【感想・ネタバレ】日本核武装 上のレビュー

あらすじ

国内で日本の核武装に向けた計画書が見つかった。官邸から秘密裏に全容解明するよう指示を受けた防衛省の真名瀬は、まさかの事実を掴む。核爆弾製造に元自衛隊幹部や大手企業が関わり、完成が近いのだ。そんな中、日本上空を北朝鮮の弾道ミサイルが通過、尖閣では海上自衛隊と中国軍の小競り合いが起き、日本の自衛官一人が亡くなってしまう。

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Posted by ブクログ

 日本が核兵器を所持することは抑止力になるのか?大胆な設定と問いかけ。
 
随分と考えさせられた本である。
現在、核兵器を所有している国は、アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスの国連の安全保障理事会・常任理事国はNPT(核不拡散条約)で承認されている。NPTという国際的な枠組みの外側で開発を進め、事実上の核保有国となったのが、イスラエル、インド、パキスタンである。NPTから脱退し、保有を強行して保有した北朝鮮であり、9ヶ国が核保有国となっている。

ウクライナは、核保有国であったが、米露英から安全保障の約束(ブダペスト覚書)を受ける代わりに核を全て放棄した。ロシアによる侵攻を受けた結果、国内では「核を放棄したから侵略された」「安全保障の約束は守られなかった」という後悔がある。

現在、アメリカがイランを核保有国にしないとイランへの攻撃を正当化している。
サウジアラビアのムハンマド皇太子は過去のインタビュー等で「もしイランが核兵器を持てば、我が国も対抗してできるだけ早く核兵器を保有せざるを得ない」と明言している。
韓国も、北朝鮮の核・ミサイル能力が実戦レベルに達したことへの危機感から、独自に核兵器を持つべきだという意見が生まれている。

日本は、非核三原則(つくらず、持たず、持ち込ませず)を堅持している。広島と長崎の原爆被害を持っているが故に、反核の闘いの先頭にも立っている。
日本が核兵器を持つことで、いくつかの不具合が生まれる。日本においても、核兵器を持つべきだという意見が生まれてきている。

日本はNPT(核不拡散条約)に加盟しており、独自の核保有は認められていない。核武装するためにはNPTから離脱する必要があるが、これは国際秩序への挑戦とみなされる。北朝鮮がNPTを離脱した際と同様に、国連安全保障理事会などから厳しい経済制裁を受ける可能性が極めて高く、国際的に孤立する。

日本は「核兵器を作らないこと」を前提に、ウラン大国である米国や豪州などから原発用のウラン燃料の輸入や再処理の許可を得ている。この前提である日米原子力協定などが崩れれば、燃料の供給が止まり、国内の原子力発電所はすべて停止せざるを得なくなる。

日本が核を持てば、韓国や台湾、さらには東南アジアの国々なども「自衛のために核が必要だ」という論理になり、世界中で核武装の連鎖(核ドミノ)が起きるリスクがある。これにより、世界の核管理体制は崩壊する。

以上は、国際的な問題であるが、アメリカとの関係においては、世界戦略としてこれ以上の核保有国を増やさないつまり核不拡散ことを国益としている。同盟国であっても独自の核武装は容認しないのが基本スタンスである。日本が核兵器保有を強行すれば、アメリカから政治的・経済的な制裁や、最悪の場合は軍事同盟の停止を突きつけられる可能性がある。

中国は日本の核武装を「重大な脅威」かつ「戦後秩序の打破」であり、軍国主義化したと決定づける。「日本の脅威に対抗する」として、日本を射程に収める中距離ミサイルや核弾頭の数をさらに急増させることになる。中国との緊張は、厳しい状況に追い込まれる。

この本の主人公の真名瀬純は、防衛省技術研究本部研究技官で、ハーバードに留学。その時の友人が、アメリカ人のデビッドと中国人のシューリン。この三人は、戦争をしたくないという点では一致している。そして、真名瀬は、被爆3世で、おばあちゃんが被曝した。その苦しみをよく知っている。

