【感想・ネタバレ】ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論のレビュー

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Posted by ブクログ

久々に心から読んで良かったと思える本でした.改めて著者の高橋昌一郎先生のファンになりました.
人間の思考(あるいは人工知能)はチューリングマシンで既述できるかという疑問に対しても,明確な示唆が得られたと思いました.
私見ですが,人間の思考はチューリングマシンを超えていると思いました.機械に不足している要素は「完全な乱数」でしょう.以前からそのように考えていましたが,この本を読んだことにより,その確信を得ることができました.
AIの研究者にもお勧めの一冊です.

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2022年07月21日

Posted by ブクログ

不完全性定理について”文系”的に一番よく書かれている本だと思う。不完全性定理というのはとかく文系の人には拡大解釈されがちだが、適用範囲がきちんと限定された数学的な定理であって、決して”「うそつきのパラドックス」を数学的に言い換えたもの”ではない。この本をちょっとていねいに読めばそのことがわかるだろう。(読みたいことを読みたいように読み飛ばせばどんな本を読んでも同じことだが)
ゲーデルのかんたんな伝記や晩年の思想についてもふれられたとてもコストパフォーマンスのよい入門書。

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2017年12月26日

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読み応えのあるゲーデル本。やはり縦書きの本であり、不完全性定理の証明のテクニカルな側面よりも、歴史的な背景と哲学的な意義について詳しく解説している。1930年のケーニヒスベルク会議と、1951年のギブス講演について詳細に書かれているのがとても嬉しい。ケーニヒスベルク会議は、ヒルベルトの記念講演「自然認識と論理」に加えて、数学基礎論における3学派(論理主義、形式主義、直観主義)の討論会が行われたり(フォン・ノイマンも講演している)と、華々しく開催されたのであるが、皮肉なことに、ゲーデルが初めて不完全性定理のアイデアを公表したのも、このケーニヒスベルク会議だったのである。結果的に数学界では受け入れられなかったブローウェルの「直観主義」が、ゲーデルにインスピレーションを与えたというのも、歴史的な皮肉としか言いようがない。

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2013年07月01日

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大学時代に高橋先生の授業を履修していて、この本を読んだ。
当時よく理解できなかったことも今なら、もう少しまともに、論理的な思考法を学べる気がする。また授業受けたい。

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2012年07月10日

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「公理に基づく体系化されたシステムでは、全ての真理を汲み尽くすことはできない」
ゲーデルの定理は数学だけでなく哲学的な帰結をも意味し、全世界に衝撃を与えた。
難解な定理をわかりやすい概念から丁寧に説明することで、詳しいことがわからないままでも不完全性定理の概念をおおまかに理解することができる、不完全性定理の入門書。
ゲーデルという人の生涯も詳しく記してある。かなりナイスな一冊でありんす。

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2011年01月25日

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天才数学者ゲーデルの不完全性定理について。
論理で閉じた世界の限界を示し、記号からの脱却を押し進める。

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2011年01月02日

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哲学の解説書というより、サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」のような科学ノンフィクションのような感覚で読める。人間の理性の限界や、神が存在するか否かといった話にまで及ぶスケールの大きい本。

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2009年10月04日

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いかなる命題も己の無矛盾を証明できない<不完全性定理>
例:「私は嘘つきだ」
これが真であれば正直者であり、論理は矛盾する。偽であっても「嘘つきではない」と、やはり正直者となってしまうので論理的に矛盾する。
という論理の限界を突き付けた数学者、ゲーデルの生涯。
例題がスッとわかる人には面白い世界。

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2009年10月04日

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読み終えた。
しかし、ただ読み終えただけであり、数学が出てくるところで私の理解をこえるところになった。

誰が読んでもわかりやすいようにという趣旨で、新書という形で発行されたようだが、何というか自分の知性を恥じる読書体験になってしまいました。

現代思想は本当に面白(そう)い、と思うのだが必ずそこには数学や科学の存在がある。文系の頭が拒絶するのか、単に私がアホなのか、それはわかりませんが、大いなる壁である。

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2017年06月07日

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初ゲーデル。集合論におけるラッセルのパラドックスやチューリングマシン、神の存在証明など論理学の興味深さを思う存分味わった。前半のアナロジーは若干難しいが、メタ視点や集合論における自己言及の破綻を思い起こせば深くはなくとも理解はできる。論理学は強烈なツールであることを改めて感じた。カントとヒュームが示した演繹法と帰納法の限界についてさらに知りたくなった。

