高橋昌一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【評価】
内容 :★★★☆☆
読みやすさ:★★★☆☆
難易度 :★★☆☆☆
ボリューム:★★★☆☆
【所感】
認知バイアスについて『論理学』『認知科学』『社会心理学』の3つの観点で各20項目の計60項目の概要をまとめた一冊。
もともと行動経済学と組織論から認知バイアスに興味を持って読んだのだが、期待していた内容は第3部の『認知科学』アプローチに偏っていた。
『論理学』『認知科学』アプローチについては「それって認知バイアスの括りなの?」と疑問に感じる項目が多々あったが知識としては面白いものがあったのでまぁ良しとする。(本書を読んで「認知バイアスとは?」の迷宮に迷い込んでしまった笑)
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Posted by ブクログ
適応障害になり、関連する本を読んでいるときに、バイアスや思い込みで思考が偏っているという言葉を聞きバイアスがどういった意味なのか具体的に気になり読みました。
様々なバイアスが紹介されるが、自分は認知的不協和がとても興味深かった。認知的不協和とは自分の本音と実際の行動が矛盾している状態のこと。例えばブラック企業で働いている職員は辞めるという判断ができない。これは辛い状況で働き続ける自分に「やりがいがある」などの理由づけをして本来の辛い現状から目を背けている可能性があるからだ。
確かに辛いことがあると自分の成長のためと思い我慢しすぎる自分はいる。それで心身的に体調を崩すのは元も子もない。これからは -
Posted by ブクログ
論理学者である著者が自身の人生で出会って意義深かった新書について紹介するエッセイのような本。
理系の学者らしく、ブルーバックスなどゴリゴリの科学系も入っていて面白い。
新書というとビジネスや社会学などの文系に偏りがちだと思うが、歴史や科学など幅広く紹介していて好感が持てる。
また、各本につき2ページ程度で紹介されているので、ちょっとの隙間に読むのに持ってこい。
もちろん2ページの内容で何かわかるはずはないので、面白そうと思った本を買って読むのが一番いいだろう。
著者が最後に記していたように、他社の本の紹介でも掲載する光文社の懐の深さには感銘を受ける。 -
Posted by ブクログ
新書という容れ物が好きだ。
よってこの本を見つけた時、ほぼ中身を見ないで買ってしまった。読み進めるうち少し違和感を感じ始めた。
取り上げている本のジャンルに少し偏りが感じられたのと、新しい本が多いこと(新しい本が多い事は「はじめに」ふれられている)。
作者の専門が倫理学らしいので、科学哲学も含めて、その系統の本が多いのは仕方ないかもしれないが、もう少し歴史系や経済系、そして現代的課題に取り組んだものなどもあるのではないかと感じた。
最後に「新書大賞」に関する批判が載っているが、納得できる部分と、その批判は本書の取り上げている本にもそのまま当てはまる部分が少しあるとも感じた。
ともあれ -
Posted by ブクログ
以前読んだ認知バイアスが面白く、本書も読んでみた。本書は統計学的アプローチや情報学的アプローチから認知バイアスについて書かれており、理系寄り?な感じがした。前作の心理的な視点の方が興味が持てた。
◯ピークエンドの法則:検査の不快感は痛みの最大時と終了時点の痛みの平均が総合評価に影響。検査時間の長さは関係ない。つまり人は、印象に残った代表的なものと最後で評価する。
→面接でも使える。終わりよければ全てよし。コールセンターの謝って終わるのではなく、「指摘いただきありがとうございました」で終わるという技術は参考になる!
◯ホーソン効果:人は見られていると生産性が上がるというまの。
→聞いたことあ -
Posted by ブクログ
コンピュータやゲーム理論の産みの親であり、原爆開発の中心人物であり、集合論や量子論、気象学でも多大な貢献のあった、20世紀最高の天才。
「我々が今生きている世界に責任を持つ必要はない」と言い放ち、第二次世界大戦後、冷戦前の時点でソ連への先制原爆攻撃を頑なに主張したマッドサイエンティスト。と、本書の一部ではノイマンのことをこう評しているが、ノイマンは自身が、ひいては1人の人間が、世界に与えられる影響を過小評価していたのではないかと思う。
そんな天才も、自身も参画していたヒルベルトプログラムに深刻な影響を与えたゲーデル(不完全性定理)に対しては敗北感を覚え、「20世紀最高の知性は自分ではなくゲーデ -
Posted by ブクログ
まるで天才頭脳というチート能力を持った主人公が無双するファンタジー作品を読んでいるような気分になりました。それほどまでにノイマンの頭脳が産み出したものの影響力の大きさと分野の広さは常軌を逸しています。
タイトルからは悪魔のようなノイマンの哲学が書かれた重い内容を想像していたのですが、そこは比較的淡々と書かれていて、天才ノイマンの人生を追うエンターテイメントになっている印象です。
彼の頭脳と哲学が、日本への原爆投下や米ソの核開発競争に大きな影響を与えたことを見ると、1人の人間がこうも世界を変えられるのかということに、驚ろくと同時に恐ろしさを感じます。