高嶋哲夫のレビュー一覧

  • 首都崩壊
    「M8」で首都直下型地震、「TSUMANI」で巨大津波、「東京大洪水」で巨大台風による都市災害を災害シミュレーションとも言えるリアリティで描き切った高嶋氏が本書で描くのは、災害リスクによる経済の破綻です。
    『東京を首都直下型地震が襲う可能性が5年以内90%以上という研究成果が発表されます。このリスク...続きを読む
  • 震災キャラバン
    東日本大震災の直後に、神戸から支援物資を載せたバンが走り出す。
    神戸での震災の経験から、父親が持たせた魔法の箱が良い。

    軽いタッチで描いているため、被災した側の気持ちがあまり伝わってこず、少し物足りなさも感じるが、若い方に読んでもらうのには良いと思う。
  • メルトダウン
    日本人作家が、アメリカ合衆国の陰謀をテーマに書く。これだけでも十分野心的であると言える。テーマもアメリカンスリラーの王道である権力と陰謀。かなり、書き込まれている。物語は、アメリカ大陸の東海岸と西海岸のそれぞれで展開する。ある老人が託した原爆の開発手記の新聞記事にウラン238から核分裂をおこす理論が...続きを読む
  • 東京大洪水
    今は立派になっているので埋立地とは思えない、
    でももともとは海だったところで仕事しているから、
    大変興味深く恐ろしい気持ちで読んだ。

    たかをくくっていると、痛い目に合う。

    自然の前ではもう成す術無し、とはいえ
    日頃の心構えや謙虚な気持ちがもう、何より大事だ。
  • M8
    本当に恐ろしい。
    阪神淡路の記憶がキーになっているが、
    この本の書かれたあとには3.11があったし、
    大規模直下型地震は待った無しの段階に違いない。

    でもだからどうしたらいいんだ、いつくるか、
    規模も何も太刀打ちできないのは明白だけど、
    心構えの有無で、そののちの生存や復興への気の持ちようが
    変わ...続きを読む
  • TSUNAMI 津波
    南海トラフ巨大地震のシミュレーション小説。小説では30万人近い死者が出ているが、これは内閣府が出した最大死者の予測値32万人とかなり近似している。予言の書にならないことを祈りたい。(惜しいことに「小説」の部分が今ひとつ)
  • 衆愚の果て

    政治家になるサクセスストーリーではなく、政治家とは一体全体どんなものなのか、主人公は一人奮闘するものの、やはり政治は議員のみならず、それを取り巻く多くの欲望やしがらみがついて回る。きれい事だけでは政治家にはなれないし、そもそもそんな政治家はいらないのが現実であるということを考えさせられる。
    ただ、...続きを読む
  • フライ・トラップ JWAT・小松原雪野巡査部長の捜査日記
    この作家は、元々原子力技術者。
    文章を読んでいると、その片鱗を感じることもある。

    この作品もそう。
    キッチリと、筋が通った書き方で、
    もし違う人が書いていたら、もう少し違う感じに
    なっていたのかもしれないけど、この作品はこの作品で、
    素直に読み進むことが出来て、読みやすかったです。
  • いじめへの反旗
    アメリカからの帰国子女の小野田雄一郎が主人公。
    日本の中学2年に転入するが、からかいや先生から煙たがられたりと、なかなか学校に馴染めない。アメリカ流の我が強い感じ、権利意識の強さなどが日本の、しかも中学生には合わないのは仕方ないな。。

    クラスの中で、羽山伸一という男と仲良くなるが、彼はクラスの男子...続きを読む
  • 東海・東南海・南海 巨大連動地震
    読みにくいのが残念。原発には軽く触れてる程度。先人の言葉を大事に、という趣旨で終わっているのは良かったけど。
  • 東京大洪水
    超大型台風が東京を直撃した時、荒川は、建築中の高層マンションは、都内に張り巡らされる地下鉄は、どうなるのか。
    タイトルにあるように、東京大洪水の危機を描く。

    台風直撃までのシュミレーションや前段が長くて、上陸後の描写が弱い気がするが、妻恵子さんが奮闘するリバーサイドビューの現場は引き込まれた。
    ...続きを読む
  • 衆愚の果て
    なるほど。

    劇場型の政治に成り下がって久しいですが、
    その劇場型政治による一人の“チルドレン”が、
    やる気を見せて、一つのことを成し遂げようとする話。

    読み終わった直後は、「なんだ。やったのはそれだけか。」と
    思ったんですが、良く考えてみると、トントン拍子に出世して、
    大臣なんかになってしまうと...続きを読む
  • 衆愚の果て
    政治家はダメなやつなんだというのが、強く出しすぎて、前半で食傷。
    しかも一般的なことばかり。
    もうちっとドラマ性を持たせてほしかった。
    そうすれば最後はもっと生きたように思う。
    それでも、面白かったけどね。
  • M8

    自然相手にはどうしようもない

    津波(TSUNMI)に続いて読む。
    実際は、この東京の震災があってから、津波があるという設定なので、これから読む人はこちらを先に読むことをオススメする。

    シミュレーション小説なので、小説というよりは、なんだろう。実際に起きたらどうなるかとか、その時の状況などに興味関心が多くなる。その分、登場...続きを読む
  • 衆愚の果て
    「衆愚」という言葉を使いながら、単に政治屋を批判する新人議員のサクセスストーリーという軽い物語になってしまったのが残念。
    衆愚の果て と銘打ったからには、このままいくとどんな国になっていくのかを想像させる、もしくは一つの見解を示すものにしてほしかった。

    ただ、政治家の仕事の一端を知れたのはプラス要...続きを読む
  • 衆愚の果て
    執筆された時期は今の様な総選挙モード突入前ではなかったとは思うが、ここまで酷い乱立状態までは流石に想定されていなかったと思う。ほぼ実名の政治家を登場させて如何に政治家が職業化しているかということと、その資質も含めて劣化していること、そういう状況を許している国民の愚かさを嘆き、衆愚政治の果てがどうなる...続きを読む
  • 風をつかまえて
    昨年の夏休み読書感想文コンクール(高校の部)の課題図書。
    読みやすいけど夢があって、高校生に読ませるにはいいかも。
    でも、大人としては、ちょっと淡々とし過ぎている気がします。
    町工場が舞台ということで、『下町ロケット』を思わせる部分もあるんですが、『下町ロケット』の佃社長が取引先の銀行に示した態度に...続きを読む
  • 震災キャラバン
    阪神淡路大震災を幼い時に経験した神戸在住の若者が、震災直後の東北に、宮城県出身の知人女性と支援物資をのせてバンを走らせる。

    題材が題材だけに、もっとじっくり書き込んでほしかった気がします。
    全体的に雑な印象で、ちょっともったいなかったです。
  • 巨大地震の日 ――命を守るための本当のこと
    阪神淡路大震災や新潟中越地震、スマトラ地震などを
    引き合いに出し、巨大地震が起きたときにどんなことが起きるのか、
    どうすればよいのかなどが書かれています。

    大震災が起こる前に読もうと思っていた本です・・・。

    恐らく、”M8”や”津波”を書き上げる際に集めた取材資料を、
    そのまま眠らせておくのは忍...続きを読む
  • トルーマン・レター
    気分の悪くなる描写から始まった。

    日本に原爆を投下した第33代アメリカ大統領: トルーマンが愛人に向けた手紙。
    それを手に入れてしまった元新聞記者。
    その元同僚や元恋人を中心に物語は展開していく。

    一方、沖縄で米兵に乱暴された女性の周りでも物語は進み、次第に交錯していく。

    どこまで鵜呑みにして...続きを読む