高嶋哲夫のレビュー一覧
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面白かった
原発災害かと思いきや、原発テロの物語
東野圭吾の「天空の蜂」を思い出しますが、そこまでのメッセージ性は感じられませんでした。
しかし、こんなことが現実に起きてしまったらと思うと恐ろしくなります。
ストーリとしては、
日本海にある世界最大の原子力発電所が稼働直前で、武装したテロリスト集団に占拠されます。
そして、原発を自分たちで稼働させ、放射能で汚染されたガス放出を予告。
テロリストたちの要求は
ロシアからのチェチェン共和国の独立承認
同志たちの解放
現金1000億円と10億ドル
日本は原発を取り戻すことができるのか?
といった展開
政府、自衛隊、原発システム設計者達が、テロリスト -
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バクテリア=細菌には、ヨーグルトを作る乳酸菌や、パンやビール造りに欠かせない酵母菌、あるいは納豆を作る納豆菌など、人がその力を利用できる有益な菌が存在する。
本作の主題は、架空の「石油生成細菌」である。
細菌が石油を作る。油田を持たない国でも産油国になることができる。それは世界のエネルギー情勢を大きく変える。
というわけで、この菌と、発見・開発した科学者とが、OPECや米国石油メジャー企業に狙われる、というお話。
単なる有益菌なら「ハザード」というわけではないのだが、研究途上で、この菌が致死性も持つこともわかってくる。感染力はさほどではないが、ひとたび体内に入ると、身体の中で大増殖して、組織 -
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日本初の女性首相とアメリカ国務長官が首相官邸で会談中に、テロ集団が官邸を占拠。首相と国務長官が人質となる。女性で初めて首相付きのSPとなった明日香が、重傷を負った上司の指示のもと、たった一人でテロ集団に立ち向かうことに。官邸の外では日米の救出部隊が一枚岩になれず揉めるなか、アメリカ大統領をも巻き込むテロ集団の意外な目的が明らかになり……。
政府の指示系統崩壊、アメリカ軍の介入、その混乱に乗じるテロ集団。しかし、明日香の行動が少しずつテロ集団の計画に狂いを生じさせていく。
日本の安全保障政策に警鐘を鳴らす衝撃のクライシス小説。
エンド・オブ・ホワイトハウスの日本版と言ったところ。コンパクト -
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前半は地震予知研究がテーマ。
先日岐阜大のH先生も、もう地震予知は研究自体畳んでいるんだな的なことを書いていた。そう、きっと予知まではきっとできないんだろうと思っているが、「仮に予知ができるとしたら(or世の中が諦めてないとしたら)」的なフィクションとして読む面白さということかな。
※加えて、やっぱり洪水対策はある程度「予知」ができる点で、全然違う現象だよなと改めて思い知った。そういえば以前に面接で「一週間後に洪水が来るとわかったら、何をする?」ってきいたこともあったな(今思っても良い質問だ)。
後半は、発災後の惨状や対応の様子が並ぶ。確かに、(数多のレビューにもあるとおり)被害のリアリティ -
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ネタバレ作者の高嶋哲夫は、岡山県玉野市出身。玉野市にはゆかりがあるので、親近感がわきます。
主人公の玉城は、台風の研究者。玉城の妻は、マンデベに務める建築士。
お話は、想像通り、玉城が予想する通りの災害が発生し、玉城の妻が手掛けるマンションに危機が迫る、というもの。マンションが倒れるか、倒れずにかえって人気が出てたくさん売れるか、どっちかだろうな、という想像も的中しました。
それにしても、この作家さんが題材にするものは、よく取材がされています。「首都大感染」もそうでしたが、とてもリアルです。東京は2019年の台風で大きな被害にあいました。その時、荒川・隅田川下流域は危機的状態でしたが、それを思い -
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久しぶりに作者のパニックものを読みたくて、手に取った一冊。
石油を生成するバクテリアを発見し、実用化に向け、研究を進める研究者・山之内を巡るサスペンス。
アメリカのメジャー、アラブ諸国のOPEC、日本政府…世界はいつでも石油に飢えている。そんな中、洞窟の中から採取した土壌から発見した細菌には、石油に似た物質を生成する性質を持っていることを発見した山之内。
彼は過去に研究に熱する挙句、研究室で爆発を起こし、自分が教えていた学生たちを死に追いやっていたことを悔いながら生きていた。
そんな山之内が民間の研究施設に移り、もうすぐ実用化出来るところまで来ていたが、その情報が企業スパイにより、あらゆるとこ -
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面白かった、そして怖くなってしまう!
昨年、関東を直撃した令和元年東日本台風(台風19号)を思い出します。
自然災害パニック小説3部作(M8、TSUNAMI、東京大洪水)の3番目に位置付けられている物語だそうですが、時系列でいうと2番目に読むとよいそうで、偶然にもその順番で読んでいます(笑)
M8の登場人物が再登場しています!
ストーリとしては、
大型台風23号と24号が合体して東京へ上陸。
荒川の氾濫による東京水没をどう防ぐかのディザスターパニックエンターテイメント。
まず前半ですが、M8同様に、その災害を予知しながらもどう伝えるかがポイント。
主人公玉城のチームはコンピュータシミュレーシ -
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高嶋哲夫『紅い砂』幻冬舎文庫。
国際紛争小説。随分とアメリカを美化していることに驚かされた。作品としては平凡過ぎるほど平凡。
中米の小国コルドバでは独裁政府による弾圧と麻薬組織の犯罪激化により難民流出が絶えず、アメリカとメキシコの国境ウォールに難民が押し寄せる。対するアメリカ軍は難民数百人を銃殺する。当時、軍を率いていたジャスティス大尉は虐殺者の汚名を着せられ、軍を追われる。家族も仕事も友人をも失い、酒に溺れる日々を過ごすジャスティスにコルドバの独裁政府討伐のミッションが持ち掛けられる……
全くハラハラする所も無く、予想通り、予定通りの展開と結末。実際のアメリカは自国の軍事関連産業の繁栄