高橋昌一郎のレビュー一覧

  • 哲学ディベート―<倫理>を<論理>する

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    世の中の社会問題をディベート形式で議論する本。賛成・反対の立場が整理されていて読みやすい。

    この本を読んで改めて実感したことは、議論の結論に正解はないこと。それぞれの立場があるから、正解は相対的にならざるを得ないし、定義や論点によって何が正しいかは自ずと変わってくる。議論する際に注意したいことは、論理に欠陥がないことと、自分の立場を明確にすること。

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    2021年06月06日
  • 20世紀論争史~現代思想の源泉~

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    ネタバレ

    近年の色々な分野(哲学だけかと思ったら数学、物理学、生物学等かなり多彩)における対立軸を対話形式でコンパクトにまとめ非常にわかりやすい。深掘りしたいテーマがあれば、巻末の豊富な参考文献に進めば良いだろう。

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    2021年06月04日
  • 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性

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    意思決定にまつわる様々な論理を網羅的に知ることができる一冊。具体例もわかりやすく難解ではない。

    以下読書メモ
    >>>

    ・パウロスの全員当選モデル
    ・独裁者の存在を認めるような投票方式でない限り戦略的操作が可能になるというものでギバード・サタースウェイトの定理と呼ばれています。
    ・人間の心を様々なエージェントが集まってできた一戸の社会とみなす理論があるこれは1986年にマサチューセッツ工科大学の情報科学者 marvin minsky の提唱した心社会論と呼ばれる理論
    ・ 繰り返し囚人のジレンマ
    ・ノイマンとモルゲンシュテルンはこのようなゼロサムゲームに限って言えばミニマック

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    2021年02月05日
  • 知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性

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    限界シリーズの2冊目。前作よりも哲学色が強くなり、言語、予測、思考の限界に分けて同じメンバーによるシンポジウム形式で議論される。ウィトゲンシュタイン、ポパー、ファイヤアーベントという異なる哲学者たちの人生と思考に触れることができた。
    第2章、予測の限界におけるバタフライ効果は、現在のコロナ感染の広がりを意識させられた。
    また、サイエンスウォーズの発端となるソーカルの論文が面白かった。数学や科学の自然用語を文系学者が理解もせず勝手に濫用していることを痛快に批判しているのだが、レベルは違えど、文系の私も理系用語を用いて何か表現するときには注意しなくてはいけないなと感じた。
    1人1人の人格を作り出し

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    2021年01月20日
  • 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性

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    いろんな登場人物が出てきてあーだこーだ言ってて楽しいです。ゲーデルの不完全性定理のところは、半分も理解できなかった。正しいと分かっていながら証明できないものがあるっていうのが不完全性定理だそうで、そういう捉えきれないものがあるのはもどかしいというか、なんか恐ろしいというか、そんな気持ちになったけど、そうなるのはそもそも「人間はなんでも捉えられる・理解できるはず」っていつの間にか考えてしまってるせいなんだろうなーと、自分の考えが自己中で危ういなぁと反省。

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    2021年01月18日
  • 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性

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    限界シリーズの1冊目。専門家と一般人によるシンポジウム形式で非常に読みやすい。
    「アロウの不可能性定理」、「ハイゼンベルクの不確定性原理」、「ゲーデルの不完全性定理」とその論点についてそれぞれ選択、科学、知識の限界に分けて議論される。
    文系で専門知識がないと「ちょっと何言ってるかわからない」のオンパレードで全て理解しようとすると挫折しそうだが、こういう考え方があるんだなと知るだけでも世界が広がる気がする。
    特に一章の選択の限界は面白かった。投票方法によって当選者が変わるという民主主義の矛盾を突き付けられる。
    また、カント主義者や急進的フェミニズムなどが極端な発言をする度に司会者に遮られるという

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    2021年01月16日
  • 知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性

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    それぞれの立場の会話形式で面白く読み進無事ができた。
    知らない言葉などもあったのであとで調べてみようと思う。
    個人的に面白かったのは途中でちょこちょこでてくる急進的フェミニストが急進的すぎてツボでした

