あらすじ
大型台風23号が接近。東京上陸はないとの気象庁発表。が、日本防災研究センターの玉城はコンピュータ・シミュレーションで24号と23号が合体、未曾有の巨大台風となって首都圏を直撃することを予知。要請により荒川防災の現場に入る玉城。設計担当者として建設中の超高層マンションに籠もる妻・恵子。残された子どもたち。ひとつの家族模様を軸に空前の規模で東京水没の危機を描く渾身の災害小説。
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今作の登場人物は結構皆自分勝手で、読んでてすっごくイライラしたんですが皆基本的に台風を甘く見ているから、勝手な行動を取るんですよね。そう考えるとこの自分勝手な人たちも結構リアルなのかもしれません。
災害の描写も凄まじく、自然の驚異を感じました・・・
まさに手に汗握る読み応えでした!!
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過去最大の超大型台風により、荒川が氾濫し、東京に大洪水を巻き起こす…。
あり得なさそうであり得る話に身震いを感じた。
なによりも驚いたのが、執筆されたのは東日本大震災のだいぶ前ということ。
普段からの危機管理について、改めて考えさせられる一冊。
自然災害三部作の二冊目らしいので、その前後もぜひ読んでみたい。
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M8(東京直下型地震)、津波(東海東南海南海地震及び津波)に続き災害を扱った作品を読んだ。
今作品も災害の場面は真に迫る様で、読んでいて怖くなるほど。近年は報道の中ではあるが洪水の場面を目にする事が多くなった気がする。
それを思い出しながら読み進めた。異常気象と言われる昨今の状況。こんな事にならなければいいのだが。そんな風に感じるほど著者の災害想定はこちらに迫ってくる。
藤原の効果、初めて知ったが、本当にあるのかと驚く。
著者の取材力、そこからの想像力、筆力は凄い。パニック小説ぎ気になるなら今作品もぜひ読んでほしい。
前2作に出てきた名前が今作品でも目にできて何か嬉しかった。
日本沈没よりリアル
今すぐそこにある危機という気がします。日本沈没がTV放映されるけれど、東京大洪水の方がよりリアルです。気候温暖化でスーパー台風が発生しやすい状況にあるので小説が現実化しない事を祈ります。
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緊迫感、緊張感が伝わってくるとてもリアルな作品。
誰もが直面する可能性があるし、みんな読んだほうがいいと思う。
勉強にもなった。
そしてこれを東日本大震災より前に執筆していたことに驚き。
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内容(「BOOK」データベースより)
大型台風23号が接近。東京上陸はないとの気象庁発表。が、日本防災研究センターの玉城はコンピュータ・シミュレーションで24号と23号が合体、未曾有の巨大台風となって首都圏を直撃することを予知。要請により荒川防災の現場に入る玉城。設計担当者として建設中の超高層マンションに篭もる妻・恵子。残された子どもたち。ひとつの家族模様を軸に空前の規模で東京水没の危機を描く、災害サスペンス3部作、堂々の完結編。
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リアリティがある
追記:2019年の「令和元年台風第19号」でフィクションが現実になったことを思い知らせるとともに、高島先生の慧眼に驚く
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自然災害の怖さを書かせるとピカイチな作者。
今回は日本人には身近な「台風」です。
記録的な台風が東京を襲う物語。
その中での人間ドラマもあるから面白い。
個人的には「M8」の方が面白かったけどこれもお勧めできる作品です。
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自然の力は強大だ。
自然は人間に多くのものを与えてくれるけれど、同時に多くのものを奪っていくものでもある。
自然災害が起き多くの犠牲が出たときに一番よく聞くのは「予想外」という言葉である。
そして多くの命が失われる。
日本は多くの経験から治水対策が比較的しっかりしている国だと思う。
それでも堤防は決壊し甚大な被害を及ぼす。
自然災害において過去に学ぶことは多い。
1974年9月、台風で増水した多摩川堤防が決壊。
濁流に次々と住宅が流され、のちにドラマ「岸辺のアルバム」で家屋流出の実際の映像が使われたという。
決壊の原因が二ヶ領宿河原堰と断定した狛江市災害対策本部は、濁流の進路を変えるために堰の爆破を決定。
「東京大洪水」にも似たような場面が登場する。
決断を迫られる人々の間にはさまざまな思惑が交錯し、緊迫した場面となっていた。
はたして人間に自然災害の危険を予測することが可能なのか?
