高橋昌一郎のレビュー一覧
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「人間は、どこまで理解することができるのか?」
これまで絶対とされてきた事柄に対して、「様々な分野の人たちがディベートを重ねていく」という形式で、その謎を解き明かしていく。
科学や論理学などに関する様々な話題が盛り込まれており、時折むずかしい用語が飛び出してくることもあるが、それ以上にわかりやすい実例を挙げて説明してくれるので、とても飲み込みやすい。いずれも目からウロコの話題で、読み終えた後には世界への見方が変わったような、とても充実した読後感が得られる。
ここ最近の教養新書では一番。むしろそんなカテゴリにとどまらず、幅広い人々に読んでほしい一冊。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
あなたが矛盾しないことをあなたは証明できない―人間の理性に限界があることを証明し、神の存在証明をも行った“アリストテレス以来の天才”。
その思想の全体像を、はじめて平易に解き明かす。
[ 目次 ]
1 不完全性定理のイメージ
2 完全性定理と不完全性定理
3 不完全性定理の哲学的帰結
4 ゲーデルの神の存在論
5 不完全性定理と理性の限界
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参 -
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長門有希の100冊の、23冊目。
この手の哲学本にしてはものすごく読みやすい本です。
新書だからというよりは、できる限り易しい言葉を使って、まずざっくりと全体感を捉えれるようにという割り切りで書いてある本だからだと。思考実験にページ数が割いてあることもあって、純粋に面白い!
後半はゲーデル生涯の話とかも入ってくるので、定理だけにのめりこみたい人には不向きかもしれません。(でも哲学書は得てしてそういうものな気もする)
ちなみに原作で、長門が言った「無矛盾の公理的集合は自己の無矛盾性を証明することができない」というのが、このゲーデルの哲学です。チェッメイト寸前だったチェスの王様を胸ポケットにし -
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不完全性定理で有名なゲーデルの哲学を紹介した本です。サブタイトルのとおり「不完全性定理」そしてゲーデルが行った「神の存在証明」について書いてあります。哲学や論理学、数学の予備知識は仮定されていないのでそれらをやったことがない人にもわかりやすく書いてあると思います。ゲーデルを効いたことがないがなくても不完全性定理は知っているという人は多いのではないでしょうか。哲学や論理学よりもむしろコンピュータ科学においてよく見かけるタームです。これによりラプラスの魔的に全てを予測する完全演算機械の出現が否定されるわけですがこの辺の話は実際に読んでもらった方が早いですね。かなり難解ですがゲーデルがこの理論にたど
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コンピュータの父にして数学や量子力学、経済学といった多様な分野で著しい功績と多大な影響を与えた偉大な天才、フォン・ノイマンの生涯で生み出した天才エピソードと彼の周囲にいた天才たちの天才エピソードとがてんこノンフィクション。柞刈湯葉が著作(まず牛を球とします)のあとがきで「小説よりも小説じみてる」みたいなことを書いていて手に取ったけれど、確かにこんな多様な分野で革新的な成果を挙げる人物を20世紀に成り立たせるのは創作ではリアリティラインを維持するのが難しいだろうという「万能の天才」ぶりである。副題が「人間のフリをした悪魔」であり、原爆開発を推進(日和る同僚を「われわれは科学的な課題解決に取り組ん
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超天才ジョン・フォン・ノイマン。
同じ名前を原爆だったり、コンピュータだったり、ゲーム理論だったりいろんなところで見るのだが、全部同じ人間というネジの外れた超天才。
その、超天才の一生を描くというより、彼が関わった領域の他の天才も含めて描くという、世の中には天才がいっぱいいるんだとう言う絶望と諦観を十分に味合わせてくれる。
薄い本だし、深みはない。
ノイマンの人生にさほど踏み込んだ感じもない。
人間のフリをした悪魔と言うほどのエピソードもほとんどない。ただ、原爆を京都に落とそうと主張したところで、現世に責任を持つ必要はないという、科学至上主義者が言いそうなこと、あとソ連へ予防的核攻撃をし -
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23人のノーベル賞受賞者。その、変な一面を紹介する。
ノーベル賞受賞者がみんな変なんではなくて、変なやつをピックアップしてる。ドイツーユダヤ絡みの核物理学界隈の方々も上がっているが、核廃絶の理想論を最後までぶった方を、この枠に入れるのはどうかと思ったが。
オカルトとか、ヤバい方面に残った知力を全開投入する展開が多いが、嫉妬に狂ったクソみたいな小人物のエピソードが不愉快にも面白い。今の、SNS全盛時代に居られれば、大変面白くも不愉快なドラマが見られたのではないかと思う。
残念なのは、各章の掘り下げが浅い。しょうがないと思うが、もうちょっと絞って続編作るくらいの勢いの方がなお楽しめたかと。研究