垣谷美雨のレビュー一覧

  • 代理母、はじめました

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    義父に代理母をさせられたユキは幼馴染のミチオ、女医の芽衣子らと共に代理母ビジネスを始める。最初は「お金持ちになりたい」一心だったユキだが…そのうち女性を貧困から救う事に目覚めてゆく。最後は義父も死に母や兄弟達も一緒に代理母ビジネスを進めていく大団円に。近未来の設定だが制度や風潮の始まりは現在以前に起因するという、警鐘的な物語。

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    2024年12月21日
  • 農ガール、農ライフ

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    ネタバレ

    育った環境から努力して掴んだ社会的地位を失って、自尊心と自分の現状とのギャップに苦しんでいるであろう主人公が農業に希望を見出し、悪戦苦闘するお話。
    主人公とアヤノさんには終盤まで共感出来ませんでしたが、富士江のばーさんのおかげで楽しく読めました。

    地の文から、作者の思想とこれまで受けた理不尽やら屈辱が滲み出ています。著者の作品は「七十歳死亡法案、可決」しか読んだことはありませんが、男社会に振り回され、今も闘い続けている人なんだろうなと思いました。
    最後まで良い男キャラは出てこないのは、女性に向けた物語だからなのか、別の理由なのか。
    終わり方がハッピーな感じだから良し。

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    2024年12月02日
  • 農ガール、農ライフ

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    いつか農業に関わりたいと思ってたので手に取りました。

    私の考えは甘かったと感じましたし、就農の難しさについて知れて本当に勉強になりました。

    物語についてはそれまでどんでん返し!ハラハラ!があったわけじゃないけど、何気ない日常の中にある心温まる瞬間だったり、どうしようもなくムカムカすることだったり、
    そういった瞬間が散りばめられていて、最後もすごく上手くまとめられていたなと感じました。

    面白かったです!

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    2024年11月30日
  • ニュータウンは黄昏れて

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    バブル崩壊の直前に購入した、郊外の団地に住む織部頼子がローン返済に頭を悩ませる様子や、それを身近で見ている、娘の琴里が友人から紹介された資産家の彼氏と付き合い始めるが、癖の強すぎる彼との関係について、話が展開していく。

    団地の理事会や建替えを巡る状況は勉強になった。
    一方で、別れたい彼氏を友人に紹介し、押し付けておいて、その友人が結婚に愛を求めず、資産だけを目当てに結婚したら、今度はどこかで負けたと感じる心理には、勝手すぎてついていけないが、女性の友人関係だとそういう複雑な心情も生まれるのかもしれない。

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    2024年11月21日
  • うちの父が運転をやめません

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    都会に住む主人公が、田舎に住む高齢の父親の自動車運転を心配して、最終的には田舎に引越して、田舎をまわる移動スーパーを始める話。

    私も最近になって、自分の父親と母親の運転を心配し始めている。
    私自身は退職をして田舎に戻る選択まではなかなか真似できないと思った。だけど、この本を読んで、父親や母親の気持ちも少しわかるようになったと思う。少しでも似た境遇にある方は、サラッと読めるし、読む価値はあると思う。

    自動車免許は、現在の高齢者世代にとって(特に男性にとって)家族の中で唯一自分だけが運転できる(た)という「誇りである」というような表現が出てきて、ハッとした。ある意味父親の尊厳だったのだ。そうだったんですね?全然考えたこともなくて、一方的にただただ返納を勧めていた自分を反省。何も寄り添っていなかったな。一方的な主張はただただ反感を強めるだけだ。

    あと、若い人は両親が都会に引っ越して来たらいいと簡単に考えがち。しかし、狭い都会のコンクリート生活が、田舎からきた人々にとってどれほど窮屈な思いをさせてしまうものなのか描かれていた。これも考えさせられるエピソードだった。

    自分もすぐに高齢者になることを心に留めて、両親の気持ちに寄り添いながら、運転について一緒に考えていく姿勢が大切なのだ。

    主人公が移動スーパーを始めて田舎の人たちと交流が深まっていくシーンはたまにほろほろと涙が出た。どんな人でも交流を求めているし、いろんなことを知りたい欲求があるのだ。
    高齢者を移動スーパーの助手席に乗せて、仕事をする主人公。いろいろなものを見聞きできて喜ぶ高齢者。助手席に乗る予約をできるノートがある。予約がたくさん入っている。素敵だ。