防災措置を行う(決定する)人たちには、常に最悪の状況を念頭に置いてほしい。
「予測できなかった」「予想外だった」では済まされないと思う。
専門家にしかわからない分野にたずさわる人たちには、プロの専門家としてのプライドと責任感を持って仕事に向き合ってほしいと思う。
目の前で進んでいくリアルな自然災害の恐ろしさ。
決断を迫られる玉城と恵子。そして伸男。
一瞬の判断ミスが簡単に奪っていく。
「大丈夫、決壊なんてするわけない」
「ここまで被害が及ぶわけがない」
こうした思い込みが一番怖いのかもしれない。
避難したあとで何もなかったら「何もなくて良かったね」と笑いあえる。
それでいいのだと思う。
「あのときに避難していればよかった」と後悔することだけはしたくない。
子どもたちが無事だったことにホッとした。
玉城のような知識と想像力のある専門家。
真摯にプロの意見に耳を傾けることのできる政治家。
いま、この瞬間に何をすべきかを判断できる救助のプロたち。
地震、津波、大洪水と続いた災害3部作。
どれもがけっして他人事ではない。
日本に住んでいる以上、地震はどこに起きてもおかしくはない。
沿岸部に住む人たちにとっては津波は現実的な脅威だ。
その瞬間、どうしたら自分の身を守れるのか。家族を守れるのか。
忘れた頃にやってくる災害に対して、けっして忘れてはいけないこともあるのだとあらためて感じた。
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高島哲夫の大規模災害3部作の1作。
出版順だと3作目だが、作品内容の時系列では2番目に読むと良い。
首都に上陸した大規模台風。2つの台風が合体し史上まれに見る大型台風が発生。
荒川が決壊し、地下鉄は水没していく。
近年のゲリラ豪雨でも類似の状況は想定できる。
是非、読んで対策を考えておきたい。
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災害3部作の2作目。今度は台風。スケールダウンと思ってしまったらそれこそ完全に作者の術中。そんな、「台風くらい」という感覚を裏切りまくる自然の猛威が描かれる。
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本書は、巨大地震を扱ったM8とTSUNAMIとシリーズをなすクライシスストーリーである。今回の地震から一転しては巨大台風と豪雨による荒川と隅田川の決壊がもたらす洪水をテーマに東京の都市機能の脆弱性を浮き彫りにした快作です。近年、異常気象に原因があると言われる大洪水が世界各所で発生しています。地下街および地下機能が高度に発達した東京のアキレス腱である水対策、地下鉄のトンネル自体が導水管として連鎖的に機能停止する危険性は官民一体となって取組むべき課題であることを改めて考えさせられた一冊である。
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遠山、瀬戸口、松浦、漆原尚人、地球シミュレータ。お馴染みの字面。
今やお馴染みのドキドキ感。
でも決して他人事ではなく。
東大島駅辺りが出てきたりすると、本当に身近なことで、いつ起こってもおかしくないのだと思った。
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大型台風23号が接近。東京上陸はないとの気象庁発表。が、日本防災研究センターの玉城はコンピュータ・シミュレーションで24号と23号が合体、未曽有の巨大台風となって首都圏を直撃することを予知。要請により荒川防災の現場に入る玉城。設計担当者として建設中の超高層マンションに籠もる妻・恵子。残された子どもたち。ひとつの家族模様を軸に空前の規模で東京水没の危機を描く災害小説。
Posted by ブクログ
首都圏の洪水の話。
江戸川区辺りに住んでいる方は読んでみると良いかもしれません。
まあ、小説としては、もう少し人物と災害に対するアクションを書いた方が良いと思う。
結局のところ、個人ができる範囲で活躍するだけで、その人物に影響されて大きな集団と機能するような、ワクワク感などが弱い気がします。
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シリーズ3作目。
台風をきっかけとする東京の水害に関して描かれている作品。
時間軸としては一作目と二作目の間にあたる。
作品中で、台風による風の被害に関する前フリが多かったのに、実際の所があまり描かれていなかったのが残念。
三作通して終わり方がちょっとご都合主義な気がしたなぁ
それでも一気に読み切るくらいには興味を持てた作品。
Posted by ブクログ
緊迫するシーンが続いて、読んでいて肩が凝った。
災害のシーンはすごくリアルではあるけれど、
人間関係のほうは、やっぱり都合のいい感じになっていて、
予測不能なものはどっちかがうまくいかないと、
対処できないものだなと感じた。
ともかく、水害の怖さと、荒川あたりを中心とした治水はよく分かりました。
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緊迫感は同作者の富士山噴火の方があるように感じたが、それは台風や洪水に対しての見慣れ感や水は何とかなるだろうという根拠なき楽観の裏返しで、私自身が洪水を甘く見ている証左かも。真面目にハザードマップを見返そうと思う。
ストーリーは中盤にやや中だるみあり、結末は主人公一家の心情変化などもう少し書いて欲しかった。
Posted by ブクログ
作者の高嶋哲夫は、岡山県玉野市出身。玉野市にはゆかりがあるので、親近感がわきます。
主人公の玉城は、台風の研究者。玉城の妻は、マンデベに務める建築士。
お話は、想像通り、玉城が予想する通りの災害が発生し、玉城の妻が手掛けるマンションに危機が迫る、というもの。マンションが倒れるか、倒れずにかえって人気が出てたくさん売れるか、どっちかだろうな、という想像も的中しました。
それにしても、この作家さんが題材にするものは、よく取材がされています。「首都大感染」もそうでしたが、とてもリアルです。東京は2019年の台風で大きな被害にあいました。その時、荒川・隅田川下流域は危機的状態でしたが、それを思い出しました。
この小説では、玉城が大活躍して、水害の被害を最小限に食い止めます。ただ、水の前に人間は無力です。こんなにうまく重機や土嚢で堤防を補強したり、地下鉄の出入り口をふさいだりできません。十分な準備なしでこれだけの規模の台風がきたら、信じられないくらいの被害がでていたでしょう。やっぱり事前の準備が一番大切です。
Posted by ブクログ
面白かった、そして怖くなってしまう!
