【感想・ネタバレ】銀行籠城のレビュー

あらすじ

うだるような猛暑の七月十五日午後三時、あさがお銀行中野支店で惨劇は起こった。閉店寸前の行内に押し入った男が、男性客と案内係を次々に射殺。人質にとった行員と客を全裸にし、籠城した。何ら具体的な要求をせず、阿鼻叫喚の行内で残虐な行為を繰り返す男。その真の目的とは何なのか? 現代社会の歪みを描ききったクライムノベルの最高傑作!

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Posted by ブクログ

五十嵐順一(羽生田敏文)28歳がハイパワーの拳銃と弾丸150発を持って白昼銀行に籠城する物語。新堂冬樹 著「銀行籠城」、2007.10発行。死を覚悟した人間によって引き起こされる行員と客たちへの恐怖、警察の呼びかけにも一切応じない・・・。強盗犯でもなく、政治犯でもなく・・・。五十嵐の銀行籠城の真の目的は何か!ハイテンポのストーリー展開です。この物語の伏線(発端)にあるのは「警察は被害者の事ばかり、加害者の家族の人権はどうなるのか」にあるのかもしれません。五十嵐と対峙する鷲尾警視の存在に救われます!

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2017年05月25日

購入済み

わかるなあ

最後の言葉「きてくれて ありがとう」この言葉がこの小説の決め手でした。

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2013年02月04日

Posted by ブクログ

「銀行籠城」というタイトルと、全裸の男女のカバーから、ずっと以前に起きた
銀行籠城事件を思い出した。その事件のノンフィクションものかと思ったが、
そうではなく、あの猟奇殺人銀行籠城事件の梅川事件を参考にしたフィクション物だった。
 あらためて、梅川事件をネットで検索すると、凄く詳しい内容が載っていた
 作品中でも梅川事件のことを引き合いに出している。
 新堂冬樹の小説を読むのは、これが初めてだが、暗黒面の人間描写が凄まじかった。
 これが、「黒新堂」と言われるゆえんかと思った。最後に「白新堂」が現れてほっとした。
 

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2023年07月12日

Posted by ブクログ

読み始めからスピード感があり、どんどん物語が進んでいく。

犯行前の序盤で見せた犯人の優しさからは想像できないような残虐な犯行に『一体何故?』と思うも、次第に犯人の動機が明らかにされていく。

他の読者の方の感想を読むと、動機が弱いとの感想が多かったが、確かに犯行の残虐さの割に動機が弱いと感じるところもある。

いやでも、お話としてはとても面白く、ほぼノンストップで読み切ることが出来た。

ぐいぐい話に引き込まれる話というのは、やっぱり面白い小説なのだろうと思う。

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2015年09月23日

Posted by ブクログ

最初にやってくる絶望感、ふと思い出すのはケッチャム?でもさすがにそこまでの酷い展開にはならずに、ほっとする。基本的には半日か一日くらいの話なので、スピード感が半端なく、少々ありきたりなところもあるけど、でも勢いがあって好き。

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2014年08月17日

Posted by ブクログ

しょっぱなから中盤の籠城シーンまではいかにもグログロしてるが、ラストで急に爽やかなそよ風が一瞬。これを良かった~ととるかしょぼ!ととるかで評価が分かれるか?ちなみに私は小市民なので前者。犯行自体はまるで許せんが、そういうヤツがいることも事実。

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2010年09月18日

Posted by ブクログ

人質を裸にするというところでエロスを感じたが、そこは大して関係なかった。しかし新堂冬樹のこうした小説は黒新堂と言われているらしいが、何か作者自身の欲望のはけ口のように感じてしまう。

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2022年03月17日

Posted by ブクログ

ー善良な市民以上の悪党はいないー

黒新堂を堪能しようと思ってたらまさかの白新堂!?