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2014年10月26日

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ゲーデルの複雑な議論をアナロジーとパズルを交互に用いる印象的な手法で説明している。ゲーデル以降の完全性定理のもたらしたことについての説明もあり、非常に興味深い。

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2014年05月12日

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 アナロジーを通して不完全定理を紹介してくれている。個人的には、ゲーテルの人間・反機械論のところが感動的でよかった(ギブス講演)。いや、けっして反機械論に帰結するわけではないけれど、それでもよかった。その可能性があるだけで。

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2012年09月28日

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ゲーデルの不完全性定理の解説、およびそこから導かれるゲーデルが考えた不完全性定理の哲学的帰結の解説本。

不完全性定理の解説は例が非常に巧みで、論理記号などは一切使われていないんだけれど、「なにこのわかってしまった気がする納得感!!」がある。

電車の中などで気軽に読んでも、論理学の素人にとって途中で迷子にならずぎりぎり理解できるか!?その瀬戸際を行き来しながら読んでしまえるぐらいの絶妙な難しさ加減が丁度良かった。不完全性定理のキモとなるゲーデル数化の概念もすんなり入ってくる。

この解ってしまった感って、こういう本の場合結構重要。実際に誰かに不完全性定理について説明しろなんて言われたらなんにも説明できない。だけれど、一読してストレス無く読めて「解った気にさせる」難易度で本を書くのは難しんじゃないかな。そこらへんが著者の腕の見せ所なんだろうな。ウマイ。

同一著者の「理性の限界」も是非読んでみたいと思える本でした。

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2011年08月28日

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三流大学のインチキ理系を首席で落第し、それでいてなお似非教養主義者を自称したい自分には目から鱗の一冊だった。
ゲーデルの不完全性定理はその名前だけ耳にしたことはある。
しかしその内容に自分のしがない理系的知識が吹き飛んだ。
数学って絶対的だと思っていたから。
しかしゲーデルのよると数学はそれ自身無矛盾であることを証明できないそうだ。
これは衝撃的だった。
この本の素晴らしいところはその一見難解そうな定理を下手に数式やら記号を使わずにパズル(というかナゾナゾというか)で説明し切っているところにある。
なので高校の微積で躓いた自分にもその不完全性定理の概要を上手く掴むことができた。
なので文系理系関係なくオススメできる一冊となっている。
ただし後半になるにつれて目にしたこともないような記号が増えてきて難解になってくるので注意が必要。
それでも神の存在証明はスリリングなことが伝わると思う。
人間機械論争も面白いが、これは情報処理に関するある程度の知識がないと読むのが辛いか。
後半部分で星を落とす要因にはあるが、全体としていい新書だと思う。
こうなると物理学の量子力学にも俄然興味が湧いてくるものだ(学生時代、量子力学を理解できなかったクチなのだけど、もう少し真面目に話だけでも聞いておけばよかった)。

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2011年07月21日

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[ 内容 ]
あなたが矛盾しないことをあなたは証明できない―人間の理性に限界があることを証明し、神の存在証明をも行った“アリストテレス以来の天才”。
その思想の全体像を、はじめて平易に解き明かす。

[ 目次 ]
1 不完全性定理のイメージ
2 完全性定理と不完全性定理
3 不完全性定理の哲学的帰結
4 ゲーデルの神の存在論
5 不完全性定理と理性の限界

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2010年11月21日

Posted by ブクログ

あまりに普遍的で完全だとおもっていたものが、実は本当の意味で完全ではなかったこと。そこに疑問を持つことと深堀していく勇気がすごい。

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2010年07月10日

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長門有希の100冊の、23冊目。

この手の哲学本にしてはものすごく読みやすい本です。
新書だからというよりは、できる限り易しい言葉を使って、まずざっくりと全体感を捉えれるようにという割り切りで書いてある本だからだと。思考実験にページ数が割いてあることもあって、純粋に面白い!
後半はゲーデル生涯の話とかも入ってくるので、定理だけにのめりこみたい人には不向きかもしれません。(でも哲学書は得てしてそういうものな気もする)

ちなみに原作で、長門が言った「無矛盾の公理的集合は自己の無矛盾性を証明することができない」というのが、このゲーデルの哲学です。チェッメイト寸前だったチェスの王様を胸ポケットにしまいこんで、こういうことですと古泉が言ってる場面のあれです。

しかし、古泉と長門の会話はすごい高度ですよね…。普通、高校生の日常会話にゲーデルは出てこないよ…!(そして、詳細は分からなくとも、この手の会話の要点をきちんと捉えられるキョンも、相当頭がいいと思います)(勉強ができるとかそういう意味ではなく)

