新堂冬樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
五十嵐は拳銃片手に銀行に籠城。
ですが、金目当ての銀行強盗ではありません。
のっけから、「いまから、俺が支配者だ。覚えておけ。この瞬間から、お前らの自由と人権は俺が預かった。お前らは、俺の所有物だ(14?)」ですからね。
人質にとられた人びとは、なんと全裸になるように命令されます。
逆らう人間を、情け容赦なく射殺をする五十嵐。
人質たちは、屈辱を味わいながらも、恐怖のため五十嵐に服従せざるをえません。
読んでいるこちらが「何もそこまで…」と思うくらい、一切の妥協をしない冷酷非道ぶりなんですよ。
当然、警察が出動。銀行を包囲し、拡声器で五十嵐に呼びかけます。
マスコミも数多く駆けつけます。
五十 -
Posted by ブクログ
2008/12/28
私と母が好きな作家さん。
これは母が薦めて来たので読みました。
新堂冬樹にはじめて触れたのが純愛小説だったため、「黒新堂」と呼ばれるほうの書物を読むのは初めてでした。
「白新堂」のほうの印象が強かった為、読むのがきつくなるかなーと思いきや、
結構楽しめました。
この本が新堂冬樹氏のデビュー作らしく、なんだかそういわれるとそんな感じもしなくもないなーと思いました。
どこかまだ不完全なところや、不明瞭なところがところどころあり「ん?」と思わせますが、ストーリーはとても面白みがあり、展開のテンポもちょうどいい感じがして、
割と楽しめた1冊でした。
しかし、やはり「あれ -
Posted by ブクログ
夕方のニュースで流れる中学受験。鉢巻をした子供たちが拳を握ってスローガンを叫ぶ。最近ではもう珍しくない光景。
「ここまでくれば宗教」なんて言えているうちはいいのかもしれない。少なくともその熱病じみた騒動の渦中の子供には、まだ自分の意志というものがあるのだから。
小学校受験なんて、親の見栄の張り合いみたいなものだ。ここまでくれば執念と言ってもいい。このお話の場合はあまりに凄すぎて、逆に物語性が強くなってしまったかもと思わせるくらい。
作者が男性の割には、女同志集まってるグループの陰湿且つ厭らしいねちっこさがよく書かれていると思う。ここまで露骨でないにしても、多かれ少なかれ、集団になった女 -
Posted by ブクログ
『「ある愛の詩」は、純愛小説です』。これが一番要約された紹介文です。小笠原で育った、イルカのテティスと話せる青年・拓海と、声楽のプロを目指す女性・流香の物語です。
拓海は幼少のころ両親を亡くし(記憶はない)、イルカのテティスは母を亡くし、流香は母が声楽のプロになるためイタリア・ミラノに行き別れ(小学校程度のころ?)ています。つまり、メイン登場人物はツライ過去をもっています。
「新堂冬樹さんの文体が自分にあっているのと、よかったけれど、あと一押しの感じがする」というところから、よかったけれど、名著レベルではない★4つです。
2008.02.20. ランク改訂