榎田尤利のレビュー一覧
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もしも、反社会的な危険思想・テロ計画を取り締まる新破防法が制定されたなら…という架空設定がベースになった、社会派BL。政治の闇に正義を楯に果敢に挑む「思想検事」が主役です。いかにも榎田センセらしいなー、というストーリー。
とは言っても、新破防法とか危険思想とか掘り下げては語られていないので、そんな世界なんだという認識だけでも話の大筋は理解できます。良くも悪くもほんのりBL向きで適当。
主人公の楓はエリートでクールビューティーな思想検事。とても理性的で隙のない印象とはうらはらに、父親の傀儡となり有力者に体で接待させられ、持病に苦しむ毎日。けれど、けっして弱音を吐かない気丈さを持つ男前です。
そんな楓が取り調べたのは、大学教授の陣内。彼は、取り調べの席で自分はゲイだとカミングアウトして楓に誘いをかけてくるようなふざけた男。
楓は、影の大物であり自分を蹂躙する金森が危険視する柳原を追ううちに、不本意に陣内と協力するようになり、彼の持つ人間性に惹かれていきます。楓が陰なら陣内は眩しい陽の世界に生きている男。病気で苦しむ楓にさりげなく気遣いを見せる優しさが人柄を表しています。
真相を追う中、陣内の全てを信じきるわけにはいかない事柄が、次々と楓の身に降りかかってきます。それでも、心の片隅で陣内を信じ、男としての矜持を忘れることなく、正義にこだわり真相を解明しようとする楓の姿が潔くすてきでした。
好きでもない男に蹂躙されたり、輪○レイプされたり痛いシーンが度々あります。榎田作品には意外にもけっこうありますね。今回もびっくりするくらいガチで犯されています。ただ、被害者が大人の男なので、悲惨さというよりはプライド面での描写としての大きなヤマ場となっています。
そして、そんな闇から楓を救い出すのが陣内です。ポンポンとテンポのいい陣内の軽めのセリフは鬱屈した空気を吹き飛ばしてくれる、いい役目を果たしていた気がします。
ただ、エロ面ではそこが今ひとつムードに欠けるところだったような。せっかくの言葉攻めでしたが…
頭の中まで取り締まって欲しくないな~と、真剣に思ってしまった… -
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【あらすじより】
悪い子だ。発情してしまったのか?自覚のあるろくでなし・三浦倖生は、うだるように暑い夏のある日、会員制のデートクラブ『Pet Lovers』から『犬』として、寡黙で美しい男・轡田の屋敷に派遣される。そこで倖生を待っていたのは厳格な主人・轡田の厳しい躾の日々だった。人でありながら犬扱いされることへの屈辱と羞恥。そして、身体の奥底に感じる正体不明の熱…。次第に深みにはまっていくふたりだったが!?究極のコンプレックス・ラブ。
【感想】
話が進むにつれ終盤に近づくにつれ「愛」が形になっていくんだけどこれがもうどっちもすごい。何度も読み返しそうな一冊です♪ -
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ヤング組メイン。勢い的にはトーンダウンが否めないのですが、それでも読めば読むほど味わいある作品です。
英のやさしさにほだされた淳平がまっすぐでピュアで、かわいい。
もちろん、やきのりの可愛さは説明の必要なしですね。やきのりがいなかったら、もっとどんよりしていますよね。
今回は、橘高の軽井沢別荘での出来事がメインでした。4人が本格的に一緒に登場する場面です。アダルト組の話は適当?にしか描かれていないので、これは「愛とは言えない3」を絶対に読めということなんですね。大体のことはわかるようになっているけど、やっぱりマンガだけではアダルト組の心情やら細かいあれこれがわかりにくいですね。同時進行なので、これ小説とマンガを読むタイミングがなかなか微妙です。
カレーの件は、小説読んだほうが理解しやすいと思います。ていうか、読んでたからわかった。
で、こちらではその軽井沢で、淳平の恋人との事情が詳しく分かるようになっています。淳平とサガンは心の傷に共通点があるようですね。
いよいよ接点も増えて、4人の想いが入り乱れてきましたよ。橘高と英の距離がものすごく近付いてるし、カレー作りがきっかけだったのか、過去が似てるからか、淳平とサガンがいつの間にか仲良しになってるし。そんな中、橘高に対する英の態度が、意外にしっかりしていて安心感があります。流されていません、今のところ。それでいてちゃんと優しさがある態度で橘高に接していて本当にいい人。
なのに淳平はそこのところちょっと早とちりしていて、ほんっとにジレッタイ。まあ彼は若さゆえに短気なところがあって、それも微笑ましくはあるんだけど、もう少し熟慮するといいよと今回は本気で思いました。
この先どうなっちゃうんでしょうか?
