高橋昌一郎のレビュー一覧
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『理性の限界』『知性の限界』に続く限界シリーズ第三弾。
大学生や会社員、行動経済学者や生理学者などなど、ユニークなキャラクターが登場しシンポジウムを繰り広げる形は変わらず、今回は「愛」や「自由」「死」について考えていくことになる。
恋愛について、相手のことで頭がいっぱいになって胸が高鳴り、いてもたってもいられない気持ちを、神経生理学者は「軽い躁鬱症と強迫神経症の合体した一種の中毒症状」だと言い切る。
様々な専門家が各々の観点から極端とも言える意見をぶつけ合うのは、この本の楽しさの一つ。
著者が「楽しみながら考えていただくという趣旨を優先している」というように、今回も知的好奇心をくすぐる内 -
Posted by ブクログ
ゲーデルの不完全性定理の解説、およびそこから導かれるゲーデルが考えた不完全性定理の哲学的帰結の解説本。
不完全性定理の解説は例が非常に巧みで、論理記号などは一切使われていないんだけれど、「なにこのわかってしまった気がする納得感!!」がある。
電車の中などで気軽に読んでも、論理学の素人にとって途中で迷子にならずぎりぎり理解できるか!?その瀬戸際を行き来しながら読んでしまえるぐらいの絶妙な難しさ加減が丁度良かった。不完全性定理のキモとなるゲーデル数化の概念もすんなり入ってくる。
この解ってしまった感って、こういう本の場合結構重要。実際に誰かに不完全性定理について説明しろなんて言われたらなんに -
Posted by ブクログ
三流大学のインチキ理系を首席で落第し、それでいてなお似非教養主義者を自称したい自分には目から鱗の一冊だった。
ゲーデルの不完全性定理はその名前だけ耳にしたことはある。
しかしその内容に自分のしがない理系的知識が吹き飛んだ。
数学って絶対的だと思っていたから。
しかしゲーデルのよると数学はそれ自身無矛盾であることを証明できないそうだ。
これは衝撃的だった。
この本の素晴らしいところはその一見難解そうな定理を下手に数式やら記号を使わずにパズル(というかナゾナゾというか)で説明し切っているところにある。
なので高校の微積で躓いた自分にもその不完全性定理の概要を上手く掴むことができた。 -
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「人間は、どこまで理解することができるのか?」
これまで絶対とされてきた事柄に対して、「様々な分野の人たちがディベートを重ねていく」という形式で、その謎を解き明かしていく。
科学や論理学などに関する様々な話題が盛り込まれており、時折むずかしい用語が飛び出してくることもあるが、それ以上にわかりやすい実例を挙げて説明してくれるので、とても飲み込みやすい。いずれも目からウロコの話題で、読み終えた後には世界への見方が変わったような、とても充実した読後感が得られる。
ここ最近の教養新書では一番。むしろそんなカテゴリにとどまらず、幅広い人々に読んでほしい一冊。 -
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[ 内容 ]
あなたが矛盾しないことをあなたは証明できない―人間の理性に限界があることを証明し、神の存在証明をも行った“アリストテレス以来の天才”。
その思想の全体像を、はじめて平易に解き明かす。
[ 目次 ]
1 不完全性定理のイメージ
2 完全性定理と不完全性定理
3 不完全性定理の哲学的帰結
4 ゲーデルの神の存在論
5 不完全性定理と理性の限界
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参 -
Posted by ブクログ
長門有希の100冊の、23冊目。
この手の哲学本にしてはものすごく読みやすい本です。
新書だからというよりは、できる限り易しい言葉を使って、まずざっくりと全体感を捉えれるようにという割り切りで書いてある本だからだと。思考実験にページ数が割いてあることもあって、純粋に面白い!
後半はゲーデル生涯の話とかも入ってくるので、定理だけにのめりこみたい人には不向きかもしれません。(でも哲学書は得てしてそういうものな気もする)
ちなみに原作で、長門が言った「無矛盾の公理的集合は自己の無矛盾性を証明することができない」というのが、このゲーデルの哲学です。チェッメイト寸前だったチェスの王様を胸ポケットにし -
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不完全性定理で有名なゲーデルの哲学を紹介した本です。サブタイトルのとおり「不完全性定理」そしてゲーデルが行った「神の存在証明」について書いてあります。哲学や論理学、数学の予備知識は仮定されていないのでそれらをやったことがない人にもわかりやすく書いてあると思います。ゲーデルを効いたことがないがなくても不完全性定理は知っているという人は多いのではないでしょうか。哲学や論理学よりもむしろコンピュータ科学においてよく見かけるタームです。これによりラプラスの魔的に全てを予測する完全演算機械の出現が否定されるわけですがこの辺の話は実際に読んでもらった方が早いですね。かなり難解ですがゲーデルがこの理論にたど
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コンピュータの父にして数学や量子力学、経済学といった多様な分野で著しい功績と多大な影響を与えた偉大な天才、フォン・ノイマンの生涯で生み出した天才エピソードと彼の周囲にいた天才たちの天才エピソードとがてんこノンフィクション。柞刈湯葉が著作(まず牛を球とします)のあとがきで「小説よりも小説じみてる」みたいなことを書いていて手に取ったけれど、確かにこんな多様な分野で革新的な成果を挙げる人物を20世紀に成り立たせるのは創作ではリアリティラインを維持するのが難しいだろうという「万能の天才」ぶりである。副題が「人間のフリをした悪魔」であり、原爆開発を推進(日和る同僚を「われわれは科学的な課題解決に取り組ん