この終わり方は想像してませんでした。


加害者の家族は虐げられなければいけないのか。


罪を犯して本人ではないのに罰を受けなければいけないのか。

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2021年01月24日

Posted by ブクログ

本作品は、1979年三菱銀行北畠支店に、客と行員30人以上を人質にした銀行強盗、猟奇殺人事件を参考にして書かれた小説である。

猟銃を手にした男は、その目的をあかさないことで、恐怖を更にあおる。彼の生い立ちが、少しづつ判明するにつれて、事件の動機へとせまるのだが・・・結局、彼は自身の目標を達することはできたのだろうか、読み手にその判断をゆだねたい。

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2017年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 お金目的でもなく政治目的でもなく人質を取り銀行に立てこもる。
 逃走する意思もないから、人質も容赦なく殺される。

 結末が気になって一気に読み進めた。
 でもラストが微妙。
 動機も今一つ薄かった。
 お母さんだけでなく、大切な人ができて幸せになると思った矢先にまた不幸になったくらいは欲しかった
 結局、あれでは彼が陥った境遇のままの「やっぱりこんな奴だからこんな事件をおこせたんだろう」というレッテルを貼られるだろう。
 誰に復讐できたわけでなく、誰に理解されることもなく、不幸をまき散らしただけだ。
 それが目的だ、ということなのかな。

 ラストもあっけなく終わってしまったような気がする。
 刑事の後日談とかあればよかったと思う。

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2016年10月23日

Posted by ブクログ

冷酷な犯人が銀行に立てこもって、人質を次々に殺していくお話。
犯人のバックグラウンドには衝撃の事実が……というような。

ただまぁ、そもそも論になっちゃうんだけど、こういうお話を読むといつも理不尽に思う。だって、どんな経歴で、どんな事情があろうと、人を殺しちゃ駄目だろう。どんなに気の毒でも、頭を打ち抜かれた銀行員には何の関係もない。

金銭の要求や政治的な主張以外を目的にした銀行籠城で、その犯人が冷酷無比に淡々と人を殺していくというのなら、フィクションとして「あり」な展開だった。その場にいる気の毒な人質を犠牲にしてでもテロには屈しないと宣言できるほど、日本警察のメンタリティは冷徹になりきれない。そこを突くなら面白い展開になったろう。
ただ、犯人の動機が明らかになった途端、ちょっとがっかり。それならいっそ、ノワールを突き詰めてほしかった。

これだとただ単に、「復讐の連鎖のもう一つの輪っか」みたいな。
個人的には、銀行内で恋人を射殺された女性が叫ぶ、「犯人を撃ち殺して!」という言葉のほうに同調するし、作中で語られる過去の事件のひとつ、家族を目の前で皆殺しにされてたった一人生き残った少女のほうが、復讐の権利があると思う。

結論としては、作品としては面白かったけど、最後の最後で納得いかない。

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2012年09月11日

Posted by ブクログ

途中から展開と結末は読めたが、一気に読むことのできるスピード感がよかった。ただ、ここまでの犯行に踏み切る動機が弱く感じた。もう少し描き込まれてもよかったかも。警察内部のメンツだけにこだわる身内争いは、もう定番といってもいい。どこの組織でもありそうな話で、僕のような凡人には理解できない。政治家や官僚も、こんな感じなのだろうなぁ。

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2012年04月05日

Posted by ブクログ

表4の解説に惹かれて。
●面白かった点
前半は文句抜きに面白い。警察の常に先を行く主人公(殺人鬼)・・・これから物語がどうなっていくのがわくわくしっぱなしだった。
●気になった点
後半は尻切れトンボ。がっかり。

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2011年11月27日

Posted by ブクログ

最後が残念。犯人の目的が気になっていたが、人情的な話に終わった。作者のことだから何か想像の斜め上を期待していたが・・・。
期待が大きかっただけに★3つ。
理不尽な暴力描写は相変わらずなのでそちらが好きな人はどうぞ。

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2010年11月29日

Posted by ブクログ

犯人がまぁひどいことする。
けど、途中で出てくる犯人の論理には否定しきれないとこもありますね。
ラストはありきたりっちゃありきたりだったけど、ほっとはした。一応彼も人の子なんだなぁと。