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    2024年11月06日
  • 禁煙小説

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    一度もタバコを吸ったことがないので共感しきれないところはあるが、ベビースモーカーが『自分の』禁煙法を見つけていく過程から、喫煙者は学べるものがあると思った。

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    2024年10月25日
  • 四十歳、未婚出産

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    ネタバレ

    四十歳、未婚。産むか産まざるか悩む話かと思ったら、早い段階で産む覚悟はできてて、「未婚出産」っていう立場がいかに人権を得ていないかがテーマの話だった。
    ラストは結局入籍するんかい!という気持ちもあるけど、凡庸の台詞はぐっときた。

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    2024年08月28日
  • 農ガール、農ライフ

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    私ね、農家に嫁げば良かったなーって時々思うの。
    両親の実家はどちらも農家でね。
    蔵の中に大きな樽で味噌仕込んだり、漬物仕込んだりしてて。
    大人になってから毎年自分で味噌を仕込んでいるんだけど、やっぱり一般家庭じゃあんな大量のお味噌を仕込んでも置いておく場所もないし。。
    家庭菜園じゃ収穫できる量もたかがしれてるし。
    前に母が父の実家の畑を貸してもらえないかなぁって冗談混じりで言ったことがあったんだって。
    ダメだった。
    親族でも大事な畑や田んぼは貸してくれないんだよ。
    この本読んで農業始めることがいかに大変か分かった。
    たぶん父の実家は伯父の代で米農家終わる。
    従姉妹夫婦が同居してるけど、農業ほとんど手伝ってないもん。
    それなら私が!って思ったりもしたけど、上記の通りできっと難しいだろうし、田舎ならではの難しさもあるんだと思う。
    農業を志す人はきっと少なからずいるだろうに、難しい世界だなぁと思いながら読んだ。

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    2024年08月26日
  • 竜巻ガール

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    垣谷美雨さん初読みの『竜巻ガール』の概要と感想になります。

    4編の短編集となる本作では様々な女性の愛や性をテーマにしており、表題作『竜巻ガール』の概要のみ載せます。

    概要です。
    真面目な父との二人暮らしにも慣れて田舎を出ようと考えていた矢先、父は綺麗な再婚相手とガングロの女子高生を連れてきた。今や希少種のガングロJKの素っぴん姿は母親似の美人で、義理の妹になったその子に僕は心惹かれてしまっていた。

    感想です。
    4編を読んだ中で表題作『竜巻ガール』が最も印象的でしたが、どの短編も独特な感性が滲み出ていて千早茜さんの『神様の暇つぶし』を思い出しました。表題作『竜巻ガール』の世界だけを1冊に閉じ込めていたら、ハマったかも知れませんね。

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    2024年08月19日
  • 子育てはもう卒業します

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    それぞれの時代、年代、性別などいろんなことで生き方や考え方は変わる。
    私は主人公3人よりも20年くらい後の世代だが、人数が多いから何でも競争だった。私も就職は苦労したが、同じゼミの女性はもっと苦労していた。
    今の大学生世代はどんな悩みを抱えているんだろうか。

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    2024年08月10日
  • ニュータウンは黄昏れて

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    頼子のキャラがあまり好きではなかったが、バブル期に家を買うのは大変だ。しかも当時は、今がバブルと呼ばれる時期でやがて弾ける、なんて思いもしないから難しい。
    琴里をとりまく話もおもしろかった。
    女友だちって怖い。この3人はもう会わない方がいいね。

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    2024年08月03日
  • 子育てはもう卒業します

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    高度成長期の女にとっては世知辛い世の中を渡ってきた3人の女性の物語。

    途中は切なくなってくるが、最後には笑顔で終えられてメデタシ。

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    2024年08月02日
  • 四十歳、未婚出産

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    シングルマザーは大変だ。

    展開として落とすところまで落として最後は大逆転かと思いきや、現実的な路線でおさまった。

    助けてもらえるだけありがたいということか。

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    2024年07月30日
  • エール!(2)

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    ネタバレ

    初野晴さんの短編が目当てで購入。

    働く女性の疲れを吹き飛ばすお仕事小説集、とありますが、あまり背中を押す内容ではないような?

