経験主義的な傾向を持っていることに気がついた。

    0
    2021年05月18日

    Posted by ブクログ

    ルソーといえば、『エミール』『社会契約論』と名前だけは知っていたけど、これは一度読んだ方がいい。
    「どんな社会が幸せか」「その社会をつくるために人は何が出来なければならないか」という、「社会」とか「公的なもの」に対しての理念から、「どんな教育が必要か」を考えるルソーに非常に共感した。
    ルソーの原著はかなり読むのは重そうだったので、手始めにこちらを読んだら、めちゃくちゃ読みやすい。
    エッセンスを抜き出した感じで、著者による現代的な視点や発達論的な視点からの補足もあり、教育に関わる人間として読んで損はないと思う。

    0
    2021年03月31日

    Posted by ブクログ

    古典に触れたくなった。

    近代教育の古典である『エミール』を読みたいと思った。

    原典に手を出す前に、入門書を読んでみようと思い、手に取った本。

    最近、批評家の東浩紀さんの雑談配信を視聴していて、

    「人文系の若手は、古典を読んでない。」というような苦言?を耳にした。

    そうだ、まさに自分もその1人だ。

    40歳になり、今一度古典に触れたいという気持ちが湧いてきた。

    『エミール』は200年以上前に書かれた作品だ。

    幼い頃、決して恵まれた家庭環境にはなかったルソーが、理想的な教育とは何かということをことを示すために著した実験小説ともいえる。

    いち教育者として、親として、非常に納得できる部分が多かった。

    以下、自分なりの解釈を示す。

    まずは個人としての欲求を認識させ、それを実現して幸福になっていくのに必要な知識や技能を獲得する。
    ここまでが「個人」に焦点を当てた段階で、だいたい12歳ぐらいまで。小学校の間は、他人や社会の規範・評価より、自分の中から湧き出るものや自分なりの物差しを重視するということ。

    その後、他者への共感能力を育成していく。社会に参加して他者と交わり、その境遇に共感していくことや、歴史や文学を学ぶことで、人間や社会について理解していく。

    最終段階では、「公」というものを知り、自分自身を相対化したり自分の考えをアップデートしていくのに必要な情報を集め、みずからの刃を研ぎつつ社会に貢献していける人間になる。

    細かい部分は置いといて、粗々はこんな感じの話だったと思う。

    教育の目的の1つであろう自立については、いざという時に戻って来れる場所=必要な範囲での依存先を確保する、つまり適切な依存関係を維持することが大切だという指摘にもなるほどと思った。

    一方で、ルソーの考える社会契約論や一般意志のハナシについては、理想主義的な側面が強いかなぁとも感じた。

    個人の力量を、過大評価しているイメージ。

    ルソーの生い立ちを聞くと、「そりゃそうか」とも思う。
    だって、基本的に教育ではなく独学でアカデミズムの世界での地位や権威を手に入れてるんですもの。

    「俺にだって出来たんだから、みんなにもできるよ!」って思っちゃってるのかな。

    破天荒な人生まで含めて、ルソーの面白さの一端に触れることができたので、おすすめです。

    0
    2025年11月28日

    Posted by ブクログ

    かつて原著で挫折したのでこちらで再読。

    フランス革命期の思想家でもあるルソーの代表作エミール。
    王政に対して「自由な社会」を構想。彼の考えた自由な社会とは平和共存するために必要なことを、自分たちで話し合ってルール(法律)で取り決める自治の社会。権力者が勝手な命令の押し付けたりできない社会。
    そういう自由な社会を作るためにルソーは「一般意志」(皆が欲することーでも多数決とは違う)を提示。みんなが欲するものかどうか?一般意志のそってるかどうかを議会で法律を銀無する際にすべしと。法律は最終的に多数決ではなく、一般意志かどうか?という点が大事であり、いくら多数できまった法律でも一般意志にそぐわないものはだめだが彼の主張。こういうと多数決民主主義の否定におもえる。
    が彼は、そういう議会をつくるためには社会の構成員を「自分の利益を考えるだけの人ではなくみんなの利益を考えれる人をどう育てるか?」をかんがえた。
    その教育の書がエミール。