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2014年05月26日

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不完全性定理について概念的に理解できると共に、天才ゲーデルの思考に触れる事ができる。
完全を求める数学の世界で、不完全を証明したゲーデルは数学の世界から哲学の世界に踏み出す。
人間は機械なのか、神は存在するのか、
このような議題も数学的観点から証明するゲーデルはやはり天才である。

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2009年10月04日

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数学者ゲーテルの生い立ちや哲学的志向、そして彼による「不完全性定理」の説明とそれにまつわるエピソードなど、数学と歴史、哲学に至るまでを分かりやすく記述した本。

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2009年10月04日

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難解&誤解にひたすら晒されている、「ゲーデルの不完全性定理」を詳述。一見難解ではあるが、文章は読みやすく精読すれば初心者でも理解可能です。そういう意味で良書。安価だしね。恐らく20世紀最大の知的業績(もしかすると、人類史でも)に、一度は触れてみませんか?
ゲーデルによる(数学的な)「神の存在証明」も掲載されているのは必見かなぁ。理解できる人がいれば・・・・・。

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2009年10月04日

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不完全性定理で有名なゲーデルの哲学を紹介した本です。サブタイトルのとおり「不完全性定理」そしてゲーデルが行った「神の存在証明」について書いてあります。哲学や論理学、数学の予備知識は仮定されていないのでそれらをやったことがない人にもわかりやすく書いてあると思います。ゲーデルを効いたことがないがなくても不完全性定理は知っているという人は多いのではないでしょうか。哲学や論理学よりもむしろコンピュータ科学においてよく見かけるタームです。これによりラプラスの魔的に全てを予測する完全演算機械の出現が否定されるわけですがこの辺の話は実際に読んでもらった方が早いですね。かなり難解ですがゲーデルがこの理論にたどり着くまでの思考の変遷はかなりエキサイティングです。これを読むと論理学、数学と哲学の近さに気づかされますね。また、後半の「神の存在論」はゲーデル晩年の「神の存在証明」を紹介したもの。これは学術的にはあまり意味はないかもしれませんが、ここでも彼の論理展開は見事です。一般人とはかけ離れたまさに天才なんだなと思わずにはいられませんね。あとこれと一緒に以前紹介した「無限論の教室」もあわせて読むと理解がしやすくなると思います。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ゲーデル概論。完全性定理、不完全性定理と神の存在論的証明の概説からノイマン、アインシュタイン、ウィトゲンシュタイン、チューリングらとの人生の総括まで。
初心者向けであり、読んでいる間はなんとなく理解した気になれるのだが、振り返ってみると自分で説明が可能だとは言い難い。
これは勿論、新書として入門に最適な分量に収めている本書のせいではなく、自分の知識不足。
理解したいという意欲は十分に得られるので、これを機に一から学びたい。

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2018年10月20日

Posted by ブクログ

[第15刷]2010年7月20日
不完全性定理について新書レベルの解説を期待して読み始めたが・・・第2章からはほぼ目的を失ってしまうことに・・・面白かったけど・・・次を探します。

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2014年10月25日

Posted by ブクログ

最初が面白かったので、
不完全性定理をわかりやすく説明してくれているいい本だと
のめり込んでいったが、

途中から完全ストップ。
何度読んでも分からない箇所が続出。
あとは鈍行運転で、なんとか終了。

不完全性定理は不完全にしかわからなかった。

数学と哲学はつながっているようだ。

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2014年06月08日

Posted by ブクログ

ゲーデルという哲学者の人物像、アインシュタインなど科学者たちとの関係、彼の生きた時代背景、といったことは知れるしそれなりに興味深い。だが、彼の哲学そのもののについてとなると、本書では例えを使って解説しているが、門外漢にとってはやはり難解すぎる…。

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2010年09月25日

Posted by ブクログ

孤高の天才数学者、ゲーデルさんについての本です。

定理っつぅと計算式やら机上の理論ってのが一般的な印象ですが、コレは人間の理性の限界を数式で証明したという、半分哲学の入ったカンジです。

人智が全てを知るコトは出来ないコトを、数式一つで表した物凄い人です(笑)

この本は、講談社なのにブルーバックスじゃないコトからもお分かりのように(?)文系でも分かりやすく比喩を交えて説明してあるので、数学が全然アレでも大丈夫です♪

このゲーデルさんはアインシュタインとも親交のあった高名な数学者なんですが、あまりにも頭が良すぎたみたいで…最後は神の存在を数式で表そうとした挙句に精神を病んで餓死してます(爆)

その辺の伝記も入ってるので、入門としては適していると思います。

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2009年10月04日

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