高橋昌一郎のレビュー一覧
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なんとなくしか知らなかったノイマンについて知りたく手に取ったが、ノイマンの業績や立ち振舞いを知ることが出来てとても良かった。
サブタイトル「人間のフリをした悪魔 」にはちょっと違和感を覚える。ノイマンに対しての内面的・哲学的考察が入っているのかと思ったが、そこについてはほとんど言及していなかった。そこを求めていなかったので、個人的にはだからと言って別に不満があるわけではない。
ノイマン自身については化け物としか言いようがない。一応経済学部卒なのでゲーム理論等はかじっているが、ちょちょっと片手間にゲーム理論を創設するという意味の分からないエピソードもしれっと書かれていて何がなんだか分からない、バケモン以外に彼を表す表現が浮かばない。 -
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5人の学生と1人のモデレーター(教授etc)が『哲学ディベート』と同じ議論形式で自己分析について語り合う。2章までいわゆる就活的な自己分析が焦点となっているが、後半から「自己」とは何か?といった哲学的な探究が展開されている。その点、自己分析という点から大きく脱線はするが、ある意味、「自己」の探究は自己分析の原点なのかもしれない。
『哲学ディベート』は色んなジャンルの議題があっため、学部別の学生の視点というのは面白かったが、今回の自己分析にまでその視点いる?という感じはした。むしろもっと哲学的な文脈を掘り下げてほしかった感もある、
3章に出てくる科学哲学者が絶妙にウザいキャラクターだが、ギリシャ哲学の解説が何気に分かりやすくて勉強になった。哲学の知見は就活にもかなり役立ちそう。 -
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意思決定にまつわる様々な論理を網羅的に知ることができる一冊。具体例もわかりやすく難解ではない。
以下読書メモ
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・パウロスの全員当選モデル
・独裁者の存在を認めるような投票方式でない限り戦略的操作が可能になるというものでギバード・サタースウェイトの定理と呼ばれています。
・人間の心を様々なエージェントが集まってできた一戸の社会とみなす理論があるこれは1986年にマサチューセッツ工科大学の情報科学者 marvin minsky の提唱した心社会論と呼ばれる理論
・ 繰り返し囚人のジレンマ
・ノイマンとモルゲンシュテルンはこのようなゼロサムゲームに限って言えばミニマックス戦略をとることが最も合理的であることを証明した
・ しっぺ返し戦略。
→自分からは核兵器を使用することはないと協調路線を示す。 ただし相手が核を使用した場合にはこちらも即座に核で報復すると宣言している
・ところが両方が核兵器発射のボタンを押す核戦争のように両方が裏切る場合に最悪の結果が生じる場合もある。 このようなゲームはチキンゲームと呼ばれ囚人のジレンマと区別されている。
・ラプラスは「偶然とは無知の告白である」と言ったことで知られているが、この宇宙の出来事は全て決定されており、不確定要素の入り込む余地はないと考えた。
・宇宙全体が一度動き始めれば、後は自然法則通りに動き続ける自動機械のようなものであり、あらゆる出来事は決定されていると見なされた。 したがって、もしラプラスの悪魔が存在したら、神羅万象は余すところなく知り尽くされ、すべては予測通りに従うことになると、そのように考えられたのです。
・不確定制限 by ヴェルナー・ハイゼンベルク
・「存在するとは知覚されることである」と言って、認識がなければ存在はないとする観念論を主張。 byジョージ・バークリー
・ 哲学者カールポパーの「進化論的科学論」によれば、環境に適応できない生物が自然淘汰されるのと同じように、古い科学理論も観測や実験データによって排除されていく。 この意味で、今日の科学における諸概念も時間の経過とともに必ず古くなっていく。
・ 基本的に、科学者の仕事は、問題を解決するための仮説を立て、
その仮説を批判的にテストすることによって、誤りを排除し、その過程で生じる新たな問題に取り組むことです。ポパーはこの批判的思考の実践によって、科学が真理へ接近していくと考えた。
・ 最初に相対主義を主張したのは、古代ギリシャ時代の哲学者プロタゴラスです。 彼の「人間は万物の尺度である」という言葉はよく知られている。いかなる対象も、尺度を通してしか認識されない、つまり各個人の主観によって、相対的に知られるに過ぎないという見解。
・ファイヤアーベントは自分の哲学を「方法論的虚無主義」と呼ぶ
・ Xは知識があるが、不親切で人間的に冷たいとする。Yには知識はないが、親切で人間的に温かいとしよう。この場合、とYを比較する絶対的基準があるかね?「知識」という基準で見れば、たしかにXが優れているが、「親切」という基準に照らしてみると、Yの方が優れている。プロタゴラスの尺度の問題だよ。「知識」と「親切」という基準のどちらを重要視するかは、一義的には決められないだろう?
・チャーチ・テューリングの提唱
アルゴリズムで表現できるすべての思考はテューリングマシンの計算可能性と同等だという見解。 -
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限界シリーズの2冊目。前作よりも哲学色が強くなり、言語、予測、思考の限界に分けて同じメンバーによるシンポジウム形式で議論される。ウィトゲンシュタイン、ポパー、ファイヤアーベントという異なる哲学者たちの人生と思考に触れることができた。
第2章、予測の限界におけるバタフライ効果は、現在のコロナ感染の広がりを意識させられた。
また、サイエンスウォーズの発端となるソーカルの論文が面白かった。数学や科学の自然用語を文系学者が理解もせず勝手に濫用していることを痛快に批判しているのだが、レベルは違えど、文系の私も理系用語を用いて何か表現するときには注意しなくてはいけないなと感じた。
1人1人の人格を作り出し、架空のシンポジウムで多様な議論を行わせる著者が本当に素晴らしいと思う。フェミニストとロマン主義者はなぜ呼ばたのだろう…というのと、忘れたころにやってくる運動選手の大学生へのアピールが面白かった。 -
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限界シリーズの1冊目。専門家と一般人によるシンポジウム形式で非常に読みやすい。
「アロウの不可能性定理」、「ハイゼンベルクの不確定性原理」、「ゲーデルの不完全性定理」とその論点についてそれぞれ選択、科学、知識の限界に分けて議論される。
文系で専門知識がないと「ちょっと何言ってるかわからない」のオンパレードで全て理解しようとすると挫折しそうだが、こういう考え方があるんだなと知るだけでも世界が広がる気がする。
特に一章の選択の限界は面白かった。投票方法によって当選者が変わるという民主主義の矛盾を突き付けられる。
また、カント主義者や急進的フェミニズムなどが極端な発言をする度に司会者に遮られるというお決まりのパターンに笑ってしまう。とっつきにくい議論に着いていかせるという著者の戦略にはまってしまった。