高嶋哲夫のレビュー一覧
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M8(東京直下型地震)、津波(東海東南海南海地震及び津波)に続き災害を扱った作品を読んだ。
今作品も災害の場面は真に迫る様で、読んでいて怖くなるほど。近年は報道の中ではあるが洪水の場面を目にする事が多くなった気がする。
それを思い出しながら読み進めた。異常気象と言われる昨今の状況。こんな事にならなければいいのだが。そんな風に感じるほど著者の災害想定はこちらに迫ってくる。
藤原の効果、初めて知ったが、本当にあるのかと驚く。
著者の取材力、そこからの想像力、筆力は凄い。パニック小説が気になるなら今作品もぜひ読んでほしい。
前2作に出てきた名前が今作品でも目にできて何か嬉しかった。 -
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東京直下型地震を扱った作品。
地震予知と地震に伴う被害、その中での人間模様。
どれもしっかりと読ませてくれた。
先日、南海トラフ地震に伴う臨時情報が出たが、この作品を読むことでさらに身につまされる思いがした。
自然によって引き起こされた事は、自然の復帰力みたいなものが働く。他作品でも読んだが、何かそういった事が起きるのは願望込みでも、確かにそうかもと思わされるな。
そんな中で人間はどうなるのか、どうするのか。人間という大きなくくりてはなく、自分や家族などの単位でもどうなるのか、色々と創造が働く作品でした。
ただ、地震が起きるまでが長かった。
地震予知やそれに伴う組織について、地震予知の価値や扱い方などについて強調したかったのだろうが、そこへの力のそそぎ具合が自分のこの作品の期待とは少しずれていた。
地震発生後の都市でのパニックやそれへの対応などがもうちょっと読みたかったかな。 -
Posted by ブクログ
警報が出たものの意外に小規模だった東海地震、それに油断したところに東海地震の本震が。新築の名古屋の高層ビルは崩壊し、落成式に出席していた総理ほか多数が行方不明死亡となり漆原が指揮をとる。名古屋の壊滅の直後東南海地震と南海地震も同時発生し相互作用して巨大津波が…さらに原発でのメルトダウン…
過去の津波を基に想定津波を策定していたため、想定を超える巨大津波の発生を予測できなかった。私も3/12(震災の翌日)にテレビで津波が人々を襲う画像に、現実とは思えませんでした。「洗濯機にハンマーやナイフと一緒に投げ込まれたような」という表現が的を得ているのか。
これが東日本大震災前に書かれた作品であることに驚きました。
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ネタバレ重いけど、めちゃめちゃいい本。扱っているテーマもすごいし、自分にない価値観を知った。すごく考えさせられた。
看護師の母、認知症の祖母、寝たきりの兄の3人が殺害され、学生だった妹が家から飛び出したところで事故死、容疑者となる。
ヤングケアラーとして祖母・兄の介護に嫌気がさしたのではないかと妹が疑われるがーーというお話。
ヤングケアラーって嫌々やってるものだと思ってた。もちろんそういう人もいるだろけど、介護を当たり前のものとしてやってる子どもたちもいるのか、という衝撃。
もしそれが本当なら、それをやめさせるってかなり難しいし、無理やりやめさせたとして、それは本人のためになるのか?と思ってしまう。
奇しくも、私には介護が必要な祖母がいたし、生活するのにサポートが必要な知り合いもいる。
タイミング的に私はヤングケアラーにはならなかったけど、それに近いことは私の身近で起こっていたように思う。
自分が気づかないだけで、この本のようなことは案外普通に起こっているのかもしれないのがかなり衝撃だった。
人生において、自分の時間を自分のためだけに使える期間は、実はあまり長くないのかもしれない。
育児・介護が筆頭だと思うが、家族のために時間を使うのは、当たり前だけどすごく負荷のかかることだ。私は人間ができていないので、嫌だなと思ってしまう。
でも、嫌と思う選択肢すら持たない人がいる。子どもだったとしても。そう考えると、家族って宗教みたいだ。 -
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前提として、世界人口は増大しており、最も大量の電力使用量があるカナダと同等の電力消費が世界中に発生したら、間違いなく電力は不足する。日本やアメリカは電力使用量の多い国ではあり、あまり実感できないかもしれないが、地球上には未だ未だ安定した電源が無く、頻繁に停電するような地域の方が多い。若い頃に様々な国を旅して感じたのは、そこそこの金額のホテルでさえ停電は頻繁にあったし、停電ごときで大きく驚いた経験もある。裏を返せば日本の電力の安定さは世界最高レベルだという事である。日本がかつて太平洋戦争に突き進んだ要因の一つに、資源の無い国家がその供給を停止させられた事にある。具体的には石油がアメリカから入ってこない。この事は軍事国家化していた日本の軍事力を利用できなくなる事を意味していたし、国内で石油に代わるエネルギーを確保する事は不可能だから、やがて干上がるのを待つ前に、東南アジア(インドネシアなど)のエネルギーを確保する必要性に繋がる。そうなると当然アメリカの太平洋艦隊の脅威を取り除く必要があるから、先にハワイを封じる。この様に、資源に乏しい日本はエネルギーを始めとする資源確保が国の死活問題として現代も生きている。
