高橋昌一郎のレビュー一覧
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個人的には何だか久しぶりに感じる新書の新書。しかも、最近気になっていた著者の手になるものときたら、読まない選択肢はない。直近4年くらいの新しい著作からのチョイス、ってのも素晴らしい。モノによっては、どうしても時間の経過による色褪せが避けられない作品が多いから、新鮮さが保たれているのは大きい。ただそうなると、必然的に読みたくなる作品もどんどん見つかる訳で…。結果的に、『是非読みたい!』と『気になるかも』を合わせると、半分以上になってしまった(苦笑)。さすがに列挙する訳にいかず、適宜本書を参照することに。新書大賞には批判的な考えが綴られているけど、そういうのをかなり参考にする自分としては、ちょっと耳が痛い感じ。それもあってか、本書の100冊のうち、既読のものはほんの数冊に過ぎなかった。ピックアップ作品が面白かったら、積極的に氏の推薦図書をチェックするようにしなきゃ。
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Posted by ブクログ
認知に影響を与え、判断を狂わせるバイアス。
本書では、行動経済学、統計学、情報学の領域別に、知られているものが解説されていく。
自信過剰バイアスや、選択肢過剰、モンティ・ホール問題(どうしてもモンティ・パイソンを思い出してしまう)など、以前どこかで読んだものは、おさらいができてよかった。
グラフや図が充実しているので、統計や確率の込み入った説明も理解しやすい。
一方、グーグル効果などは、認知バイアスなの?と不思議な感じがした。
ええと。
ピークエンドの法則にははまらないように気をつけていうと、全体としては満足だった。
(私にとってこの分野のアンカーとなるのかも・・・)
これは続編だそうで、正編は論理学・認知科学・社会心理学編なのだそうだ。
機会があったら読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
面白かった!世の中に溢れるバイアスがまとめられた本書は、バイアスの解説の中に社会問題などの例も入っていた。面白かった〜!
p.65 「終わりよければ全てよし」や「最後の一言で台無し」と言う言い回しがあるが、実は科学的根拠があったと言うことになる。実際、コールセンターいや、顧客へのクレーム対応では、このピークエンド効果が応用されている。クレーム対応の締めくくりは、「このたびは申し訳ありませんでした」と言う社会ではなく、「お客様から私どもの至らない点をご指摘いただき、誠にありがとうございました」とクレーム相手にお礼を伝える。これは、クレーマーをアドバイザーのように思わせることによって、怒りを沈めることに役立てているのだ。
p.208 気分が落ち込んだときに、暗いニュースを見続けてしまう行動をドゥームスクローリングと言う。この言葉は2020年の新型コロナウィルスの流行や、2022年のロシアによるウクライナ、信仰を受けて注目され、しばしば意地悪世界症候群との比較がなされる。例えば、長時間テレビを見ている人ほど、世間は冷たいと感じる意地悪世界症候群に落ちるため、警察や法律がより弱者の保護をするべきと言う考え方になる傾向があると報告されている。
一方、ドゥームスクローリングにおいては、特定の事件や組織、人種、信条を持つ人を偏った視点で批判する記事が多く存在し、差別意識を激しく助長する危険性が指摘されている。さらに、ルームスクローリングは不安や鬱症状を悪化させ、睡眠パターンを見出し、注意力を下げ、過食を引き起こすことが報告されている。人のトラウマ処理能力を弱めることが発見されている。
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5人の学生と1人のモデレーター(教授etc)が『哲学ディベート』と同じ議論形式で自己分析について語り合う。2章までいわゆる就活的な自己分析が焦点となっているが、後半から「自己」とは何か?といった哲学的な探究が展開されている。その点、自己分析という点から大きく脱線はするが、ある意味、「自己」の探究は自己分析の原点なのかもしれない。
『哲学ディベート』は色んなジャンルの議題があっため、学部別の学生の視点というのは面白かったが、今回の自己分析にまでその視点いる?という感じはした。むしろもっと哲学的な文脈を掘り下げてほしかった感もある、
