高嶋哲夫のレビュー一覧
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・最高責任者には、責任感、判断力、高いリーダーシップが求められる。その能力を持った人が率いる組織であれば強力なチームとなる事が再認された。
一方で、日本人特有の優柔不断、判断の先延ばし、他人からの意見ばかりを気にすることなどの描写は非常に同感できるとこであった。特に政治家の描写は現実的で、国民の為というキーワードを盾に、実際には自分の立場の事しか考えていないところ、エビデンスを求める癖に自分の言う事は支離滅裂であること、など強く共感した。そんな中でも優秀な人材は必ず存在しており、結局、リーダーの裁量が、彼らを活かすかどうか、組織力を最大限に発揮させるかどうかを決定させると感じる。
・殆どの人 -
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ネタバレ所々で人間のやるせなさを感じた。
まず1つは地震が起こる前、地震シミュレーションに対して全く見向きもしなかったところだ。阪神淡路大震災が起こる前に失敗して以来、シミュレーションに対する信頼が無くなったのか、1ヶ月以内に地震が起こるという差し迫っている状況でも耳を傾ける人間は少なかった。人間は過去の失敗の怖さから新しい技術に対する不安感を払拭できないのだ、ということを突きつけられ、やるせなさを感じた。
また、実際に予告ができたとしてもあの時こうすれば良かった、というように後悔が残ってしまっており、全体の数字で見て被害を減らすことができたとしても、被災者遺族にとっては何も意味がない。マクロ的に見て -
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高嶋哲夫『バクテリア・ハザード』集英社文庫。
石油を生成するバクテリアを巡る国際謀略バイオ・ミステリー小説。
アイディアは独創的で、ストーリー展開も早くなかなか面白い。しかし、世界規模でストーリーが展開する割りには主な舞台は日本に留まり、世界の描写は味付け程度で、無難な結末にも少しがっかりした。
林野微生物研究所の山之内明は短時間で効率的にクリーンな石油を生成するバクテリア『ペトロバグ』を発見する。世界の石油市場を根底から覆す発見に、アラブの産油国やアメリカのメジャー石油会社は動揺に包まれる。石油を巡る戦争にも発展しかねない驚異に山之内の殺害と『ペトロバグ』の奪取に動く。
昔は世界の石 -
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沖縄県警シリーズ 第2作目。ブルードラゴン。沖縄をベースにした危険ドラッグをめぐる物語。読み終わって感じたのは、勇気あるラブストーリーだ。サーファー刑事 反町の素直な性格が実にうまく描写されている。芯の強さがよく出ている。ノエルの父親は失踪することで、ノエルは父親探しをするために警官となる。ところが、その父親は、香港マフィア ブルードラゴンの頭ジェムソウだった。生きていてほしいと願いながら、悪への道に入り込んでいる父親に対して、敢然とたち向かう。父と娘の対決。そして、ノエルの友人だった安里愛海もハーフだったことで、ノエルが幼い頃から、友達として支えてくれた。その愛海に、反町は恋をするのである。