高橋昌一郎のレビュー一覧
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著者が一人多役。哲学者になったり行動経済学者、認知科学者、進化論者、実存主義者、カント主義者や急進的フェミニスト、会社員、運動選手、大学生など多彩に顔を使い分けながら、対話式で感性の限界を探る。
頻繁に脱線し、それを司会者に軌道修正されながら進むが、脱線した話も面白くて中断しないで欲しいくらいのクオリティ。自由意思とは何か、感情は如何に生成されるか、不合理性の話、ミルグラムの実験、分析的システムと自律的システム、環境決定論など、興味深い話が続く。
とりわけ印象的だったのは、自らの子孫を残す意義についての議論。子供は「自分の遺伝子」を引き継いでくれるものという考えがあるが、引き継がれるのは「 -
Posted by ブクログ
日本人が生活する上で欠かせないコンピュータですが…
その基本構造(ノイマン型アーキテクチャ)は1945年日本を震撼させた原爆を作る際、弾道計算用に開発された。なんとも皮肉な話だが、結果として、あらゆる分野の学問が飛躍した。
コンピュータの父、ジョン・フォン・ノイマンの人間離れした才能と錚々たるキャリアに終始驚かされた。
甚大な被害をもたらした原爆の開発においても重要なポストについていたノイマンは科学で可能なことは徹底的に突き止めるべきだという「科学優先主義」の信念を貫いた。
その残忍さを『人間のフリをした悪魔』と称しているが、ノイマンは原子力爆弾の爆縮設計が完成すると、自分がやってしまっ