東日本震災で稼働を停止した原発。あの痛ましい福島第一原発の爆発シーンは誰もが記憶に残っているし、福島県の一部地域からは住民が放射能の影響を避けるために、強制的に立ち退く結果となった。今もなおその影響は続くし、それ以降自分の生まれ育った町へ帰る事が出来ず、また帰るのを諦めて他県に移住した人も多いだろう。経済産業省配下の資源エネルギー庁のサイトを見ると現在稼働している原発は12基あるそうだ。あれだけ騒がれ脱原発と言っていた頃の事を考えると、10年も経てば人の記憶からも薄れたのか、資源の無い日本が背に腹を変えらなかった結果なのか、意外にも多く感じた。
個人的に原子力への依存に対しての善し悪しは語るべきでは無いと思っているが、「もし」稼働したなら、経済的には大きく益があるだろう事は容易に想像はつく。他国から買っている資源から全ての物作りが始まるわけだから、ガソリンなどといった分かりやすい金額だけで無く、あらゆる物の値段の中に含まれるエネルギーコスト分を安価にできる事は間違いない。だから、安全についての議論が必要であり、それを無しに、ただ原発反対と唱えるのもおかしな話だ。何より本書の筆者が言う様に、ネットには大袈裟で面白く人々の共感を得ようとするだけのフェイクニュースや誤情報が多いから、何も考えずに受け入れる様な事はしたくない。
本書はそうした将来の日本のエネルギー政策や、それが社会に与える影響などについて、少しでも課題感を持っている方なら読んでおくべき内容なのでは無いかと思う。基本的には筆者は原発自体に賛成の立場を取っているが、何故この様に原発に対する相当の向かい風がある中で、筆を取り書こうと思ったのか。そして反対の立場の読者であれば、筆者の考え方を聞いた上で、反論してみるのも良いだろう。先ずは知らなければ始まらない。知らずにただ、物価が高い、税金が高い、電気代が高いなどと言うだけなら、それこそただのクレーマーと変わらない。
なお、原発再稼働に向けては様々な安全性に関する議論がなされているが、それをする人材も今の様な世の中では減りつつあるそうだ。一方で世界にはロシアや韓国など、我々が安全性を確認できない原発が世界中に建設されようとしているし、中国もプレイヤーとして登場してきた。我が国日本は福島第一原発のイメージも払拭できないまま、国内でも代替エネルギーの議論ばかりが増えている。国が長期のエネルギー政策を考える場合は、日本の事だけを考えていれば良いと言う物では無いし、人材までもが失われて仕舞えば、誰が福島の事故の再発を防ぐのか。筆者が言う様に「絶対の安全」など無いし、我々が求めているのは「充分な安心」であると考えるなら、安全に不足する部分を、悲惨な事故を起こした国の人間が考え、それを政治が国民に説明して不安を取り除くべきでは無いだろうか。その努力をした上で、安全確保が出来ず、不安な国民がいる間は、当面原子力は使わない方が良いだろう。勿論、その間の電気代の高騰には文句を言わずにだ。
だから私はこれからもずっと考えたいし、本書の様な書籍を多少は読みながら考えているし、スーパーに言って「キャベツが398円っておかしくない!?」ガススタでは「ハイオク186円って何だよ!」と叫んでいるのだ。ちゃんと考えてみたい人が、読んでみると心置きなく叫べる一冊だ。 -
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雑誌記者の笹山真由美は、若年性アルツハイマーを発症した父に付き添い訪れた病院で、知り合いの刑事を見かける。
その刑事がエレベーターで降りたところにはICUがあり、自宅火災で家族が亡くなり1人残された少女が複数の管に繋がれて意識不明のままいた。
事件を調べ始めた真由美は、少女が典型的なヤングケアラーだったことを知る。
事故で重度の障害者の兄と認知症の祖母を家事をしながら看護師の母に代わって介護していた少女が衝動的に3人を殺して放火したのでは…と警察はみていたが。
真由美自身も認知症が進む父をみながら彼女が殺害したことに違和感を感じていた。
彼女の友人やバイト先や学校、そして母親の勤務先の病院などを調べると…。
いずれ誰もが直面する現実である。
核家族になり、寿命が伸びると認知症になる確率は高くなる。
家族を犠牲にしてまで面倒を見てもらうわけには…と思うが、認知症になった本人にはわからない。
若くても事故や病気でいつ身体が動かなくなるのか…それもわからない。
教育、政治、社会で子どもたちを見守り、育てていく体制を作ることが必要だと思っていても現実叶うのは難しい。
ヤングケアラーの本も何冊かは読んでいるが、かなり心痛を感じる読書時間だった。