高嶋哲夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
雑誌記者の笹山真由美は、若年性アルツハイマーを発症した父に付き添い訪れた病院で、知り合いの刑事を見かける。
その刑事がエレベーターで降りたところにはICUがあり、自宅火災で家族が亡くなり1人残された少女が複数の管に繋がれて意識不明のままいた。
事件を調べ始めた真由美は、少女が典型的なヤングケアラーだったことを知る。
事故で重度の障害者の兄と認知症の祖母を家事をしながら看護師の母に代わって介護していた少女が衝動的に3人を殺して放火したのでは…と警察はみていたが。
真由美自身も認知症が進む父をみながら彼女が殺害したことに違和感を感じていた。
彼女の友人やバイト先や学校、そして母親の勤務先の病院などを調べると…。
いずれ誰もが直面する現実である。
核家族になり、寿命が伸びると認知症になる確率は高くなる。
家族を犠牲にしてまで面倒を見てもらうわけには…と思うが、認知症になった本人にはわからない。
若くても事故や病気でいつ身体が動かなくなるのか…それもわからない。
教育、政治、社会で子どもたちを見守り、育てていく体制を作ることが必要だと思っていても現実叶うのは難しい。
ヤングケアラーの本も何冊かは読んでいるが、かなり心痛を感じる読書時間だった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ高嶋哲夫の本にハズレはない。偶然本屋で見つけ、即買いした。
遺伝子工学者のカールはナショナルバイオ社副社長のニックの依頼で、古い肉片からエボラに似た未知のウイルスを発見する。この未知のウイルスが次第に蔓延していく…、生物兵器といったビジネスに使えると考える輩が…。
この小説は、単に未知のウイルス蔓延による人類滅亡の恐怖を描いたものではない。現代人は愚かにも、古代人が封じ込めた太古のウイルスを復活させようとして、自滅の道を進もうとしていることに対し、警告を与えている。
地球温暖化により、シベリアなどの永久凍土に異常が発生し、地下のメタンハイトレードが融け、気体となったメタン(なんと温室効果はCO2の25倍!)がさらに温室効果に拍車をかける。
実はそれだけではなく、数万年以上前から埋もれていたマンモスなどが地表に露出し、マンモスの体内で生息していたウイルスが蘇生する。このウイルス、人類にとって潜在的な脅威になるのではないか。
カールの大学時代のルームメイトの友人ダン。大学時代に喧嘩別れした後、音信不通になっていたが、カール宛てにダンから特別便が届く。その特別便を手掛かりにカールはダンの消息を追う。
小説のタイトル「パルウイルス」。本文中では、ペイル、死のウイルスの意などとしているが、パルは友人、仲間という意味で、カールとダンのことを言っているような気がした。ラストでカールはダンと奇跡的に邂逅するが、このシーンに透明感のある美しさを感じた。
今後、「シベリア凍土から人類に脅威を与える新たなウイルスが発見された」といニュースを聞いたら、きっとこの小説のこと思い出すことだろう。 -
Posted by ブクログ
帯に書かれた『TSUNAMI』や『首都感染』で未来を予言した作家の最新作という言葉に惹かれて購入。
温暖化の影響によって、永久凍土に封印されてきたウイルスが目を覚ますという設定は、なかなかリアリティがあり、興味深かったです。
また、ウイルスを生物兵器として利用しようとする人々の存在は人間の傲慢さを強調しており、経済的利益や社会的立場は横に置いて、どうにかしてウイルスを封じ込めようと猪突猛進する主人公たちの人物像を際立たせていました。
主人公達の活躍やウイルスの恐ろしさの描写も良かったのですが、
個人的にとても好きなのは、ロックダウンを余儀なくされた市の市長が、不安と恐怖からロックダウンに反発する市民に対して「私はどこにも逃げない。あなた方と共に戦う」という姿勢を表明した場面です。
コロナでも感じましたが、緊急時におけるリーダーシップの重要性が改めて感じられました。
ウイルスに対する技術革新が進む昨今ではありますが、このような事態が現実にならないことを祈るばかりです。 -
Posted by ブクログ
巨大地震を扱ったヒューマンドラマ。
救出にむかったヘリが墜落するシーンが圧巻で今でも鮮明に覚えている。
自然からの警告を聴ける人でありたい。情報は隠蔽するものではないはずだ。
人は相手を切り裂く鉤爪も持たず、相手を噛みちぎる鋭い牙も持たぬ。
では何が強かったのか?
①集団の力。②創造力。
人は集団の中で類まれなる個としての力を発揮し社会を支える生き物だと思う。飛行機、自動車、携帯電話などは、最初は頭の中の産物で、それを形にしてきた。
間違っていれば文明は滅ぶ。幾度となく繰り返されてきたのは歴史を見ても明らかだろう。どんな世界を自分が亡き後も残すのか?改めて問いたい。