    とはいえ国家主義的な、国のために自分を犠牲にしてみんあのために尽くすのではない。

    人は自分の名誉、権力、富、名声のような社会的評価ではかるようになる。これを自尊心という。そして自尊心を満たすために承認欲求に引き釣りこまれそうになっていく。他社に褒められるために右往左往する人間になっていく。それでは真の自由な人とはいえない。
    空気が読めないヤツをおそれずに自分のやりたいことをしっかりともち、その上でみんなのためにを実現できる人をどう育てるのか?

    ルソー自身は独学の天才ともいえる人で自分で学んできた人。

    まず幼少期は将来のことよりも今を楽しむ子育てをと。将来の予見、つまり先見の明がかえって人間を不幸にする。これはわれわれをいまから追い出し現在を無にしてしまう。未来を予見する先見の明と想像力は私達の欲望をどんどん膨らませていく。そして欲望と能力の間の不均衡のうちにわれわれの不幸がある。能力と欲望が均衡している状態を幸福という。

    心理学における愛着理論には安全基地と探索行動という概念がある。子供の自由な活動(探索行動)は、親や教師の見守り(安全基地)があってはじめて可能になる。

    詰め込み型の真理の連鎖ではなく、好奇心からの探求の連鎖が重要。

    自己愛と自尊心。
    自分への愛「自己愛」は自分のことだけを問題にするから自分のほんとうの必要がみたされれば満足する。けれども自尊心は、自分を他のものに比べるから満足することは決してないし、満足するはずもない。自尊心は自己愛とは違い競争軸から生まれるもので他者より優れた存在でありたいという欲望。

    人間を社会的にするのは弱さからだ。

    自分のために生きてみんなのために生きる。

    0
    2020年05月11日

    Posted by ブクログ

    忘備録 ルソーは自己愛と自尊心をはっきり区別している。

    そもそも自分に対する愛があるから、他人を愛することができる。利他的の気持ちの根っこには、自分を愛する気持ちがある。
    ? 快を求めて、不快を避けるという人間の根本にある自己愛から他人への愛が広がっていくというのは、ルソー独特のそして正しい考え方。

    歴史が描いているのは、その人自身ではなく、むしろその人が着ている服なのだ。

    神について…
    回転する天空の中にだけでなく、わたしたちの照らしている太陽の中にも存在する。わたしたち自身のうちにだけでなく、草をはむ羊、空を飛ぶ小鳥、落ちてくる石、風に吹かれていく木の葉のうちにも存在する。

    宇宙の究極の目的はわからない。けれども、それぞれの部分が他の部分のためにつくられていることはわかる。だから、私は、世界は力強い賢明なある意志によって支配されていると信じる
    私にはそれが見える、というかそれがかんじられる。

    ? 私たちはよいことをしなければ、幸せになれない。
     これは、アドラー的他者貢献につながる。

    ルソーの女性観は、時代背景のせいだが、非常に保守的。

    ? これは本当によいことなのか、と自分に問いかけながら欲望をコントロールしていくことが必要。自分の欲望に沿うことがよいことでないこともある。自分がしようとしていることに対して、これは自分を幸せにし、また他人を幸せにする、積極的な意義のあることだろうか。とその都度、問いかけてみること。これは生き方として必要な作法。


    社会契約論は、権利や正義といわれるもの、あるいは法といわれるものの正統性はどこからくるのか、という問いからスタートする。
    力は権利や正義の正当性を生み出さない。
    あらゆる権利や法の正当性の根源となる、一番の土台となる約束は何か。それが社会契約。
    社会契約を結ぶ根本の動機は、互いに平和共存するために仲間をつくって助け合おうとすることにある。