昨年、関東を直撃した令和元年東日本台風(台風19号)を思い出します。
自然災害パニック小説3部作(M8、TSUNAMI、東京大洪水)の3番目に位置付けられている物語だそうですが、時系列でいうと2番目に読むとよいそうで、偶然にもその順番で読んでいます(笑)
M8の登場人物が再登場しています!
ストーリとしては、
大型台風23号と24号が合体して東京へ上陸。
荒川の氾濫による東京水没をどう防ぐかのディザスターパニックエンターテイメント。
まず前半ですが、M8同様に、その災害を予知しながらもどう伝えるかがポイント。
主人公玉城のチームはコンピュータシミュレーションで23号と24号が合体し、首都圏を直撃するとの予知し、気象庁に危険を知らせるものの...という展開
多くの人に影響を与える災害予報情報を出せるのか?
そして、実際に国や都、区は対応ができるのか?
そして、後半は、台風直撃での防災。
どう水害を防ぐのか?
といった緊張、緊迫感のある展開です。
ちょっと、ありえない展開があるのも事実..
その辺は差し引いてでも、水害の恐ろしさ、対応の難しさ、そして実際の対応がひしひしと伝わってきます。
その中、もう一つのストーリが、玉城の家庭の問題。
一級建築士の奥さんが立てている高層マンションは台風に耐えられるのか?
奥さんと子供、年老いた母親、玉城の弟、など、家族はどうなるのか?この災害を通して家族の絆についても語られていきます。
そして、やっぱりいるんですよね。避難しろって言われていながらも、避難しない人たち。
そして、避難先で文句を言う人たち。
そういう人たちもリアルに描かれています。
未曽有の台風の中、都民は、家族は、どうなるのか?というハラハラドキドキの物語でした。
しかし、最後はちょっと尻つぼみ。もうちょっと展開があってもよかったかなっと。
最近集中豪雨が多い中、必読の物語。
自分の身は自分で守ろう
お勧め
Posted by ブクログ
今は立派になっているので埋立地とは思えない、
でももともとは海だったところで仕事しているから、
大変興味深く恐ろしい気持ちで読んだ。
たかをくくっていると、痛い目に合う。
自然の前ではもう成す術無し、とはいえ
日頃の心構えや謙虚な気持ちがもう、何より大事だ。
Posted by ブクログ
超大型台風が東京を直撃した時、荒川は、建築中の高層マンションは、都内に張り巡らされる地下鉄は、どうなるのか。
タイトルにあるように、東京大洪水の危機を描く。
台風直撃までのシュミレーションや前段が長くて、上陸後の描写が弱い気がするが、妻恵子さんが奮闘するリバーサイドビューの現場は引き込まれた。
改めて、日本は地震だけでなく、台風や大雨の災害にも日ごろからの警戒と備えが必要なんだと感じました。
(★は3.5くらいかな)
Posted by ブクログ
災害3部作完読。
さすがにこうも立て続けに「災害」関係の本を読んでいると、
気が滅入ってくるというか、
「そんなばかな…」とか思ってしまいます(笑)
しかし、本の中でも煽っているけれども、
日本は毎年台風がやってくるし、
こんな超大型の台風がやってこないとも限らないし、
色々と怖いです。