3章に出てくる科学哲学者が絶妙にウザいキャラクターだが、ギリシャ哲学の解説が何気に分かりやすくて勉強になった。哲学の知見は就活にもかなり役立ちそう。 -
Posted by ブクログ
意思決定にまつわる様々な論理を網羅的に知ることができる一冊。具体例もわかりやすく難解ではない。
以下読書メモ
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・パウロスの全員当選モデル
・独裁者の存在を認めるような投票方式でない限り戦略的操作が可能になるというものでギバード・サタースウェイトの定理と呼ばれています。
・人間の心を様々なエージェントが集まってできた一戸の社会とみなす理論があるこれは1986年にマサチューセッツ工科大学の情報科学者 marvin minsky の提唱した心社会論と呼ばれる理論
・ 繰り返し囚人のジレンマ
・ノイマンとモルゲンシュテルンはこのようなゼロサムゲームに限って言えばミニマックス戦略をとることが最も合理的であることを証明した
・ しっぺ返し戦略。
→自分からは核兵器を使用することはないと協調路線を示す。 ただし相手が核を使用した場合にはこちらも即座に核で報復すると宣言している
・ところが両方が核兵器発射のボタンを押す核戦争のように両方が裏切る場合に最悪の結果が生じる場合もある。 このようなゲームはチキンゲームと呼ばれ囚人のジレンマと区別されている。
・ラプラスは「偶然とは無知の告白である」と言ったことで知られているが、この宇宙の出来事は全て決定されており、不確定要素の入り込む余地はないと考えた。
・宇宙全体が一度動き始めれば、後は自然法則通りに動き続ける自動機械のようなものであり、あらゆる出来事は決定されていると見なされた。 したがって、もしラプラスの悪魔が存在したら、神羅万象は余すところなく知り尽くされ、すべては予測通りに従うことになると、そのように考えられたのです。
・不確定制限 by ヴェルナー・ハイゼンベルク
・「存在するとは知覚されることである」と言って、認識がなければ存在はないとする観念論を主張。 byジョージ・バークリー
・ 哲学者カールポパーの「進化論的科学論」によれば、環境に適応できない生物が自然淘汰されるのと同じように、古い科学理論も観測や実験データによって排除されていく。 この意味で、今日の科学における諸概念も時間の経過とともに必ず古くなっていく。
・ 基本的に、科学者の仕事は、問題を解決するための仮説を立て、
その仮説を批判的にテストすることによって、誤りを排除し、その過程で生じる新たな問題に取り組むことです。ポパーはこの批判的思考の実践によって、科学が真理へ接近していくと考えた。
・ 最初に相対主義を主張したのは、古代ギリシャ時代の哲学者プロタゴラスです。 彼の「人間は万物の尺度である」という言葉はよく知られている。いかなる対象も、尺度を通してしか認識されない、つまり各個人の主観によって、相対的に知られるに過ぎないという見解。
・ファイヤアーベントは自分の哲学を「方法論的虚無主義」と呼ぶ
・ Xは知識があるが、不親切で人間的に冷たいとする。Yには知識はないが、親切で人間的に温かいとしよう。この場合、とYを比較する絶対的基準があるかね?「知識」という基準で見れば、たしかにXが優れているが、「親切」という基準に照らしてみると、Yの方が優れている。プロタゴラスの尺度の問題だよ。「知識」と「親切」という基準のどちらを重要視するかは、一義的には決められないだろう?
・チャーチ・テューリングの提唱
アルゴリズムで表現できるすべての思考はテューリングマシンの計算可能性と同等だという見解。 -
Posted by ブクログ
限界シリーズの2冊目。前作よりも哲学色が強くなり、言語、予測、思考の限界に分けて同じメンバーによるシンポジウム形式で議論される。ウィトゲンシュタイン、ポパー、ファイヤアーベントという異なる哲学者たちの人生と思考に触れることができた。
第2章、予測の限界におけるバタフライ効果は、現在のコロナ感染の広がりを意識させられた。
また、サイエンスウォーズの発端となるソーカルの論文が面白かった。数学や科学の自然用語を文系学者が理解もせず勝手に濫用していることを痛快に批判しているのだが、レベルは違えど、文系の私も理系用語を用いて何か表現するときには注意しなくてはいけないなと感じた。
1人1人の人格を作り出し、架空のシンポジウムで多様な議論を行わせる著者が本当に素晴らしいと思う。フェミニストとロマン主義者はなぜ呼ばたのだろう…というのと、忘れたころにやってくる運動選手の大学生へのアピールが面白かった。