高嶋哲夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シリーズ第4弾。
前作が最終巻かと思っていたが、まさかの第4弾。
一応、これが最終巻とあとがきにも書いてあってので、本当にこれが最終巻なのだろう。
今作では沖縄が抱える基地問題をメインに描かれる。
辺野古の埋め立て地近くで見つかった水死体。自殺なのか、他殺なのか。捜査を進めるうちに、沖縄の深い闇に近づいていってしまう反町達。
実際に沖縄で起きた現職知事の死去による知事選など、時事ネタも挟みつつ、物語は進む。
本土の人間には分からない沖縄ならではの問題を、主人公を本土の反町で設定することで、現地の人々との心の温度も上手く描いていた作品だったと思う。
前作の感想でも書いたが、1年も経った事件の再捜 -
Posted by ブクログ
高嶋哲夫『沖縄コンフィデンシャル レキオスの生きる道』集英社文庫。
沖縄県警シリーズ第4弾。完結編。
再び反町と渡嘉敷の名コンビの活躍が楽しめると思ったら、今回は反町とノエルがコンビを組み、渡嘉敷は後方支援で余り表には出て来ず、非常に残念。シリーズ完結編だというのに物足りなさを感じる。
タイトルの『レキオス』とはポルトガル語で琉球の人びとを指す言葉のようだ。つまり、タイトルは『琉球の人びとの生きる道』ということになる。1972年にアメリカから日本に返還された沖縄は半世紀近く経っても未だに米軍が幅を利かせ、日米地位協定、思いやり予算だなんだと実質的にはアメリカによる支配が続いているように思 -
Posted by ブクログ
面白かった
国際陰謀バイオレンス&サスペンス&ミステリー
途中までは、ハードボイルド、バイオレンス系でどうだかなぁって思いましたが、後半から徐々に真相が明かされてスッキリでした。(笑)
ストーリとしては、元新聞記者の峰先は大学教授の友人を訪ねた帰りに外国人同士の暴行事件に巻き込まれます。その現場で偶然手に入れた一通の手紙。それが第33代米大統領トルーマンの私信。そこには、広島・長崎への原爆投下の決断とその真相が書かれていました。
公式には、その目的はアメリカ軍の損失を最小限にする為となっていますが、その手紙には、アジア人軽視、人種差別的な文言が記載されていました。
この手紙は本物な -
Posted by ブクログ
背筋が寒くなる!
日本の国防を「核の抑止力」から語ったサスペンス。
近未来の日本の姿をシミュレーションしている様な展開でした。
下巻では
ようやく核爆弾を見つけたと思っていたところ、何者かの勢力によってそれが奪われてしまいます。
結論上は、自衛隊の別の組織がその爆弾を無力化したことになっていますが、腹落ちしない真名瀬は独自で捜査を続けることに。
そんな中、再び尖閣で中国と自衛隊のにらみ合いが軍事衝突が起こりかねないほど緊迫感を増していきます。
真名瀬は最後の手段に!
核爆弾を有事回避の交渉手段に使えないか奔走します。
本物の核爆弾を中国、米国に見せることで、日本の核保有、開発力を見せつけ、軍 -
Posted by ブクログ
背筋が寒くなる!
日本の国防を「核の抑止力」から語ったサスペンス。
近未来の日本の姿をシミュレーションしている様な展開でした。
上巻では
国内で日本の核武装に向けた計画書、図面が発見されます。
官邸から全容解明とこの計画を極秘に処理し、なかったことにするよう指示を受ける主人公の防衛省の真名瀬。
捜査を進めていくと、そこには、元自衛隊幹部や大企業も加わっていることが判明。
日本で核爆弾は製造されていたのか?
一方、尖閣では海上自衛隊と中国軍の小競り合いが勃発
尖閣諸島に中国漁民が上陸し、このままいくと、実効支配されかねない状態へ。
火器レーダ照射もされ、一触即発の事態へ。
日米安保条約があると -
Posted by ブクログ
沖縄県警を描いた「交錯捜査」の続編。
前作で事件が解決しないままだったので、今作で事件のその後が描かれるのかと思ったら、全く別の内容でびっくり!
中国マフィアとの対峙はどこへ行ったのやら…
この作品、とにかく警官なのに、仕事をしないでさぼっているようなシーンが多い。
今作も仲良し同期3人プラス米軍のMPのケネスの4人で飲んでいる時に、違法ドラッグで突然倒れた米兵を見つけたことから物語が始まる。
違法ドラッグを売っていた売人は腕にブルードラゴンの刺青が入っており、その売人が新種のドラッグを格安で観光客などに売っていることから、県警の管轄内で異常な事件が多発する。
この売人、そしてその上にいるボス -
Posted by ブクログ
災害、パニック物を得意とする作者初の本格警察小説。しかも舞台は沖縄県警。別の作者ではあるが、直木賞を受賞した「宝島」を読んでいたので、沖縄にある独特の背景をどう描いているのか、気になったのもあり、読んでみた。
元々、物語に入り込みやすい文章を書く作者なので、その辺は問題なく。しかし、この作品だけで事件が解決しないのはいただけない。
沖縄のホテルで男女2人の遺体が発見される。
その捜査を担当することになった捜査一課の若手刑事・反町。反町は沖縄出身の先輩刑事や、国際犯罪対策室や準キャリアの同期と共に事件の真相を探ろうとするが、そこには巨大な陰謀が絡んでいて、なかなか事件が解決しない。
沖縄の暴力団