    小説のジャンルがバラバラで、普段読まない作家さんに出会えたのは僥倖でした。

    当の初野さんの作品では初野節が炸裂していて、このラインナップでは浮いているように感じました。

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    2024年07月22日
  • ニュータウンは黄昏れて

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    一気に読めます。
    住宅事情の勉強になりました。
    でも、着地点が中途半端な感じでした。
    うまくまとめてしまわないほうが非現実的な物語ではなく、より身近な現実的な話として受け止められるという作者の意図だったかもしれません。

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    2024年07月19日
  • 子育てはもう卒業します

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    よかった・・?なんだかなぁ?と思ってしまった。
    8年ほどの出版だけれども、現代でも十分に伝わる内容。自分もよく考える話題。

    畑野さんの「若葉荘の暮らし」の1文をまんま思い出した。【わたしたちが考えもせずに「将来はお嫁さん」と信じていたように、今の二十代の子たちは「仕事と家庭を両立して、うまく暮らしていける」と信じている。】

    三世代同居が普通にあった自分の子どものころ。ママさんたちは大変だったのだろう。子どもに期待する気持ちもわかるし、子どもに苦労させたくない気持ちもわかる。なのに伝わらない・・
    でも、子どもたちはそれなりに成長しているものなんだな。

    みんなが楽になればいいのに。

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    2024年07月13日
  • 四十歳、未婚出産

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    40歳目前で、部下との一夜の勢いで妊娠してしまった優子。
    しかも、妊娠を打ち明けようにもDV気質の彼が怖くて言い出せない、言わずに一人で産み育てようと決心するところまではよかったが、会社の化石みたいなマタハラ上司に、噂好きな同僚たちの対応にすっかり怯んでしまう。

    加えて、外国人や1人親への偏見が多い親戚や田舎の人たち。きっと東京にいても、未婚で1人で親になる決心をしたら、見えない壁と戦ったり、何かと大変なんだと思う。
    そういう凝り固まった化石人たちの対応にハラハラしたり、怒りを覚えたりするシーンも多いが、最後に子どもの父親になると言ってくれた同級生の凡庸の人間の大きさには頭が下がるばかり。

    一方で世間体を気にし、自己都合で、子どもたが生まれたら離婚するくらいのつもりで人の籍だけ借りようと勝手さには呆れるしかない。妊婦はなんでも子どものためと言えば言い訳できると思っている感じに不快感を覚えずにはいられない。
    そして、あまりに好都合な終わりかたに拍子抜け。

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    2024年07月03日
  • 代理母、はじめました

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    いつもの垣谷さんの作品は、現代の様々な社会問題をユーモアを交えて物語にしてくれますが、本書は課題を題材にすれどもあまりユーモアはなかった。
    けれど、自分が知らなかっただけで、このような事は現実に存在するだろうし、今後ますます増えて行くんだろうなと勉強させてもらった。
    最初は暗い話で読み進めるのが辛かったけど、だんだん好転していき、最後にはみんなが幸せになる。
    後半はページをめくる手が抑えられませんでした。

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    2024年06月09日
  • 子育てはもう卒業します

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    大学で出会った女友達3人組。
    3人の大学時代から55歳までの人生をそれぞれの視点を行き来しながら描いた作品。
    文章自体は読みやすいが、、、
    彼女らが大学生活を過ごした時代が自分たちのものと違いすぎて、、、結局みんなまともに就職できずに(そういう時代だったようだが)子どものことに首を突っ込んで、専業主婦だったり、パートだったり。それでも悩みはありますってか?なんだか共感できない物語だった。

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    2024年05月19日
  • 子育てはもう卒業します

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    女子3人の大学での出会いから就職、結婚、子育てを経て、「今が一番幸せ」と言い合えるようになるまでの物語。時代による価値観の描写もリアルで「そういえばこんな感じだったなあ」と 思う場面も多々あった。

    三者三様、隣の芝生は青く見える。心配、不満、苦労のない家なんてない。そんな中で、最終的に今あるよさに気づき子供から離れ、自らも自立し、落ち着くところに落ち着いた3人の最後の会話はとても清々しい。

    垣谷さんの他の多くの物語同様、爽やかな読後感。


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    2024年03月18日