    ロックの自然権の考えとは若干異なる。

    ? 現代の日本は、公共的なものに各自はどう関わるべきか、というとても重要な点について、共通の了解が形成されないままになってしまっている。

    ルソーのエミールは、
    ?欲求の自覚と発現
    ?知識技能と柔軟な知性の獲得
    ?他者の生の条件と思いを理解し、共感能力を広げる「自治」
    ?自分の目指す価値を吟味しうる理性的視点の獲得

    これは原理として全く古くなっていない。









    0
    2026年02月21日

    Posted by ブクログ

    本編の『エミール』も読んでみたい。
    みんなが自由に生きる社会を作る人間をどうやって教育するかを教えてくれる本。

    0
    2025年12月23日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    学生時代の教科書で名前は知っているけど、内容は全く知らなかった本「エミール」について書かれている本。子供の教育や生き方について参考になって良かった。この本を読んでルソーや「エミール」について知ることができて良かった。ルソーが思っていたよりも苦労していることを初めて知った。

    0
    2020年02月26日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    子育てをする中で、ふとルソーのエミールを思い出した。原文を読む体力はなかったので本書を手に取ったがよくまとまっていてよかった。
    以下は本書の要約的なメモ。

    一般意志について書かれた社会契約論。しかし一般意志を実現するためには、何がみんなのために重要なのか判断できなければならない。どうやってその判断力を獲得するのか。個人の自由と人類の自由を同時に考えられる人間とは何か。そんな人間のための教育論として描かれたのが本書である。

    ルソーは、エミールの中で「こども」を発見している。子どもを自然人と社会人の間に位置づけた。

    当時、ロックによる人権のベースとなった「人間には生まれながらにして権利がある」という主張に対してルソーは「人間には元々権利などなく人間たちの合意で権利ができている。人間はとても不平等なところに起源がある」としている。

    子どもは12歳頃まで、自然と事物の中でのみ学ぶのが良い。そこではほぼ完全に自由にさせる。走り回ることで転び痛みを覚える。火に触り、熱を覚える。
    現在を大切にするべきだ。人間の「先見の明」は、不確実なものをあるかのように語り、現在を追い出すいつわりの知恵だという。
    欲望は肥大すると苦しくなる。欲望と能力が釣り合ったところでしか人は幸福を感じない。

    西氏は、ルソーの考え方について「人工的」と言っている。私もこれ「ルソーの言ってることは合ってるかもしれないけど、それができる家庭教師&家庭ってどうやったらいいの?」という感じ。愛情と信念に基づいた監視だよな。もしかすると教育の本質と危うさってこれかも。監視するけど管理せず。
    著者はボウルヴィも引用しながら「自由な活動ができるためには依存が必要だ」と解いている。自由な活動(探索行動)は親や教師の見守り(安全基地)があって初めて可能になる。依存と自由は完全に対立する二項ではない。ルソーは、子どもが人に頼るようなエピソードは全く書いていないが、西氏は社会福祉を学ぶためにも人に頼ることは大切だと語る。また、ルソーはエミールの中で全く子供を褒めていない。西氏は、愛情的承認だけでなく評価的承認も必要でほめるべきだという。

    感覚のあとは、観念を学ぶ。
    ルソーは「真理」の連鎖ではなく、「好奇心」からなる連鎖によって学ばせるべきだという。
    だから家庭教師は知識を教えるのではなく、経験を仕込む。町の人にお願いしてちょっとした事件を起こしたりする。
    今日の教育にもつながるアプローチ。
    最初に与えられる本は『ロビンソン・クルーソー』。ロビンソンのような孤立した状況になることで、何が有用であるかわかるようになる。
    好奇心と有用性は完全には矛盾しない。この2つを持つことで自活できる人間になる。

    続いて職業体験。分業についても10人社会(社会を10人と仮定して、分業したほうが効率的かつ生産的であることを学ぶためのモデル)を通して学んでいく。分業から、交換や貨幣の重要性も習得する。