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    2020年12月30日
  • 感性の限界 不合理性・不自由性・不条理性

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    ティーンネージャーが読むのにちょうど良いレベルかと思った。幅広い話題についてスラスラ読めるので読み物としてはそれなりに面白い。シリーズでは2作目が断然良かった。果たして続編は出るのか
    ただナチスによるユダヤ人差別の思想をなぜドイツ国民は受け入れたのか、という語りは事実誤認。ユダヤ人差別意識は長い歴史があったし、当初ナチスはユダヤ人の迫害など想定していなかった。逆に大衆に付け入るため後ほど利用するようになったという方が正確かと

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    2020年05月12日
  • 改訂版 小林秀雄の哲学

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    ネタバレ

     ある婦人が、遠い戦場で夫が戦死した同時刻に、夫の周囲の兵士の顔や塹壕の光景を夢見た。医者は、そのような夢の多くは現実とは無関係だが、偶然現実に対応する夢もあり、その一例だろうと答える。しかし、ベルグソンは、「精神感応と呼んでもいいような、未だはっきりとは知られない力によって、直接見たに違いない。そう仮定してみる方が、よほど自然だし、理にかなっている」と考える。
     そして小林は、「経験科学と言う場合の経験というものは、科学者の経験であって、私達の経験ではない」という観点から、ベルグソンの考え方を擁護する。さらに小林は、ベルグソンと同じように「理智」によって「整理された世界」を拒否し、「世界が果

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    2020年03月08日
  • 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性

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    知性の限界が面白かったので理性の限界も読んでみた。物理学の章は周知の内容だったので、それほど知的好奇心を刺激されることはなかったが、全体として読みやすくて満足いく内容だった。
    第1級の科学者との雑談がきっかけで討論会形式にまとめることにしたという。 面白くて分かりやすいのが一番、という姿勢は大賛成

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    2020年01月02日
  • 知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性

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    言語、予測、そして思考の限界を仮想ディスカッションの形式で読み解く「限界」シリーズ2作目。
    相変わらず、議論を通しての引用が巧みである。

    ソーカル事件は衝撃的だったし、ドーキンスの逸話はほつまこりさせられた。
    そしてホイルの自説は突拍子もないようでいて、もしかしたらそうかもしれないという気持ちにさせられるパワーがある。

    「限界」を銘打っているが、人類の限界はここだと蓋をするものではない。
    現時点での臨界点を描き、その最先端でなされている研究や議論が可能な限りわかりやすくときほぐされ、多くの読者がこういった知的臨界点に飛び込むよういざなっている、そんな印象を受けた。

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    2019年11月28日
  • 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性

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    割と好きな人事が読んでたので借りた。

    ディベートでいう所の、二駁の価値比較を思い出した。
    結局の所アップルトゥーアップルでしか明確には比べられなくて、異なる価値観を比較する際には、そこに選択者の思想が入るんだろうなと思う。
    というかそもそも、選択肢から1つを選ぶ際に考えるフレームによってどういう方向性の決定をするのかってある程度決まっているのかもしれないなと感じた。

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    2019年04月11日
  • 知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性

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    「知性の限界」高橋昌一郎


    どんな方法を用いても人間は100メートル走で9秒37の壁は破れない。なぜなら、人の運動能力が身体の物理的、遺伝的性質によって制限されてるから。スタートタイミングの反応時間も0秒1を切る事はできない。

    時間を直線的に遵守するのは、個人主義的なモノクロニックタイム文化圏、時間をより流動的で螺旋状に捉えるのは、集団主義的なポリクロニックタイム文化圏。

    パーティの開始前に到着して待っているのが日本人、開始ちょうどにドアをノックするのがイギリス人、20分遅れるのがフランス人、30分遅れるのがイタリア人、40分遅れるのがスペイン人。1時間後にイラン人、2時間後にポリネシア

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    2019年03月29日
  • 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性

