西研のレビュー一覧
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ネタバレ難解なヘーゲルの『法の哲学』の解説書。解説してもなお抽象的ですぐに理解できる箇所ばかりではないが、部分部分で解説コメントが入っており、挫折しないように工夫されている。
『法の哲学』の最も重要な起点は、人間が欲するものの本質は「自由」であるという点である。自由といっても、欲求のままに行動するということではなく、より高次の幸福を実現するために普遍化を続け、より普遍的な善いものを追求することこそが「自由」とされている。普遍化を続けることは、やがて市民社会や国家を生み、法や国家は、個々人の自由を相互に実現させるべきものであるとされている。
国家の一体性が非常に強調されているので、国家主義的なものを想起 -
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Mrs. GREEN APPLEの歌詞が
ニーチェの思想があるんじゃないか?と
誰かが考察していたので気になって読みました。
ほんとに全くニーチェのことがわからなかったので
初心者向けとある本から読ませていただきました。
カタカナが多くて、名前なのか地名なのかとか
そこすら曖昧な私です、、、。
マンガになっている部分が、
ギャグ感あって楽しく読みすめめる事ができました!
ところどころ難しい部分もありますが
初めて読むにはいいなと思いました。
「神は死んだ」という言葉も
耳にしたことはありましたが
意味などを考えたことがなかったので
いい勉強になりました。
ルサンチマン!学校で習ったような気 -
Posted by ブクログ
ツァラトゥストラに再チャレンジする前に読んだ。
わかりやすく、面白かった。
ニーチェは神という絶対的なものを否定し、その代わりに「超人」への道のりを価値観の拠り所とした。
また、彼は永劫回帰という、人生への絶対的な肯定を説いた。さらに、肯定できぬ者の、自己の生への呪いを正当なものとした(チクショー)。
彼は主体性や喜びを奪うルサンチマンを否定し、苦しみながらも、自らの意志で未来に進み続ける人間、さらにはその苦しみも含めて自己の人生を愛せるような、「超人」への道のりを至上のものとしたのだ。
しかし、これはある意味、絶対的な価値観の導入という意味において、神の復活を意味しないだろうか。
私 -
Posted by ブクログ
ネット上で予習したツァラトゥストラの内容に親近感を覚えていたので、読みやすい文体でおおよそのあらすじと考察を記載されている本書を一読。
入門書に適しておりかなりわかりやすく読めた。
ニーチェの人生を追体験した上で、キリスト教世界における神はどういう存在でどんな価値観だったのか、そこからニーチェの考える価値観、神の死から新たな超人という指針、ニヒリズムや永遠回帰と超人への道に行き着いたストーリーが、筆者の易しい説明で解きほぐされていく。あとはニーチェの悲劇の誕生という処女作では、ディオニュソス的なもの(感情や享楽を前提とした世界)とアポロン的なもの(理性や論理で組み立てられた世界)という概念が語 -
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ネタバレさて、「永遠回帰」の意味するものについて見てきました。でも、「何度も繰り返しの人生を生きることを欲する」なんてことは、本当にできるのでしょうか? 大学でニーチェを講義するとき、ぼくはよこくの質問を学生に投げかけてみました。よくある答えは、「いまの人生を全否定するわけではないが、楽しいことがあっても厄介なことはもあったわけで、まったく同じ人生をもう一度というのは実際には辛いかな。一度ならいいけど」というものでした。そして「何度も繰り返していい、というところまで自分の生を肯定する必要なんてあるんだろうか?」と疑問を呈する人もいました。でもなぜ、ニーチェは「永遠に繰り返せるほどの生の肯定」を求めた
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Posted by ブクログ
西研さんのやさしくて素朴な語り口が、一見難解な哲学者のことばを高校生や中学生でも分かる「しあわせ」への入口に変えてくれる。言ってしまえば陳腐なようでも、これを体現できる力と信頼感が、誰にでも薦めたいと思わせるほどの一冊。
「したい・できる」を問い直すこと、自由とその承認、対話の中での「よさ」の確認。いろんな哲学者のことばの点が、しあわせを考える点で繫がっていき、哲学者に触れるきっかけも作ってくれる。
この考え方を通して、自分自身を見つめ直すもよし、頭に思い描く誰かを見つめ直すもよし。人一人のしあわせという点では育児にまで応用が利きそうな広い懐。
帯の通り2時間でスッと身に染みる考え方が素 -
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ニーチェ!実存主義。生きてる間は不遇だった人。
人間が生を肯定するにはどうすればいいか?この自分を取り巻く条件の中で、どうやって自分の喜びを汲み取るかを考えるしかない。「悦び」も自分が決めるしかない。私が求めているのは何だろうかと自分に問いかける。
永遠回帰の思想とは、宇宙の万物は永遠にその経過を繰り返していると言うもの。喜びも苦しみも含んだあなたの人生が何度も繰り返されることをあなたは欲することができるか?それが真に自分の人生を肯定すると言うことだ。そのためにはあなたは苦しかったことに対してもyesと言えるのではなくてはならない。
受け入れがたいことが起こってしまったとき人はそれを恨む。