防衛省技術研究本部研究技官の舘山が、機密レポートを持って交通事故に遭う。その文書は、原爆兵器の作成マニュアルだった。そして、その作成マニュアルに基づいて、実行されていた。それを真名瀬は、立山の後任として、探る。そこから、館山が誰の指示で動いていたのかを知る。

その頃に、尖閣諸島の領有権をめぐり、中国と日本との間で、緊張関係が生まれていた。アメリカは、当事者同士で解決する問題と見ていた。
森島は、真名瀬の中学、高校の友人で、防衛大学校に進学した。海上自衛隊一等海尉で、「あすなみ」に乗艦する。真名瀬も乗艦した。尖閣諸島の荒波の中で、中国の船と自衛隊の艦船が睨み合いをしていた。中国の上陸用船艇と「あすなみ」がぶつかって、中国の将校が海に落ちた。それを救助するために、森島は海に飛び込み、その将校を助けたのだが、本人は荒波に打ち付けられて、死んでしまう。
そこで、上巻は終わる。

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2026年07月05日

Posted by ブクログ

いやぁ〜これは面白いですねぇ
文章もすごく平易で読みやすくてすらすらと頭に状況が入ってくるので、読んでいてまるで映像で見ているようです。
何を言ってもネタバレになりそうなので内容には触れませんが一気読み必至の極上サスペンスですねぇ〜絶えず緊迫感があって手に汗握るって感じです。

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2020年05月25日

Posted by ブクログ

現実には初の米朝首脳会談が行われた今、この小説は大変興味深い。北朝鮮の核ミサイル配備、中国の尖閣諸島支配等々が展開されるなか、日本国内で核武装に向けた計画書が見つかる・・・。

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2018年06月14日

Posted by ブクログ

背筋が寒くなる!
日本の国防を「核の抑止力」から語ったサスペンス。
近未来の日本の姿をシミュレーションしている様な展開でした。

上巻では
国内で日本の核武装に向けた計画書、図面が発見されます。
官邸から全容解明とこの計画を極秘に処理し、なかったことにするよう指示を受ける主人公の防衛省の真名瀬。
査を進めていくと、そこには、元自衛隊幹部や大企業も加わっていることが判明。
日本で核爆弾は製造されていたのか?
一方、尖閣では海上自衛隊と中国軍の小競り合いが勃発
尖閣諸島に中国漁民が上陸し、このままいくと、実効支配されかねない状態へ。
火器レーダ照射もされ、一触即発の事態へ。
日米安保条約があるとはいうものの米国の出方は消極的。
日本は尖閣を守り通せるのか?
そんな中、真名瀬の親友の自衛官が中国との小競り合いの中命を落としてしまいます。

もし、日本が核を保有した場合には、世界中から総すかんをくらって、孤立することは目に見えています。
一方で、軍事力を憲法上持たない日本では、尖閣でのトラブルでは何も出来ません。
専守防衛だったとしても、最初の中国の攻撃で多くの犠牲者が発生することになります。
そんな中、どうすればいいのか?
考えさせられる問題です。

核兵器の製造については、とてもリアルに語られていて、本当に出来ちゃうんじゃないの?って思ってしまいます。
また尖閣でのトラブルでは、まさにそこにある危機、自衛官が命を張ってその場その場を対応している緊迫感が伝わってきます。

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2019年05月19日

Posted by ブクログ

まぁ、上巻は物語のとっかかりと言う事で。

それにしても、事実は小説よりも奇なり・・・と言うか、スピードが速く、こう言う事もあるけど、世の中的な関心毎は、米朝首脳会談に移っていますよね。どうなる事やら。

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2018年05月28日

Posted by ブクログ

高嶋哲夫『日本核武装(上)』幻冬舎文庫。

国内で発見された日本の核武装計画に関する書類を巡る謀略小説。現代の国際情勢をベースに描かれるサスペンスは今一つ盛り上がりに欠ける。思い切りが無いというか日本的なオブラートに包まれたような柔い展開が盛り上がりに欠ける理由か。

やはり高嶋哲夫の作品は災害シミュレーション小説の方が面白いようだ。

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2018年05月01日

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