高橋昌一郎のレビュー一覧
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ネタバレある婦人が、遠い戦場で夫が戦死した同時刻に、夫の周囲の兵士の顔や塹壕の光景を夢見た。医者は、そのような夢の多くは現実とは無関係だが、偶然現実に対応する夢もあり、その一例だろうと答える。しかし、ベルグソンは、「精神感応と呼んでもいいような、未だはっきりとは知られない力によって、直接見たに違いない。そう仮定してみる方が、よほど自然だし、理にかなっている」と考える。
そして小林は、「経験科学と言う場合の経験というものは、科学者の経験であって、私達の経験ではない」という観点から、ベルグソンの考え方を擁護する。さらに小林は、ベルグソンと同じように「理智」によって「整理された世界」を拒否し、「世界が果 -
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言語、予測、そして思考の限界を仮想ディスカッションの形式で読み解く「限界」シリーズ2作目。
相変わらず、議論を通しての引用が巧みである。
ソーカル事件は衝撃的だったし、ドーキンスの逸話はほつまこりさせられた。
そしてホイルの自説は突拍子もないようでいて、もしかしたらそうかもしれないという気持ちにさせられるパワーがある。
「限界」を銘打っているが、人類の限界はここだと蓋をするものではない。
現時点での臨界点を描き、その最先端でなされている研究や議論が可能な限りわかりやすくときほぐされ、多くの読者がこういった知的臨界点に飛び込むよういざなっている、そんな印象を受けた。 -
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「知性の限界」高橋昌一郎
どんな方法を用いても人間は100メートル走で9秒37の壁は破れない。なぜなら、人の運動能力が身体の物理的、遺伝的性質によって制限されてるから。スタートタイミングの反応時間も0秒1を切る事はできない。
時間を直線的に遵守するのは、個人主義的なモノクロニックタイム文化圏、時間をより流動的で螺旋状に捉えるのは、集団主義的なポリクロニックタイム文化圏。
パーティの開始前に到着して待っているのが日本人、開始ちょうどにドアをノックするのがイギリス人、20分遅れるのがフランス人、30分遅れるのがイタリア人、40分遅れるのがスペイン人。1時間後にイラン人、2時間後にポリネシア -
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「理性の限界」高橋昌一郎
「良妻を持てば幸福になれるし、悪妻を持てば哲学者になれる。」ソクラテス
完全に民主的な社会的決定方式は存在しない。アロウの不可能性定理
X>YでY>ZならばX>Zであるという性質は選好の推移律と言う。
個人において成立している選好の推移律が集団においては成立しない事がある。
どの投票経路をたどっても同一候補者が当選すべきとする民主主義の大原則は、
経路独立性と言う。
複数の選択肢から単数を選択して投票する単記投票方式や上位二者決戦投票方式、勝ち抜き決戦投票方式では、プラスマイナスの大きい候補者が当選しやすくなる。順位評点方式、総当たり投票 -
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5人の学生が10の議題について討論し、教授が補足・まとめをするという仮想ディベート。
実際の事件や出来事を取り上げているので興味を持って読み進められる。
議題は、定番といえば定番。議題に対する肯定・否定両意見も、詳しい人にとっては目新しいものではないと思われる。
しかし、要点がギュッと凝縮されていて何が論点になっているかわかりやすいので、自分のようなふんわりとしか知らない者にはありがたい。なんとなく知ってるつもりの話にも続きがあって、新鮮な驚きが心地良かった。
Aさん…文学部
Bさん…法学部
Cさん…経済学部
Dさん…理学部
Eさん…医学部 -
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これに続く「知性の限界」を先に読み、とても感心したので読んでみた。当初、在庫切れだった、評判をよんだのか、復活して店頭に並ぶようになった。すごい。この本はこの本でとても面白かったが、個人的には本書の方が難しく感じた。とくにゲーデルのところ。それと、テューリング・マシンをめぐる話があるが、テューリング・マシンそのものの解説はないので、少し不親切な気もした。たまたま「知性の限界」方に、個人的に知りたいことが多かったため自分の中での評価が高いが、客観的には甲乙つけがたい。というか、片方読んで面白いと思った人は、是非もう片方も読んで損はないと思う。""
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『知性の限界』『感性の限界』(ともに講談社現代新書)へと続く「限界」三部作の第1弾です。大学生や会社員、論理学者、哲学史家、科学主義者、ロマン主義者など、多くの人びとが参加するシンポジウムでの会話を通じて、アロウの不可能性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理、ゲーデルの不完全性定理にまつわる問題が、わかりやすく説明されています。
三部作の中で、本書がもっとも議論の密度が高く、おもしろいと感じました。とくに著者の専門であるゲーデルの不完全性定理のさまざまな拡張を扱ったところは、この問題についてはまったく素人であるわたくしでさえ、何となくわかったような気にさせられてしまうほど、著者の説明は巧みです -
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社会科学における理性の限界をアローの不可能性定理を中心にゲーム理論などもからながら論じる。
自然科学における理性の限界をハイゼンベルグの不確定性原理を中心に論じる。
そして、論理学や数学における理性の限界をゲーデルの不完全性定理を中心に論じる。
という流れで、人間の理性の限界を論じた本。
というと難しそうだけど、これが、さまざまな仮想の参加者によるディベート形式による説明で、すごく取っ付きやすいし、かなり分かりやすく書かれていると思う。
実は、この手の話しは、個人的な知的興味のかなり中心部分で、関連するような本はいろいろ読んできたわけなのだが、この3つの限界を関連づけて示す -
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基本的に良かったけど,ちょっとSTAP細胞叩きすぎな感じはして,嫌悪感をもってしまう人も多そうなのが気になってしまった。本当に読んでほしい人にあまり読んでもらえない感ある…。でも内容的にはしっかりしてて,邦訳されたことのない歴史的エピソードも紹介されてるし有意義な点も多々。
"マスメディアやネットのニュースを眺めれば、いくらでも「欺瞞」を発見できるではないか"p.15
との問いにも鈍い反応な"現代の大学生の「オカルト」傾向"を危惧する著者。
つかみで小保方氏とペレルマンを対比してるけど,確かに凄い断絶だ。
晩年のコナン・ドイルも,妖精写真信じちゃった