垣谷美雨のレビュー一覧
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ネタバレ育った環境から努力して掴んだ社会的地位を失って、自尊心と自分の現状とのギャップに苦しんでいるであろう主人公が農業に希望を見出し、悪戦苦闘するお話。
主人公とアヤノさんには終盤まで共感出来ませんでしたが、富士江のばーさんのおかげで楽しく読めました。
地の文から、作者の思想とこれまで受けた理不尽やら屈辱が滲み出ています。著者の作品は「七十歳死亡法案、可決」しか読んだことはありませんが、男社会に振り回され、今も闘い続けている人なんだろうなと思いました。
最後まで良い男キャラは出てこないのは、女性に向けた物語だからなのか、別の理由なのか。
終わり方がハッピーな感じだから良し。 -
Posted by ブクログ
都会に住む主人公が、田舎に住む高齢の父親の自動車運転を心配して、最終的には田舎に引越して、田舎をまわる移動スーパーを始める話。
私も最近になって、自分の父親と母親の運転を心配し始めている。
私自身は退職をして田舎に戻る選択まではなかなか真似できないと思った。だけど、この本を読んで、父親や母親の気持ちも少しわかるようになったと思う。少しでも似た境遇にある方は、サラッと読めるし、読む価値はあると思う。
自動車免許は、現在の高齢者世代にとって(特に男性にとって)家族の中で唯一自分だけが運転できる(た)という「誇りである」というような表現が出てきて、ハッとした。ある意味父親の尊厳だったのだ。そうだったんですね?全然考えたこともなくて、一方的にただただ返納を勧めていた自分を反省。何も寄り添っていなかったな。一方的な主張はただただ反感を強めるだけだ。
あと、若い人は両親が都会に引っ越して来たらいいと簡単に考えがち。しかし、狭い都会のコンクリート生活が、田舎からきた人々にとってどれほど窮屈な思いをさせてしまうものなのか描かれていた。これも考えさせられるエピソードだった。
自分もすぐに高齢者になることを心に留めて、両親の気持ちに寄り添いながら、運転について一緒に考えていく姿勢が大切なのだ。
主人公が移動スーパーを始めて田舎の人たちと交流が深まっていくシーンはたまにほろほろと涙が出た。どんな人でも交流を求めているし、いろんなことを知りたい欲求があるのだ。
高齢者を移動スーパーの助手席に乗せて、仕事をする主人公。いろいろなものを見聞きできて喜ぶ高齢者。助手席に乗る予約をできるノートがある。予約がたくさん入っている。素敵だ。
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私ね、農家に嫁げば良かったなーって時々思うの。
両親の実家はどちらも農家でね。
蔵の中に大きな樽で味噌仕込んだり、漬物仕込んだりしてて。
大人になってから毎年自分で味噌を仕込んでいるんだけど、やっぱり一般家庭じゃあんな大量のお味噌を仕込んでも置いておく場所もないし。。
家庭菜園じゃ収穫できる量もたかがしれてるし。
前に母が父の実家の畑を貸してもらえないかなぁって冗談混じりで言ったことがあったんだって。
ダメだった。
親族でも大事な畑や田んぼは貸してくれないんだよ。
この本読んで農業始めることがいかに大変か分かった。
たぶん父の実家は伯父の代で米農家終わる。
従姉妹夫婦が同居してるけど、農業ほとんど手伝ってないもん。
それなら私が!って思ったりもしたけど、上記の通りできっと難しいだろうし、田舎ならではの難しさもあるんだと思う。
農業を志す人はきっと少なからずいるだろうに、難しい世界だなぁと思いながら読んだ。 -
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垣谷美雨さん初読みの『竜巻ガール』の概要と感想になります。
4編の短編集となる本作では様々な女性の愛や性をテーマにしており、表題作『竜巻ガール』の概要のみ載せます。
概要です。
真面目な父との二人暮らしにも慣れて田舎を出ようと考えていた矢先、父は綺麗な再婚相手とガングロの女子高生を連れてきた。今や希少種のガングロJKの素っぴん姿は母親似の美人で、義理の妹になったその子に僕は心惹かれてしまっていた。
感想です。
4編を読んだ中で表題作『竜巻ガール』が最も印象的でしたが、どの短編も独特な感性が滲み出ていて千早茜さんの『神様の暇つぶし』を思い出しました。表題作『竜巻ガール』の世界だけを1冊に閉じ込めていたら、ハマったかも知れませんね。 -
Posted by ブクログ
よかった・・?なんだかなぁ?と思ってしまった。
8年ほどの出版だけれども、現代でも十分に伝わる内容。自分もよく考える話題。
畑野さんの「若葉荘の暮らし」の1文をまんま思い出した。【わたしたちが考えもせずに「将来はお嫁さん」と信じていたように、今の二十代の子たちは「仕事と家庭を両立して、うまく暮らしていける」と信じている。】
三世代同居が普通にあった自分の子どものころ。ママさんたちは大変だったのだろう。子どもに期待する気持ちもわかるし、子どもに苦労させたくない気持ちもわかる。なのに伝わらない・・
でも、子どもたちはそれなりに成長しているものなんだな。
みんなが楽になればいいのに。 -
Posted by ブクログ
40歳目前で、部下との一夜の勢いで妊娠してしまった優子。
しかも、妊娠を打ち明けようにもDV気質の彼が怖くて言い出せない、言わずに一人で産み育てようと決心するところまではよかったが、会社の化石みたいなマタハラ上司に、噂好きな同僚たちの対応にすっかり怯んでしまう。
加えて、外国人や1人親への偏見が多い親戚や田舎の人たち。きっと東京にいても、未婚で1人で親になる決心をしたら、見えない壁と戦ったり、何かと大変なんだと思う。
そういう凝り固まった化石人たちの対応にハラハラしたり、怒りを覚えたりするシーンも多いが、最後に子どもの父親になると言ってくれた同級生の凡庸の人間の大きさには頭が下がるばかり。
一方で世間体を気にし、自己都合で、子どもたが生まれたら離婚するくらいのつもりで人の籍だけ借りようと勝手さには呆れるしかない。妊婦はなんでも子どものためと言えば言い訳できると思っている感じに不快感を覚えずにはいられない。
そして、あまりに好都合な終わりかたに拍子抜け。