Posted by ブクログ
2019年05月19日
背筋が寒くなる!
日本の国防を「核の抑止力」から語ったサスペンス。
近未来の日本の姿をシミュレーションしている様な展開でした。
上巻では
国内で日本の核武装に向けた計画書、図面が発見されます。
官邸から全容解明とこの計画を極秘に処理し、なかったことにするよう指示を受ける主人公の防衛省の真名瀬。
捜...続きを読む査を進めていくと、そこには、元自衛隊幹部や大企業も加わっていることが判明。
日本で核爆弾は製造されていたのか?
一方、尖閣では海上自衛隊と中国軍の小競り合いが勃発
尖閣諸島に中国漁民が上陸し、このままいくと、実効支配されかねない状態へ。
火器レーダ照射もされ、一触即発の事態へ。
日米安保条約があるとはいうものの米国の出方は消極的。
日本は尖閣を守り通せるのか?
そんな中、真名瀬の親友の自衛官が中国との小競り合いの中命を落としてしまいます。
もし、日本が核を保有した場合には、世界中から総すかんをくらって、孤立することは目に見えています。
一方で、軍事力を憲法上持たない日本では、尖閣でのトラブルでは何も出来ません。
専守防衛だったとしても、最初の中国の攻撃で多くの犠牲者が発生することになります。
そんな中、どうすればいいのか?
考えさせられる問題です。
核兵器の製造については、とてもリアルに語られていて、本当に出来ちゃうんじゃないの?って思ってしまいます。
また尖閣でのトラブルでは、まさにそこにある危機、自衛官が命を張ってその場その場を対応している緊迫感が伝わってきます。