高橋昌一郎のレビュー一覧

  • ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論

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    いかなる命題も己の無矛盾を証明できない<不完全性定理>
    例:「私は嘘つきだ」
    これが真であれば正直者であり、論理は矛盾する。偽であっても「嘘つきではない」と、やはり正直者となってしまうので論理的に矛盾する。
    という論理の限界を突き付けた数学者、ゲーデルの生涯。
    例題がスッとわかる人には面白い世界。

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    2009年10月04日
  • 情報を正しく選択するための認知バイアス事典

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    ・2回通読。ハッとさせられる60個ものバイアスの話を、短い時間でサクッと読める
    ・対人論法、お前だって論法、藁人形論法は日常生活でもSNSでも頻繁に出会うので、意識しておきたい。何かを考えたり作ったりする時には、心的制約と機能的固着に気をつける
    ・読書を趣味にすると、話者や著者による確証バイアスやチェリーピッキングを疑う習慣がついちゃうけど、行き過ぎると状況対人論法になりかねないから気をつける

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    2025年12月01日
  • ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論

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    ど文系だが、大学の講義で興味を持って読んでみた。
    わかった気にはなるが、結局分かってない…そんな状態で終わる。
    論理パズルもわかるものと分からないものが混在。
    けど、内容自体は面白く、ゲーデルのひととなりがよく分かった。

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    2025年10月15日
  • 情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編

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    前作に続いて良い本だった。
    より事例が具体的で、お金や時事ニュースに関わるものが多かった。
    情報に惑わされないようになりたい人は一度読んでおくと良いと思う。

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    2025年10月10日
  • 東大生の論理 ――「理性」をめぐる教室

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    東大での非常勤講師の経験から、東大生の思考例をまとめたもの。スラスラと読めて、講義の面白さが伝わってくるとともに、東大の学生思考の一部を知ることができた。

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    2025年10月09日
  • 情報を正しく選択するための認知バイアス事典

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    ネタバレ

    本当は☆4.5。
    良い本。すごく分かりやすいし良くまとまっている。これを一通り読んで「こういうバイアスがあるんだな」と認識すれば、全てを記憶することはできなくてもきっとその後に影響がある(はず)。

    一番良かったのが最後に「知識の呪縛」で終わるところ。
    「さて、この本を読み終えると、あなたはバイアスについてある程度の知識を手に入れることと思う。ここで考えを巡らせてほしいのは『バイアスについて知識のない人たち』のことである」というように、この本を通して知識をつけた読者に向かって、そうでない人へバイアスを持っていないかと釘を刺して終わる。これをいわば「あとがき」の代わりとしているのである。去り際が

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    2025年10月07日
  • 反オカルト論

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    読みものとして面白かった。
    スピリチュアリズムブームについて、その起源から虚構であったことがよく理解できた。
    科学的な言説に基づかない、オカルト的言説が跋扈する世の中において、科学的視点を重視する習慣をつけたい。

    少し気になったのは、聴き役の助手のキャラクターについて、主題と関係ない部分のやりとり、受け答えなどが、ステレオタイプすぎるように感じた。(ジェンダーバイアスの話などもある分、余計に)
    ただ、主題と関係ない部分であるし、私の気にしすぎなような気もする。そうだったらすみません。
    でも、感想くらいは、主観的な視点で書くのをお許しいただきたいとも思う。

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    2025年09月25日
  • ノイマン・ゲーデル・チューリング

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    記号を最小単位分解し、それを自在に組み直す試みは、物質を物理的に最小単位分解して自在に組み直すよりは容易である。それを利用した生成AIが誕生したが、本書では、同時代の天才たちを分解し、何か共通項や今日的な意義のようなものを見い出すことはできるのか。