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2009年10月30日

Posted by ブクログ

五十嵐は拳銃片手に銀行に籠城。
ですが、金目当ての銀行強盗ではありません。
のっけから、「いまから、俺が支配者だ。覚えておけ。この瞬間から、お前らの自由と人権は俺が預かった。お前らは、俺の所有物だ(14?)」ですからね。
人質にとられた人びとは、なんと全裸になるように命令されます。
逆らう人間を、情け容赦なく射殺をする五十嵐。
人質たちは、屈辱を味わいながらも、恐怖のため五十嵐に服従せざるをえません。
読んでいるこちらが「何もそこまで…」と思うくらい、一切の妥協をしない冷酷非道ぶりなんですよ。
当然、警察が出動。銀行を包囲し、拡声器で五十嵐に呼びかけます。
マスコミも数多く駆けつけます。
五十嵐は自分の携帯電話から警察に110番をかけ、拡声器で呼びかけている鷲尾に「俺が十秒数える間に、あんたは拳銃で自分の頭を撃ち抜くんだ。それができたら、こいつの命は助けてやろう。(60?)」という提案をします。
マスコミの前で逡巡する鷲尾。
ですが、大胆不敵な五十嵐の態度に、正義感の強い鷲尾は自分の拳銃に手をかけようとしますが、周りの警官に止められてしまいます。
マスコミをうまく操る五十嵐。警察も何とかして五十嵐を捕まえようとします。
警察の上層部は、お互いに派閥争いなんぞをしており、現場ではそうした警察上層部のメンツ争いなどもからみつつ、話はすすみます。
また、鷲尾も暗い過去があります。
金目当てではない五十嵐の目的は?
鷲尾は五十嵐を逮捕できるのか?

五十嵐の銀行籠城の目的という謎をはらみながら、話は展開していきます。
伏線も張ってありますし、鷲尾の心の動きもうまく描かれています。
また、五十嵐の残虐非道ぶりが良いですね。
籠城を続ける五十嵐を説得するために、警察は懸命に説得交渉をします。
五十嵐は若い頃に両親がいなくなったので、養護施設で育ちました。
警察は、五十嵐が養護施設で世話になった人物を捜し出します。
その人物に、五十嵐を説得させようとするのです。いわば泣き落としですね。
そのやりとりが面白すぎます。

「ふ……房江おばちゃんよ。順君、おばちゃんが作る砂糖たっぷりの玉子焼きが大好きだったよね?覚えてる?」
杉本房江は顔を強張らせながらも、懸命に純粋なる五十嵐の記憶を呼び起こそうとしていた。
五十嵐の沈黙。現地指揮本部の空気が張り詰める。ヘッドホンを握る掌が汗でぬらつく。
『ああ、覚えてるよ。あんたが小学生の俺の上で、獣みたいな声を上げて腰を振っていたことをな』
言って、五十嵐が大声で笑った。
「な……」
絶句する房江の顔からさっと血の気が引いた。
まっ赤な顔をしてテーブルを叩く初波。呆れ顔で首を横に振る里中。
想像以上だった。まさか、ここまで五十嵐の心が荒廃しているとは思わなかった。
過去に多くの籠城犯を眼にしてきたが、肉親同様の相手にここまでの暴言を吐いた者を鷲尾は知らない。
母親や育ての親の説得を受けた籠城犯達が、必ず投降するというわけではない。
ただ、説得を受けた瞬間に取り乱したり、泣き崩れたりと、なんらかの精神的動揺がみられるものだ。(193?)

五十嵐の体には赤い血が流れているのか?ひょっとして緑色の血だったりしないのか?と感じさせてくれます。
どんだけ人非人やねん。
さらに、五十嵐は「いつまで、こんな淫乱ババアのくだらない戯言につき合わせる気だ?(194?)」なんて暴言を続けます。
当然、我らの熱血正義漢の刑事、鷲尾は「五十嵐っ、きさま、親のいないお前を我が子のように育ててくれた杉本さんに、その言い草はないだろう!(194?)」

いつもの新堂節の迫力が物足りない・・・
最後のオチもいまいち腑に落ちなかった。
個人的に気に入らなかったの五十嵐の腰巾着の男もグロく死んで欲しかった。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

 犯人の境遇があまりにも辛くてかなしくなった。ただどんな理由があるにしても、こんなことはしてはいけないし人の命は軽くないと思った。
 実際に起こったらと思うとすごく怖くなるそんなお話です。
 

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2009年10月07日

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