    そしてエミールは15歳になる。これから観念を学んでいくが、その前に性の目覚めがある。ここに競争は不可避である。情念を考える。ちなみに情念は原文でpassion。ここには受動的な意味合いがあり、自分の意志から生まれるのではなく「やってきてしまうもの」というニュアンスが含まれている。

    自己愛は、自分をただ愛するから常に良いもの。しかし、自己愛がわるい方向に変形すると自尊心になる。自尊心は他のものと比べなければ満足されない。
    ルソーによれば、そもそも自分に対する愛があるからこそ他人を愛することができるという。自己愛がなければ利他の精神はない。
    また、ルソーは「あわれみ」を説いている。「人間を社会的にするのはかれの弱さだ。わたしたちの心に人間愛を感じさせるのはわたしたちに共通のみじめさなのだ」
    弱いからこそ、人は他者を必要とし、そしてそこにはかない幸福が生まれる。

    あわれみを持つために何をしなければならないのかというと、富める者でも惨めな面がある。人間のみじめさをしっかり見つめられるようにならなければ、あわれみを持つことはできないし、うらやましいという感情ばかりが溢れてしまう。
    また自分にも起こりうると思える他人の不幸にしか、人間はあわれみを持てない。
    他人が不幸をいかに感じていて、また、その他人を自分がどのような人とみなすかによっても、あわれむことができるかどうかは変わってしまう。

    自分に力がなければ苦しんだり、羨望に苛まれるばかりで、あわれむことなどできないのだ。滅私奉公などもってのほかで「自分のあまった力を他人にふりむけよ」

    近しい人間から学ぼうとすると、関係性が邪魔をする。羨望や差別が介在してしまう。だから青年は特に歴史を学ぶべきである。しかし、歴史とは「そこに生きる人ではなく、そこに生きていた人が着ていた服について書かれている」から、自伝が良い。「人間を通して社会を、社会を通して人間を研究しなければならない」

    しかしそれでも、知識を得たことにより傲慢になる可能性がある。だから、ルソーは規則を提示する。これが「サヴォワの助任司祭の信仰告白」である。
    内なる理性を見つけて良き心を得るべきだと。

    その後、エミールは、妻となるソフィーを見つけるが、というかエミールは男性だったと私は気付くわけですが、ここで披露されるルソーのジェンダー感はぼろぼろ。それはさておき、ソフィーに夢中になるエミールに対して、家庭教師は、欲望のままに生きることは大切だが、欲望に支配されない良心もまた必要だと説く。ソフィーと暮らすためには2年間、各国を渡り歩き政治や社会を学ぶ必要があるといい、ソフィーとの結婚はそれからでよいとした。
    エミールは家庭教師と各国をまわり、結果的にはフランスに住むことを決めた。ソフィーと結婚し、やがて父になり、この本は終わるのでした。

    なぜルソーを読むのか。ピアジェやデューイを読めばいいように思うが、ルソー独特の問は「社会をつくるための教育」という点が強く打ち出されているところ。社会形成を微分して人間形成を考えるとき、ルソーの態度は参照項になりうる。
    西氏は「自己了解の力(家庭教師のいうところの「自分自身の主人になること」)を備えた人間へと育つのはかなり大変なこと。しかし『エミール』はまさしく、この点に焦点を当てた教育論になっている」
    ルソーは神様をめぐる「思弁的な理論」よりも、まず「生活に役に立つこと」を学ぶことが重要だと考える。そして何が役に立つのかも一般意志を考える過程で、他者理解に基づいた広い人類の体験をもとに考えられるようになることを目指した。行き着くところは自由の先にある自治である。

    0
    2022年12月22日

NHK「100分de名著」ブックス ルソー エミール 自分のために生き、みんなのために生きる の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内文学
  • 出版社
    :
    NHK出版
  • タイトル
    :
    NHK「100分de名著」ブックス ルソー エミール 自分のために生き、みんなのために生きる
  • タイトルID
    :
    463232
  • ページ数
    :
    176ページ
  • 電子版発売日
    :
    2017年08月31日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    5MB

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