新堂冬樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルから白・新堂が書いた恋愛小説かと思ってたら・・・!!!これは黒・新堂のほうの小説ですね。ここまでとことん人間を貶めた小説はなかなかないかも。四つの短編集で、三つ目以外とりあえず出てくる人間が醜いこと醜いこと。とにかく登場人物のみんな吐きたいほどに誰か一途に愛してる。執着してる。そもそも愛とは余裕がなくなって嫉妬や独占欲で人を醜くさせるものですし。あと、出てくる人間も醜いけれど、出てくる料理も醜い!ウジとか、足がもがれたゴキブリだとか、一ヶ月前の刺身だとか、キャットフードとか。さすがにウジやゴキブリはキツイ。もう血と吐瀉物の臭いがどこからともなく漂ってきそうなくらいエグい。でも面白すぎて全部あっという間に読んでしまった。
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Posted by ブクログ
小笠原の青い海でイルカと泳ぐ青年がいた。
イルカの名前はテティス。
青年の名前は拓海。
拓海は、三歳で両親を失くし祖父の下で育てられた。
幼い頃に母親のイルカを失くしたテティスに出会い、今ではお互いに何を考えてるか解るようになっていた。
いつものようにテティスと海に居た拓海は、その時美しい歌声を聞く。
小鳥が囀りわ、草木が息吹を躊躇い聴き惚れる神秘的な声・・・。
夢のような歌声だったが現実の声だとわかって、海面に出て十メートルほど先の砂浜から聞こえるのが解った。
拓海以外には、人に寄り付かないテティスがと一緒に砂浜に向かうと女性が歌ってるのに気づく。
そこで、拓海は運命的な出会いをする・・・。
東京から音大生の友達に誘われて来た流香は、心が閉ざされていたが拓海との出会いが彼女の心に変化を起こす。
小笠原での数日で拓海の事を考えるようになった。
東京に戻って二ヵ月後、拓海は「君の笑顔をみたいから」ただそれだけの理由で帰郷し流香の元に・・・。
純粋で優しい心を持つ拓海と心の闇を持つ流香の愛は?
互いに思うあまりに、哀しい運命に翻弄される。
やさしい涙とまばゆい愛が心の海に広がる純愛小説です。
これは、面白かったです。
今日本にここまで純粋な人っているのですかね?と思うくらいの拓海は、魅力的に書かれてます。
この愛の形は、女性の理想なような気がします。 -
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自己の愉しみをそのままビジネスとする復讐代行屋「幸福企画」の経営者、鷹場英一はカネのためならどんな事でも行う。社員は英一を含め八木、中丸、沙耶の4名。幸福企画へやってくる客はみんな「金を払っても復讐したい人間がいる奴ら」ばかりがやってくる。
人の不幸とカネが何より大好きな英一にとって趣味と実益を兼ねたビジネスであったが、赤富銀行の田代から依頼されたハニーピーチのデート嬢の藤木安菜への復讐代行を請け負ったことにより事態がかなり転換する。田代を裏で操っていたのは英一の実の父の源治であった。
英一は源治を幼少の頃から忌み嫌っていた。幼い英一に数限りない暴力を振るい、しかも英一が愛する実の姉の澪にまで手を出す始末であった。
英一は現在は行方不明となった姉の澪を一人の女性として愛し続けていた。その澪の消息を源治は知っていると聞き英一は源治から持ちかけられた怪しい儲け話に乗ることになった。しかし、実はこの儲け話を始めに持ちかけたのは澪であったのだ。澪は現在暴力団組長の宝田の情婦となっていた。澪は偶然知った医大教授の坂峰が大京大学医学部へ裏口入学の斡旋をしていたということを握り、それを逆手に儲けようと企んだ。そして自分が自由の身を手に入れるためにでもあった。
物語は坂峰から脅し取るためのカネを中心に回り始める。
源治、澪、英一の三者は表面上は坂峰のカネを奪い取るとために協力しているように見えるが、彼ら三人は家族とは思えないほど、互いを信用していない。唯一英一だけが澪を信頼していた。いや、信頼しようとしていた。そして場面場面でことごとく裏切られるのだ。
澪の自己愛は徹底している。また、元を正せば全ての現況は澪であり、英一も源治も澪の手の中で結果的に踊らされていた感もある。
宝田の子分で澪に密かに思いを寄せているある本郷に至っては、本来組長の女に横恋慕することはこの世界ではあってはならないことと知り、澪に騙され組長を裏切ってしまう。自分がこの世の中で最も美しいと信じて疑わない澪は全てを思いのままにしなければ気がすまない。
源治に至っては幼い澪と英一に鬼畜ともいえる行為をし続けてきた。そして9年ぶりにあった実の子供に向かっても親と思えぬ行動を繰り返す。この親にしてこの子達ありである。
ストーリーよりもこの変態的とも言える描写や目を覆いたくなるような過激な行為が脳裏に焼きつく小説である。逆に言えばこれらの「気持ち悪さ・気色悪さ」が強調されすぎたことは小説としては失敗なのではないかと感じてしまう。しかし、これはおそらくストーリーを読ませるような小説ではないのだろう。登場人物の狂気の行動を共有するための文字列(呪文)なのだと感じた。しかし、この呪文の効力は恐ろしいほど効果があり、それが新堂冬樹の小説を読ませる原動力になっているのではないかと思う。
クライマックスは外面上だけではなく人間の内面性のグロテスクがあふれ出て、すごくエキサイトできた。ぜひ続編も読んでみたいと思った。
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キャバクラという裏の世界でなりあがる若者 立花篤。 才能を買ってくれた風俗王と異名をとる藤堂社長と袂を分かち、自前のキャバクラを持つことになる主人公。 植物人間状態になった実直の父親にならい自らも正しい道に進むつもりが、その気持ちとは裏腹に黒い世界に染まって行く。 そこに藤堂社長が送り込む刺客。
キャストの引き抜き工作、対抗キャバクラの新装など、藤堂社長VS立花のバトルは息つく間もなく展開してゆく。 そして泥沼の戦いは主人公の純粋な愛情をも非常なものに変えてゆく。 黒い太陽に向かうしかない主人公を迎える結末とは・・・
キャバクラという裏の社会を舞台として、飽きさせないストーリー展開で詳細に描写しているさまは素晴らしいとしか言いようがない。 一気に読んだ本はひさしぶり。、 -
Posted by ブクログ
「君の笑顔が見たいから」本当にその気持ちだけで生まれ育った小笠原から東京に出てこれるくらいピュアでまっすぐな拓海。一方自分の夢に向かいたい、拓海の気持ちにこたえたいう気持ちがありながらも過去の傷にとらわれて素直になれない流香。ある愛の詩はこの2人のラブストーリーです。
あまりの純粋さに、こんな人本当にいるの??なんて始めは思っていました。でも読み進めていくと、好きな人に素直に好きって言いたい、好きな人のためになにかしたい、好きな人の笑顔が見たい。。。こんな気持ちってきっと誰もが持っていて、でも流香のように過去の傷、世間体、プライド・・・いろんなものが邪魔をしてその気持ちを素直に表すのが難しくなっているだけなのかも、と思い、そして拓海は私達のまっさらな気持ちを代弁してくれているような気さえするようになりました。
本を閉じた後心から2人の幸せを願い、2人にありがとうと言いたくなるようなとても素敵な愛の詩でした。