    「彼らはいかに関わり合い、何を考え、どう生きたか。そしてそれは今日の世界に何を意味するのか」と問う。本書は、それぞれの人物が残した代表的な講演や論文(ゲーデルの「数学基礎論における幾つかの基本的定理とその帰結」、チューリングの「計算機械と知性」)を、訳出と解題を通じて掲載し、「彼ら自身の言葉によってその思想の本質に迫る」と紹介される。

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    2025年09月10日
  • 反オカルト論

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    オカルトに対して警鐘を鳴らす一冊。

    STAP細胞騒動の頃で、それについての話が多いものの、オカルトの歴史について知ることができた。

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    2025年08月02日
  • 天才の光と影 ノーベル賞受賞者23人の狂気

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    ノーベル賞受賞者の人となりや逸話集。それも、碌でも無いよりのエピソード多めの。
    一面的な能力が高くあっても、それは当人の「正しさ」を示すものではない。それを忘れ権威に目をくらまされるととんでもないことになるぞという警鐘の本だろうか。
    序盤はそのノーベル賞受賞者の危うさがナチスとの関わりという部分が多く、やや飽きたが、中盤からバラエティが増えてよかった。
    ライナス・ポーリングの 「立派な年長者の話を聞く際には、注意深く敬意を抱いて、その内容を理解することが大切です。ただし、その人の言うことを『信じて』はいけません! 相手が白髪頭であろうと禿頭であろうと、あるいはノーベル賞受賞者であろうと、間違え

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    2025年07月30日
  • 眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス

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    【目次】

     1.個人の意識と認知バイアス

    認知バイアス・アンカリング/認知バイアス/意思決定プロセス/ヒューリスティック/各章バイアス/ギャンブラーの誤謬/心理的リアクタンス/現状維持バイアス

     2.人間関係と認知バイアス

    循環論法/対人論法/お前だって論法/藁人形論法/吊り橋効果/単純接触効果/感情移入キャップ/ハロー効果・初頭効果/パーソン・ポジティビティ・バイアス/ネガティビティ・バイアス/内集団バイアス/対応バイアス/セルフ・サービング・バイアス/感情ヒューリスティック

     3.社会生活と認知バイアス

    バーナム効果/ステレオタイプ/バンドワゴン効果/グラスの誤用/システム正当

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    2025年07月27日
  • 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性

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    もう、理性の限界…。
    こう告げられると、今にも襲われそうである。または、怒り出すのか、スーパーサイヤ人になるのか、そのいずれかだ。とにかく、茫然自失。感情的、性的、あるいは穏やかな心を持ちながらの変身において、衝動的な精神状態に変化する境目を表す言葉である。

    高橋昌一郎のこのシリーズが面白くて三部作を完読した。他に『知性の限界』『感性の限界』がある。哲学的対話形式で面白おかしく、しかし学際的に進められ知的刺激溢れる内容。

    ここで漸く、知性と理性と感性を区別して理解する重要性に気付く。これらには〝限界“つまり、統制を失ったり、能力を超越するまでのラインがあって、そこには順序がありそうだ。

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    2025年07月20日
  • フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔

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    目的のためには手段を選ばない非人道主義、科学の発展を優先する科学優先主義、虚無主義(過度な相対主義)なところが悪魔と言われるゆえんなんやけど、死ぬ前にはカトリックの司祭と話したがり、ハンドルを握っては事故を起こし、スカートをのぞく悪癖があった。原爆は皇居への落下に反対、京都に落として日本人の戦意を徹底して削ぐべしと主張、戦後も一刻も早くソ連を破壊すべきと考えた。

    ぼくとしてはいくら頭がよくてもやっぱり先は読めないんやなぁと思うことも結構あって、それが新鮮に感じた。

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    2025年06月02日
  • フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔

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    ネタバレ

    よく創作でフォン・ノイマンを模したキャラクターが狂人的扱いなので気になって読んでみた。全く理解できない感じの天才なのかなーと勝手に思って読んでみたけどどこが悪魔的なのか全くわからなかった。むしろ常識人寄りだと私は思ったのだが…。良識ある大人では???このタイトルと正反対なのがアピールポイントなのか???

