西研のレビュー一覧

  • NHK「100分de名著」ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ

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    個人的にはツァラトゥストラの内容の解説よりも西研さんの意見、考えの記述が多いように思いました。

    しかしながら、ニーチェの人生や彼を取り巻いていた人間関係や環境などはとても分かりやすく解説されていました。ツァラトゥストラを読む前準備にはとてもいい本だと思います。

    神様とか天国というのはゴリゴリに辛い現実に耐えられない人間が何とかして前向きに生きていこうとして作ったもの。キリスト教なんかもそう、“汝、真実を語れ”というのなら、その言葉を本当に突き詰めるのなら“本当は神様は存在しない”ということと真正面から向き合わなければいけないのでは?という指摘は、ほとんど信仰心のない私も少し動揺しました。絶

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    2022年05月03日
  • 知識ゼロからのニーチェ入門

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    ニーチェのことを知りたくて読んでみました。
    マンガによるニーチェの生い立ちと、思想の解説が書かれておりわかりやすかったです。
    ニーチェ入門書としてありだと思います。

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    2022年04月24日
  • しあわせの哲学

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    母親にすすめられて読んだ本!

    ものすごく短く簡単に書かれているからなんだろうけど、さらっと呆気なく書かれすぎていて、「え、それって本当にそうなの?」と思う箇所が多くあった。それでも立ち止まらずに読んでしまったけど。もう少し自分なりに噛み砕いて読みたいな。すごーく整理されてまとめられてる入門の教科書という印象。

    4章だかで触れられていた対話に関する議論に触れて、最近読んだ「プロカウンセラーの聞く技術」との対比?に気づいた。これまであまり意識していなかったけど、対話と聞くことは違うことなんだなあと(いや、もちろん似通った部分もあるんだろうけど)。2冊それぞれを読んだ現時点では、対話は相互理解を

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    2022年03月25日
  • 超解読! はじめてのヘーゲル『法の哲学』

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    ヘーゲルの『法の哲学』の構成にそって、テクストをパラフレーズしつつ、随所で著者たちの解説を付している本です。

    ヘーゲルの議論の要点をまとめることでその概略を読者に示すというスタイルが採用されており、じっさいに『法の哲学』を読んでみようとする読者の手引きとなることがめざされているように見えます。ただ、とくに竹田が執筆を担当しているところでは、しばしば彼自身の欲望論との接続を意識した説明のしかたがされているのが気になりました。

    たとえば第124節の注解の議論を、まずは「「主体の特殊性の権利」、いいかえれば「主体的自由の権利」こそ、近代と古代の「善」(道徳性)とを区分するもっとも重要な概念である

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    2021年12月03日
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 西研 特別授業『ソクラテスの弁明』

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    吟味を欠いた生というのは生きるに値しない。

    哲学の基本はやはり対話。
    ソクラテスの思考やルーツの解説がありながらも、哲学とは?ということを分かりやすく解説してくれている。

    言葉としては出てきませんが、本質観取のやり方•考え方を学べる本だと思いました。

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    2021年08月10日
  • しあわせの哲学

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    人間の「未来のこと」を考える生き方もいいけど、動物の「いまを生きる」生き方がわたしには魅力的に思えた。
    わたしの一番のしあわせは、「いっしょに暮らしてる小鳥が元気なこと」かな。

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    2021年07月26日
  • しあわせの哲学

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    【1回目】ヘーゲル、バタイユ、ニーチェなどの説を引きながら、私たちがふだん使っているのと地続きの日本語で「しあわせ」を味わうための哲学的思考のススメを説いている。方法としての「哲学対話」「批評」も開示されていて、応用もしやすいのではないか。最後は、しあわせを汲み出す「意思」の重要さに行き着いたと読んだ。平易な口調ながら、今ひとつピンとくるものがなく、もう一度読むべきか迷うところ。

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    2021年07月09日
  • 別冊NHK100分de名著 「幸せ」について考えよう

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    ・ヘーゲル 自分の人生を肯定することで幸福に辿り着く
    ・フロイト 愛する人が幸せであることが幸福
    ・井原西鶴 絶望してもそこで一度断念し次に向かう、ため息が深呼吸に変わるその瞬間が断念の後の悟りであり、幸せである

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    2021年07月03日
  • 憂鬱になったら、哲学の出番だ!

