あらすじ
うだるような猛暑の七月十五日午後三時、あさがお銀行中野支店で惨劇は起こった。閉店寸前の行内に押し入った男が、男性客と案内係を次々に射殺。人質にとった行員と客を全裸にし、籠城した。何ら具体的な要求をせず、阿鼻叫喚の行内で残虐な行為を繰り返す男。その真の目的とは何なのか? 現代社会の歪みを描ききったクライムノベルの最高傑作!
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Posted by ブクログ
お金目的でもなく政治目的でもなく人質を取り銀行に立てこもる。
逃走する意思もないから、人質も容赦なく殺される。
結末が気になって一気に読み進めた。
でもラストが微妙。
動機も今一つ薄かった。
お母さんだけでなく、大切な人ができて幸せになると思った矢先にまた不幸になったくらいは欲しかった。
結局、あれでは彼が陥った境遇のままの「やっぱりこんな奴だからこんな事件をおこせたんだろう」というレッテルを貼られるだろう。
誰に復讐できたわけでなく、誰に理解されることもなく、不幸をまき散らしただけだ。
それが目的だ、ということなのかな。
ラストもあっけなく終わってしまったような気がする。
刑事の後日談とかあればよかったと思う。