Posted by ブクログ
2018年10月23日
高嶋哲夫『神童』幻冬舎文庫。
『電王』の改題、加筆修正、文庫化作品。2018年10月の幻冬舎文庫の新刊の中ではピカイチの面白さだろう。
最新のICTの動向を背景に二人の天才の友情と人生を描いた面白い物語であった。ストーリーに多少の贅肉があるようにも思うが、本筋である二人の天才の人生ドラマは間違い...続きを読むなく面白い。
主人公は嫌になるくらいの天才、相場と取海である。小学校で出会った二人は共にプロ棋士を目指すが、プロ棋士への道を賭けた最終戦で相場は取海に破れる。破れた相場は数学の世界へ進み、やがてAIの研究者となり、将棋ソフトの開発を手掛ける。一方の取海はプロ棋士となり、天才の名を欲しいままに七冠を獲得する。
20年後、相場と取海は再び将棋で対決することになるが……