鈴木英治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ米問屋岩田屋恵三の娘おさちが拐されて、用心棒をしていた湯瀬直之進が探索にでる(犯人は人攫いの墨兵衛)
岩田屋は老中首座堀江信濃守と共に犯してきた悪事を全て控えを残していたのだが、義賊「猿の儀介」に帳面が盗まれた
儀介とは、出羽笹高大名高山儀之介の仮の姿だが、堀江信濃守の宿敵の老中結城和泉守から命じられて帳面を盗んだのだ
高山儀之介は、堀江信濃守より一万二千両と過分な公儀普請の金を用立てさせられ潰されそうになり、猿の儀介として盗みをしていたのだが、なぜか湯瀬直之進達に受け入れられている(そもそも悪人の岩田屋の用心棒をする湯瀬)
全部のシリーズに共通するのだが、江戸のあらゆる事件を、秀士館師範代・ -
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Posted by ブクログ
今川義元が家督を継ぐまでの話がメイン。
その後、儚くも信長に討ち取られるまでは早い早い。
戦国武将たちにあまり関心はないが、それぞれの思惑があって、歴史小説は面白いと感じる。
今作では義元よりも、義元を支え、ある意味唆して家督を相続させた太原雪斎の人物像や、義元との関係性が印象に残った。
兄弟同士で争わなければならないことの葛藤が細かく描かれている。
帯にあったような海道一の弓取りという言葉はあまりピンと来なかったが、戦場での活躍ではなく、家督争いをテーマにしていること、また天下をとることが平和の実現につながっていること、同じ志でありながらも、争わなくてはならない戦国の世のあり様は辛い。
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