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    ジャーナリスト/田原総一朗氏と哲学者/西研氏の対談形式で歴史的哲学者の概念と、それらの主張に対する田原氏の疑問について、西氏の解釈を紹介するスタイル。
    そもそも「希哲学」に由来する「哲学」という訳が分かりづらく、フィレン(愛)+ソフィア(知)の知を愛するという、語源の方がイメージしやすい、という点は納得できた。
    哲学とは普遍性と原理性。哲学とは、対話をしながら、「何が大切か」(知・本質)を考えることである。
    「どこが足場になるのか?」と考えざるを得なくなった人が哲学に入っていく。

    以下の①・②の各哲学者の主張について、わかりやすく解説しているが、より理解するためにはそれぞれの哲学書を学ぶ必要

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    2020年07月03日
  • 哲学は対話する ──プラトン、フッサールの〈共通了解をつくる方法〉

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    3部から読んだら具体的なワークショップの方法が書いてあった。1,2部について、とくにフッサールの部分はわかりにくかったような気がした。

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    2020年05月03日
  • 哲学は対話する ──プラトン、フッサールの〈共通了解をつくる方法〉

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    哲学カフェなどで「勇気」「死」「正義」などのテーマをめぐる哲学対話を実践してきた著者が、プラトンやフッサールの思想を解釈しつつ、対話を通じて公共的な妥当性を形成していくことの哲学的根拠を明らかにする試みです。

    著者の議論は、竹田青嗣から継承した独特の現象学理解にもとづいており、「客観的認識についての確信成立の条件」を解明したという点に、フッサール現象学のもっとも大きな意義があったと理解されています。

    こうした立場に立ちつつ、著者はフッサールの「本質観取」の方法の有効性についてくわしい説明をおこなっています。著者は、フッサールという一個人がみずからの体験について反省することで取り出された「本

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    2020年01月09日
  • 完全解読ヘーゲル 『精神現象学』

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    ヘーゲルの『精神現象学』の解説書です。本書の後に刊行された『超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学』』(講談社現代新書)とおなじく、ヘーゲルの叙述を二人の著者がわかりやすくパラフレーズしています。

    『精神現象学』における精神の歩みを、近代的な「自由」にめざめていくプロセスとして読み解くという著者たちの立場から、ヘーゲルの錯綜した叙述の意味を統一的に解釈しています。

    もっともわたくし自身は、竹田の『人間的自由の条件』(講談社学術文庫)におけるヘーゲル解釈には問題が含まれていると考えており、本書にも同じような問題があると感じています。もう少し具体的に述べると、竹田はカントが「超越論的」と呼ん

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    2018年03月08日
  • 超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学』

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    竹田青嗣と西研の二人が、ヘーゲルの『精神現象学』の内容をわかりやすくパラフレーズしている解説書です。

    『精神現象学』の入門書としては、加藤尚武編『ヘーゲル「精神現象学」入門』(講談社学術文庫)が有名で、わたくしも以前読んだことがありますが、多くの執筆者が参加しているために全体像が少し見えづらいような印象がありました。本書は、竹田と西の二人が分担執筆していますが、両者は思想的に非常に近い立場に立っており、ほとんど二人のあいだの齟齬を感じることなく、『精神現象学』の全体像がクリアに描きだしています。

    西は『ヘーゲル・大人のなりかた』(NHKブックス)で、竹田は『人間的自由の条件』(講談社学術文

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    2018年03月08日
  • 別冊NHK100分de名著 「幸せ」について考えよう

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    別冊NHK100分de名著 「幸せ」について考えよう (島田 雅彦;浜 矩子;西 研;鈴木 晶)
    アダムスミス、フロイトなどの過去の識者は幸福をどうとらえたのか?を総合的に解説。
    まず資本主義の開祖アダム・スミス。どちらかというと自由放任のイメージがあるが、金銀財宝の量に富の源泉を見出す重商主義を否定し労働によってこそ価値が生まれるという労働価値説を展開しました。重商主義ならぬ「重人主義」。
    人々に、話す力と同じくらい黙っている力があれば、世の中はもっと幸せになるだろう。──スピノザ
    「幸福」について、初めてちゃんとしたかたちで語った哲学者はアリストテレス(*)です。『ニコマコス倫理学』という