何しろ淳平と英の間の誤解が早く解けることを願わずにはいられません。頼む。 -
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SMもの、というほど濃ゆい作品ではない。
はっきりいってコミカル。
で、とにかく攻めがカワイイ。
図体はデカいんだけど性格が可愛らしすぎる。
しきりにウケの先生のことを可愛いと攻めの学生は言うが
アンタの方が可愛いよ。
脇役の王飛も素敵すぎ。
悪キャラは悪キャラらしい扱いでありきたりではあったけれど
最後まで面白く、かつ楽しく読めたのは
攻めキャラが可愛らしすぎたから。
筋は予想通りではあっても、こういう展開も話も好きなので
私は面白く読めた。
攻め学生の赤くなったり青くなったり純情一途だったりが
大変好ましかった。
若干設定苦しいのかも?とか思ってしまうような
(言い訳めいたというか、説明臭いというか)展開は否めないが
それでも楽しく読めた。
挿絵、草間さかえさん。
雑な雰囲気であるのに、色っぽい絵を描く人だと毎度思う。
今回もしかり。好きです。 -
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交渉人シリーズが一区切りついたところでの新作はSMがテーマ!どうしてそれ?というチョイスが悪戯っぽくて、それにまんまと踊らされた読者です。
蓋を開けたらシリアスでもダークでもなく、シニカルで味のあるラブコメSMでした。
変態というのは、見た目じゃわからないし、地位も名誉もある立派な君子だって実はそうかもしれないし。
大学生の栄田が一目惚れしたのは、「殿下」と呼ばれている40歳クール美人の准教授宮。イニシャルでSの栄田とMの宮で、後々の関係性が暗に仄めかされています。
で、この話の面白さが何かというと、大抵のSM話だったら「Mに躾けてやる!」が定番なのに、こちらはヘタレで純情でマトモな大学生の栄田が先生好きすぎるあまり、Sとして育成してもらうという、意表をついた変化球が飛んでくるところです。
栄田は20歳にして初めての恋なので、とにかく必死。手の届かない存在の宮と、どうにかして恋人同士になりたいので、いきなり異次元のアブノーマルな世界に飛び込んでしまいます。宮の助教の王飛がS指南役で、のっけから3人の世界。まだファーストキスも経験していない栄田にはどう考えてもハードルが高そうです。でも不憫ではあるけど、あまりにも彼が無知すぎて、なんだか惚けたいい雰囲気があります。宮の裏表のあるギャップ感に煽られる感じもあるけど、栄田のピュアな気持が幅を占めているんで、ドキドキ感の方が強いんです。
指南役の王と宮が、昼ご飯を食べながら栄田の噂話したり、エロ話をするシーンがすごく受けました。素で話しているコイバナとか、やりとりが絶妙で笑いました。キスにメイクラブという、恋について肝心なところがうっかり抜けている残念な宮が逆に可愛かった。
草間さかえセンセのイラストもかなりポイント高いです。話の雰囲気としっかりかみ合っていて、イメージしやすかった。受が40でも美形という設定はイラストから違和感なく入り込めます。
宮の過去や、栄田と鶴見の関係とか、ちょっと興醒めしたけど、気になったのはそこくらいです。エロ成分も甘いのから濃いのまでいろいろあって、サービス精神満点です。最後のラブラブHシーンが甘くてステキでした。栄田のナチュラルSなわんこ攻めに萌え。
深刻じゃなく、笑って気楽にSMメソッドを楽しめます。 -
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ネタバレ榎田尤利さんの人気小説のコミック版。
この作品に関しては、ドラマCD→小説→という順番を経て、このマンガに辿り着いたのですが、本当に購入して良かったと思います。
口も悪けりゃ行儀も悪い、描くこと以外は何もできない生活不能者だが、自分だけに甘え、信頼しきったような目を向ける”二木”が愛おしくてたまらない”東海林”。
しかし、二木のマンガ家としての成功のチャンスを前に、自分の独占欲こそが二木をこんなダメ人間にしてしまったのだと気づき、離れる決意を…。
この作品のポイントは、世話が焼ける・手がかかるとかいうレベルではないダメ男”二木”が可愛いと思えるかどうか?これに尽きると思います。
私はといえば……それはもう可愛いに決まってます!!
