高橋昌一郎のレビュー一覧
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なんとなくしか知らなかったノイマンについて知りたく手に取ったが、ノイマンの業績や立ち振舞いを知ることが出来てとても良かった。
サブタイトル「人間のフリをした悪魔 」にはちょっと違和感を覚える。ノイマンに対しての内面的・哲学的考察が入っているのかと思ったが、そこについてはほとんど言及していなかった。そこを求めていなかったので、個人的にはだからと言って別に不満があるわけではない。
ノイマン自身については化け物としか言いようがない。一応経済学部卒なのでゲーム理論等はかじっているが、ちょちょっと片手間にゲーム理論を創設するという意味の分からないエピソードもしれっと書かれていて何がなんだか分からない、バ -
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人間のフリをした悪魔というサブタイトルだが、本当にそうか。原爆への態度、科学優先主義に見えたからと言って、彼の脳内が非人道的な躊躇いを持たぬものとは決めつけられず、寧ろ達観、或いは距離感のある戦争に対し、脳が合理的に処置した結果。核を用いる事の抑止力、皮肉。今すぐにでもソ連を爆撃せよと言った『博士の異常な愛情』は、大国間の予防戦争を希求したか、それを通り越して、馬鹿げた人類への諦観、世界全体の不協和への戒めと軌道修正を期待したか。
コンピュータの父、ゲーム理論、マンハッタン計画、数学の天才として知られるノイマン。本著にはアインシュタイン、シュレーディンガーに加え、ノイマンが天才と認める多数の -
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5人の学生と1人のモデレーター(教授etc)が『哲学ディベート』と同じ議論形式で自己分析について語り合う。2章までいわゆる就活的な自己分析が焦点となっているが、後半から「自己」とは何か?といった哲学的な探究が展開されている。その点、自己分析という点から大きく脱線はするが、ある意味、「自己」の探究は自己分析の原点なのかもしれない。
『哲学ディベート』は色んなジャンルの議題があっため、学部別の学生の視点というのは面白かったが、今回の自己分析にまでその視点いる?という感じはした。むしろもっと哲学的な文脈を掘り下げてほしかった感もある、
3章に出てくる科学哲学者が絶妙にウザいキャラクターだが、ギリ -
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意思決定にまつわる様々な論理を網羅的に知ることができる一冊。具体例もわかりやすく難解ではない。
以下読書メモ
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・パウロスの全員当選モデル
・独裁者の存在を認めるような投票方式でない限り戦略的操作が可能になるというものでギバード・サタースウェイトの定理と呼ばれています。
・人間の心を様々なエージェントが集まってできた一戸の社会とみなす理論があるこれは1986年にマサチューセッツ工科大学の情報科学者 marvin minsky の提唱した心社会論と呼ばれる理論
・ 繰り返し囚人のジレンマ
・ノイマンとモルゲンシュテルンはこのようなゼロサムゲームに限って言えばミニマック -
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限界シリーズの2冊目。前作よりも哲学色が強くなり、言語、予測、思考の限界に分けて同じメンバーによるシンポジウム形式で議論される。ウィトゲンシュタイン、ポパー、ファイヤアーベントという異なる哲学者たちの人生と思考に触れることができた。
第2章、予測の限界におけるバタフライ効果は、現在のコロナ感染の広がりを意識させられた。
また、サイエンスウォーズの発端となるソーカルの論文が面白かった。数学や科学の自然用語を文系学者が理解もせず勝手に濫用していることを痛快に批判しているのだが、レベルは違えど、文系の私も理系用語を用いて何か表現するときには注意しなくてはいけないなと感じた。
1人1人の人格を作り出し