    ・天才数学者エルデシュ~「同じベッドに1週間以上寝ることはない」と言われるエルデシュの放浪癖が始まった。~世界各国の数学者がエルデシュを迎えて自宅の部屋や宿を提供し、食事を与え、彼と共同研究する栄誉に浴した。到着すると彼は「私の頭は営業中だ!(My brain is open!)」と奇妙な英

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    2025年05月13日
  • 情報を正しく選択するための認知バイアス事典

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    第Ⅰ部が今一つで読むのを止めるところだったが、
    Ⅱ部、Ⅲ部はよかった。
    フォルス・メモリ、注意の瞬き、注意資源などの言葉があることがわかってよかった。
    アホな正論をかざす人たちへの対抗策として使えたらいいなと思う。

    貼った付箋の数:10個以上
    払ってもいい金額:2,000円

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    2025年03月27日
  • 知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性

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    同氏による別本『感性の限界』も読んだが、同じように哲学ディベート形式の論理哲学入門書の仕立て。ウィトゲンシュタインをはじめとする哲学者たちの論を紹介しながら、人間の知的営為の基本である「言語」「予測」「思考」の限界と可能性について探求する。

    言語の限界とは。言語が示す内容が誰にとっても同じではないことや、言語理解の矛盾や限界について論じる。特に、ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」や「指示の不可測性」などの概念を取り上げ、有名な「語りうることは明らかに語りうるのであって、語りえないことについては沈黙しなければならない」という言葉を引く。私は、言語の限界についてはよくわかるが、沈黙が推奨される

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    2025年02月28日
  • フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔

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    前半はエピソードトークに近い。後半は哲学というか信念/思想の話。経験に基づく因果な話で普通な印象だが、それがとてつもなく幅広い分野のとてつもない天才によるものなので影響力が大きい。終始、天才ぶりが凄いのだが、天才でも奇人・変人要素が少ないのも稀有な方。
    ノイマンの話はともかく、戦時/戦後の周辺の状況は興味深かった。

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    2025年02月23日
  • 天才の光と影 ノーベル賞受賞者23人の狂気

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    各章がコンパクトで興味深い逸話集。それぞれが強烈な個性の持ち主であり、優れた頭脳を持つが、あまりにも桁外れなのがフツーに感じられてしまう。印象的な人達はディラックの家庭環境、ファインマンの晩年、シュレーディンガーの一夫多妻の考え方。

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    2025年02月20日
  • 情報を正しく選択するための認知バイアス事典

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    行動経済学やメタ認知に関する書籍を読んでいるとよく分かっていない認知バイアスの用語が頻出します。なので、同分野の理解を深めるためにも一度認知バイアスを辞典的なもので総ざらいする必要があると感じたので、本書を手に取りました。

    一部間違って認識していた定義もあったため、非常に助かりました。具体例が多く面白かったです。

    また、引用した文献が明記されている点と語句検索が巻末についている点が非常に良心的だと感じました。これがない類書も多いので!

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    2025年01月28日
  • 感性の限界 不合理性・不自由性・不条理性

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    著者が一人多役。哲学者になったり行動経済学者、認知科学者、進化論者、実存主義者、カント主義者や急進的フェミニスト、会社員、運動選手、大学生など多彩に顔を使い分けながら、対話式で感性の限界を探る。

    頻繁に脱線し、それを司会者に軌道修正されながら進むが、脱線した話も面白くて中断しないで欲しいくらいのクオリティ。自由意思とは何か、感情は如何に生成されるか、不合理性の話、ミルグラムの実験、分析的システムと自律的システム、環境決定論など、興味深い話が続く。

    とりわけ印象的だったのは、自らの子孫を残す意義についての議論。子供は「自分の遺伝子」を引き継いでくれるものという考えがあるが、引き継がれるのは「

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    2025年01月05日