あらすじ
深刻な地球温暖化の前に、欧米では遅くとも2035年までにエンジン車の新車販売が規制される。つまり新車販売は電気のみで動く車に限られるのだ。加えて中国が2030年をめどに、国内の新車販売をすべて環境対応車に変更するという。このような世界情勢を前にしても、既存産業への配慮と圧力から日本政府は有効な手を打てずにいた。経産省の自動車課に籍を置く瀬戸崎啓介は焦りを募らせる。このままでは、日本の自動車関連就業人口534万人のうち多くが路頭に迷う可能性がある。だが、いったいどうすればいいのか……?電気自動車への全面移行に遅れた日本に、起死回生の一手はあるのか?『首都感染』で新型コロナ感染拡大を予言した著者が描く、〝日本経済、予言の書〟解禁!
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Posted by ブクログ
古賀茂明の「分断と凋落の日本」に書いてある。気候変動対策をサボり続ける我が国がEV車にシフトしないわけは「トヨタ」の意向だと。電力会社が自然エネルギーをつぶし原発を推進するのと同じ構造だ。未来がどうなろうといまを稼ぎ時にしたい強欲資本主義を新しい資本主義などと名付けて誤魔化す政権党の馬鹿者どもはこの本を読め。
我が町の作家の慧眼に心から感謝する。
Posted by ブクログ
『EVを巡る腹の探り合い、日本の将来は?』
近々未来のEV(電気自動車)開発や、脱炭素社会の主導権を巡って繰り広げられる日中米の攻防戦を描いた作品。CDがストリーミングに、ガラケーがスマホにあっという間に置き換わったように、EVも世界をガラッと変えてしまうかもしれない。今後の世界の動向をつかむためにも、一読をオススメします!
Posted by ブクログ
コロナの次はEV。結末以外は小説通りに進みそうで怖い。いずれにしろ金と人、そして国家権力を背景に素早い意思決定で強引に突き進む中国の勢いは加速するばかり。作中のような志ある官僚や政治家が出てこないと日本は沈んでいくしかない。「自動車の意義、移動ができ、仕事ができ、リラックスができ、考えることができ、生き返ることができる。プライベートな空間」2030年問題。
Posted by ブクログ
仕事に絡むので、気候変動対応の遅れとビジョンの乏しさに絶望感を覚えているが、そこに通じる電気自動車を軸にした結構現実的な小説。展開は小説ならではだけれど、実際、全然進んでない脱炭素どうすんの?
Posted by ブクログ
2022.7 高嶋さんの小説はいつも緊張感かあり、今回の題材は違うけれどディザスタ小説でもリアリティを感じます。
現実社会で日本メーカーは生き残れるのか心配です。
Posted by ブクログ
リアルとフィクションのきょうかいが、悪い意味でちょっと曖昧。
業界について詳しければそれなりに楽しんで読めるが、知らないと???ってなりそう。
Posted by ブクログ
ハイブリッド車で推進していく日本とEV車を推進していくヨーロッパ・アメリカ連合。14億の人口を抱える中国はどう出るのか。
かつてのベータとVHSのような駆け引きが興味深い。ハイブリッド車は、ガラケーのような運命を辿るのか。日本では車産業に携わる人口が多いだけに、ガソリン車の販売停止という政策は取れるのか。
一人の若い官僚が国を救えるのか。一気読みした。骨太の作品。
Posted by ブクログ
日本の根幹企業の1つである自動車の転換についてのお話。
ミステリでもないし、スパイものでもないし、割とサラっとしたお話だけど、とにかく今の日本経済は危機にあり、色々と切り替えていかなくてはいけない雰囲気は良くわかりました。
お話に出てくる総理大臣や環境大臣は物分かりが良い人たちだったけれど、実際は老害で利権まみれで権力だけは保持している政治家が多いことがこの国をダメにしているように思いました。
政治家には定年を設けないと絶対にダメ!
優秀な人たちが官僚にはなっても政治家にはならないのは、利権や親の看板で低能なのに権力を持った老害政治家が権力を牛耳るシステムが良くない。
当選回数も制限したほうが良いのかもね。