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    2016年11月21日
  • NHK「100分de名著」ブックス ニーチェ ツァラトゥストラ

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    NHKの番組「100分de名著」の第1弾「ツァラトゥストラ」のテキストが単行本化されたもの。

    一番の特徴は、解説しているのがヘーゲル研究者であることだと思う。

    これによってニーチェから適度な距離感がとられていて、ニーチェの「超人」のイメージに対しても批判的な見方がされる。
    それは「孤高の超人」では駄目で、「周囲との協力」という考え方がニーチェには欠けていたのではないか、というものだ。

    一方、対談で登場する斎藤環氏はあくまで孤高の「超人」を支持している。

    『ツァラトゥストラ』はそれだけ様々な「読み」が可能な作品ということでもあり、先に解説本を読むのではなく、原典から読むことがオススメの本

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    2016年06月01日
  • 完全解読ヘーゲル 『精神現象学』

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    分かりやすくてなかなか良かった。カント批判も、なるほどと思わせるが、ぼくとしてはやはりカントのほうに心が向く。

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    2015年10月17日
  • 超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学』

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    難解で知られる『精神現象学』の筋書きを “表象として” おおまかに把握するのに役立った。

    ヘーゲルが問うたのは、個人と社会、公と私、理想と現実……これらの対立をどうするかということであった。今なお問われ続けている普遍的なイシューである。

    カント倫理学を手厳しく批判した第4章が特に読みごたえがあった。

    “しかし実際には、ここ〔カントの思想〕にあるのは、純粋な「普遍性」(理想)と「個別意識」(現実)とが、いかなる条件で一致するかを洞察する思想ではなく、この統一(徳と幸福の一致)が “存在してほしい” という単なる欲求なのである”(p203)

    “両者〔感性と理性〕の一致あるいは統一と言っても

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    2015年07月12日
  • 超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学』

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    古書。初ヘーゲルだが、これをそれに含めてしまってよいものかどうか疑問も残る。巡り合わせというのは書物と関わっていく上では意外に重要で、以前読んだハイデッガーの入門書同様、ヘーゲルとの巡り合わせも相当悪い部類に入るようだ。精神の遍歴を逐一記述していくという体裁(多分)の『精神現象学』を平易に読み解くという荒行に挑んだのが本書。懐疑主義、啓蒙に関する部分は大いに唸らされたが、後半(特に終盤の「宗教」辺り)は余りに一面的過ぎるし粗が目立つ。カントを乗り越えようという必死さは十二分に伝わったけど!

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    2015年05月16日
  • 風景とローカル・ガバナンス 春の小川はなぜ失われたのか

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    景観工学と風景の関係?風景は、そこに住む人がつくる、すなわちローカル・ガバナンスが風景を産み出す。具体な手立ては都市計画?工学や法律でなく、そこに住む人の生業や暮らしぶりによるのではないだろうか。どうやって風景を活用するのか残していくのか、手立ては各々の地域で異なるようだ。

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    2014年09月24日
  • 知識ゼロからのニーチェ入門

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    ツァラトゥストラを数ページで断念した、知識マイナスと言っていい自分でもスルスル読めた。
    「神は死んだ」という言葉が強烈で、何となくニヒリズムの権化、「超人」というワードからは力の信奉者のようなイメージがあったけれど、全くそんなことはなかったぜ!と気持ちいいほどに誤解が解けていき、その透徹した人間への眼差し、「生の肯定」に対する真摯で愚直な姿勢に感動さえしてしまった。
    真理とは錯覚に過ぎない、形而上学は捏造に過ぎない、禁欲主義的理想は究極のニヒリズムである。
    …あえて茨の道を掻き分けて進むような思想に、敬服する。

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    2013年06月03日