東海林の作ったホットケーキに目をキラキラさせたり、肩に顔をうずめて泣いちゃうルコちゃん。東海林の居なくなった部屋のドアを思わずコツコツ…。
本当に近くにいたら相当迷惑だけど(笑)、なんて可愛いの!
二木に振り回されながら結局甘やかしちゃう、オールバック+スーツの東海林にも萌えるし、そんな東海林は実はルコちゃんが自覚するよりずっと前から、ルコちゃんに依存しているところもあって…。
単なる執着ではない、二人の関係が愛おしい。ジンベエザメとコバンザメみたいな共生?違うか(笑)
そして円陣先生の絵は流石に綺麗!
スーツ萌えな私にはとっても美味しかった!! -
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『愛なら売るほど』
攻め:飴屋弘紀
受け:藤野泉
社会現象になるほど売れているレディースマンガの作者・立花キャンディは実は男である泉で、泉は高校時代のクラスメート・飴屋を10年来片思いしていた。そして同窓会で10年ぶりに会った飴屋のマンションが自分の引っ越したマンションと同じであることを知り…。
先にマンガ家シリーズのCDを聴いていて、その後原作を読んだ。
不毛とも思える姫女苑麗奈というマンガの主人公の言動を通してマンガ家である藤野の恋が描かれる様が秀逸。
『愛ならいらない』
攻め:橘未来男(編集者)
受け:小谷史織(コンビニ店員)
今コンビニで働いている小谷は実は以前小説家だった。
しかし今は全く書いていない。
橘は同じマンションに住んでいる立花キャンディの編集としてきていてコンビニに買い出しにきていた。ある日、マンガの原作を書いてと言われて…。
CDでコンビニ店員がいい雰囲気で、そうしたら原作にはある、と教えてもらった。
CD2枚組にして、この『〜いらない』をCD化して欲しかったな。
『愛ならひとつだけ』
愛なら売るほどの“挿入編”(笑)
いやもう、本編で甘いシーンがなくって良かったw -
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Pet Lovers2作目。犬の次は雄々しいライオン。
榎田センセの作品にしては、かなりベタなBLだなあとちょっとびっくり。
ライオンの真に襲われかけた千昭ですが、雇ったのは千昭の義兄である深見。この深見の暴力が最悪。自身も千昭に対して肉体的暴力をふるったり、精神的に追い詰めたり、金を巻き上げたりしているクズ男です。弟が自分がなれなかった医者である妬みや、火傷を負わされたことなどで逆恨みする深見の仕打ちが激しく痛い。
痛いけど、痛いの読み慣れていればこの程度の描写はそこそこレベル。
それより、執拗に痛めつけようとする深見の心の闇のほうが恐すぎで、おののきます…
事情を理解した真が、千昭を仕事抜きで守ろうとするのがステキです。まさに、王道の白馬の王子。
最悪な出会いをした二人は、生きる世界も考え方も何の共通点もなかったのに、相手を知るうちに次第に魅かれあっていきます。最初は仕事という口実でしか相手を知るすべがなかった二人が、愛しあうまでの過程がじんわり心にきます。
二人で山小屋に行って仕事としてでなく恋人のように抱いてほしいと頼んで愛しあうシーンは、すごく印象的。素のままで接してくれる真に、千昭も素直に自分を解放できそうな予感がします。
で、そんな甘い場面の後に、ギャップ感抜群な暴力陵辱がいきなり登場して、ひやりとさせられるストーリー展開。
家庭の事情と深見によって、鬱屈した心を封印して、無力で息苦しい日々を送っていた千昭ですが、真によって魂が開放されます。
終盤、千昭が深見に対して今までの怒りを爆発させるところで、彼の気持ちに同化していたこちらも、スッキリな気持ちになる仕掛け。うまいです。途中のディベートゲームや、自殺を引き止める真の説得力など、随所に作者ならではのセンスが光ります。
しかしながら、それ以外では独特のセンセらしさや、色みたいなものがあまり見当たらないかも。それがちょっと残念。
濡れ場も、らしくないくらい期待以上に甘くて、濃くて、エロい。