新堂冬樹のレビュー一覧
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新堂冬樹『ろくでなしとひとでなし』幻冬舎文庫。
文庫書き下ろし。因果応報。欲に目の眩んだ主人公の佐伯華が嘘に嘘を重ねて手に入れた夢の生活も泡沫の如く消え、何処までも堕ちていく。登場人物の殆どが異常。まともなのは華の友人のゆきのみ。余りにも平凡な作品。
新型コロナウイルス感染禍で業績が悪化する出版社に勤める編集者の佐伯華に突如もたらされた左遷人事。これまで積み重ねて来た仕事の実績が認められず、赤字続きの実家の食堂を支えて来た苦労も報われぬ華は親友のゆきに紹介されたマッチングアプリで年商数百億円の財閥の御曹司を狙うが……
本体価格710円
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購入済み
親のせいで極道の愛人にならざるをえなかったヒロインの人生リセットストーリーです。ヒロインがメンバーに選んだのが暴力的な父親、成長して復讐稼業を営む弟とこれから面白くなりそうです。
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新堂冬樹『少年は死になさい…美しく』中公文庫。
確かにどこから見ても真っ黒な黒新堂全開の嫌悪感が止まらない新堂冬樹史上最悪の小説。冒頭からエグい描写が連続し、最後までこのままの調子でストーリーが続くのだが、結末が平凡過ぎのように思う。とにもかくにも恐ろしくも、徹底的に醜悪な作品。
ある日、出版社に勤める潔癖症で完全主義の中島恭介の元に何者かからDVD-Rが届けられる。そこに撮された映像は恭介の妊娠中の妻と2歳の娘が少年たちに凌辱され、惨殺されるおぞましい姿だった。しかし、何故か恭介は少年たちに復讐の念は抱かず、妻子の殺害方法が美しくないことに憤る。
恭介は中学生だった23年前に少年と少女 -
無料版購入済み
う~ん。なんというか、こういうことは誰にでも起こりうる怖い話だと思った。なんか目的と手段が入れ替わってしまっている宗教というのは怖いな。世の中はこんな宗教ばかりではないと思いたい
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◆全体の印象
日に日に記憶が無くなってしまう病気と戦う主人公が、好きな人のことを思い出す瞬間が何度もあり、その度に切ない気持ちになりました。
二人の過去に何があったのか、知れば知るほど感動します。
『ラスト12ページにあなたは号泣せずにいられるだろうか。』という帯タイトルに共感です。
最後の最後で泣かされますね。
◆印象に残った場面トップ3
①「人が人を好きになるっていうのは、死にたい、って思う時と似ているんじゃないかな。」
まず、死と恋愛を関連付けて表現している部分が印象的でした。
死ぬときは、何もかもが嫌になるみたいです。恋愛はその逆で、何もかも好きになる。マイナスな部分でも。素敵な -
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ネタバレピカレスク小説という分類に属する小説がある。有名なところでは、黒川博行などの作家がいると思っているが、本作も、そして本作を書いた新藤冬樹という作家もまたこの系列に連なるであろう。個人的な意見としては、ピカレスク小説はハードボイルド小説の形式をとるものが多いと思っていた。本作『溝鼠』もまた、そうした形式で書かれている小説だと思い手に取った。
本作に登場する人物は、悉く悪人である。「本当はいい奴だった」なんてこともない。とにかく極悪の限りを尽くす者ばかりで構成された物語と言っていい。当然暴力シーンは多いし、いや、ほとんどの場面が暴力シーン中心に進むというのが正しいだろう。そして、悪人であると同時 -
ネタバレ 購入済み
やられちゃってます
若い逞しい男の子ッ って感じでやられてますね。
これがリアルのことだと本当に気持ちが悪い。と、想像してしまう。
これからタイトル通りの 一線越えの代償 が開始されていくのだなあ。
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新堂冬樹『カリスマvs.溝鼠 悪の頂上対決』徳間文庫。
あのカリスマと溝鼠の2人の超悪が対決するという、登場人物全員が表も裏も真っ黒な黒新堂作品。
2代目カリスマと溝鼠という無理矢理過ぎる設定に、オープニングの勢いはどこへ行ったのかストーリーは尻すぼみに詰まらなくなって行く。
カルト宗教団体の神の郷に母親を奪われ、悲観した父親も自殺を遂げ、天涯孤独となった美少女の半那は溝鼠の異名を持つ復讐代行屋に拾われ、2代目溝鼠として復讐代行を務める。半那の最終目的はカルト宗教団体に両親の復讐を果たすことだった。
一方、カルト宗教団体・神の郷の唯一の残党で、新興宗教団体・明光教を立ち上げ、2代目カリ