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    「理性の限界」高橋昌一郎

    「良妻を持てば幸福になれるし、悪妻を持てば哲学者になれる。」ソクラテス

    完全に民主的な社会的決定方式は存在しない。アロウの不可能性定理

    X>YでY>ZならばX>Zであるという性質は選好の推移律と言う。

    個人において成立している選好の推移律が集団においては成立しない事がある。

    どの投票経路をたどっても同一候補者が当選すべきとする民主主義の大原則は、
    経路独立性と言う。

    複数の選択肢から単数を選択して投票する単記投票方式や上位二者決戦投票方式、勝ち抜き決戦投票方式では、プラスマイナスの大きい候補者が当選しやすくなる。順位評点方式、総当たり投票

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    2019年03月27日
  • 哲学ディベート―<倫理>を<論理>する

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    5人の学生が10の議題について討論し、教授が補足・まとめをするという仮想ディベート。
    実際の事件や出来事を取り上げているので興味を持って読み進められる。
    議題は、定番といえば定番。議題に対する肯定・否定両意見も、詳しい人にとっては目新しいものではないと思われる。
    しかし、要点がギュッと凝縮されていて何が論点になっているかわかりやすいので、自分のようなふんわりとしか知らない者にはありがたい。なんとなく知ってるつもりの話にも続きがあって、新鮮な驚きが心地良かった。

    Aさん…文学部
    Bさん…法学部
    Cさん…経済学部
    Dさん…理学部
    Eさん…医学部

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    2019年01月13日
  • 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性

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    これに続く「知性の限界」を先に読み、とても感心したので読んでみた。当初、在庫切れだった、評判をよんだのか、復活して店頭に並ぶようになった。すごい。この本はこの本でとても面白かったが、個人的には本書の方が難しく感じた。とくにゲーデルのところ。それと、テューリング・マシンをめぐる話があるが、テューリング・マシンそのものの解説はないので、少し不親切な気もした。たまたま「知性の限界」方に、個人的に知りたいことが多かったため自分の中での評価が高いが、客観的には甲乙つけがたい。というか、片方読んで面白いと思った人は、是非もう片方も読んで損はないと思う。""

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    2018年11月06日
  • 愛の論理学

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    「目には目を」の議論があり,詳細を知りたくて本書を読みました.期待よりずっと深い内容でした.高橋昌一郎先生お得意の登場人物の会話形式で,読みやすいです.

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    2018年10月22日
  • 感性の限界 不合理性・不自由性・不条理性

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    限界シリーズ第三弾、後半になっても質が落ちていないのは筆者の内容の豊富さによるところだと思う。我々が生まれてきて死んでゆく、これって不条理なのではないかという部分に哲学性を感じた。だからこそ我々は生きているうちに何かを成し遂げないといけない。行動経済学、アンカーリング、フレーミング効果、利己的遺伝子、ミーム、実存、科学と民主主義、環境決定論はいずれも我々の生活と結びつくところが大きい。だから今後も役に立つと思われる。

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    2018年10月08日
  • 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性

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    この本は理性には限界が無いことを言いたいのだと思う。アロウの不可能性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理、ゲーデルの不完全性定理を用いることで色々な概念を突破できる。とはいえ世の中にはパラドクスも数多くある。それらを1つ1つ哲学的に解釈しているところがこの本の良いところだ。ウィトゲンシュタイン、カント、純粋理性批判、コンドルセ、戦略的操作可能性、囚人のジレンマ、チキンゲーム、人間の科学的限界、論理的誤謬、ゲーム理論等我々がビジネスで直面する問題点も多い。それらを解決するヒントにしていきたい。

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    2018年10月06日
  • 知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性

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    この本は不可能性定理、不確定性原理、不完全性定理をベースに哲学という視点で現代の事象を解説しようとしている。最終的には知性には限界がないといいたいのだと思う。複雑系、帰納法と演繹法、リスクと不確実性、人間原理、形而上学、ストリング理論。これからは哲学及び人は何のために生きるのかを考えていきたい。

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    2018年09月29日