あらすじ
凍えるような二月のある夜、僕のアパートのドアの前に座り込む女性がいた。黒く長い髪。透けるような白い肌。壊れそうな細い腕。彼女の名は「まゆか」――。可憐な美少女が味わう生き地獄、迷惑な妄想逆ギレ男の勘違い愛、夫の帰りを正座して待ち続ける壊れた妻、非道の限りを尽くして虐待される寝たきり老人……。ここにあるのは、異常と狂気。でもこれも「愛」! 自己の中心で叫んだ、残酷なまでに強烈すぎる四つの過激な「愛」。
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うーん……?
内容はとても面白かったです。気分を害する等読者さんからの警告が多かったので、「そんなに……!」とワクワクしていたのですが、うーん、ちょっと腑抜け……?レベルとしては、
グロ度:★★★★★
絶望度:★★☆☆☆
胸糞度:★★☆☆☆
シリアス度:★★★☆☆
頭おかしい度:★★★★★
ですかね?頭おかしいあたりは好きですが、絶望度と胸糞度が惜しい感じがします。インパクトに欠けるというか……。肉蛆チャーハンを無理やり食べさせるイベントとか欲しいですかね。
グロテスクを求める人には丁度いいかも知れません。繊細なシリアスや胸糞を求める方には惜しいかもしれないですね。
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黒新堂、炸裂してますね。
4つの短編集だけど、それぞれの登場人物が濃すぎる。まともな人間があまりいない小説ってのもめずらしい。さすが新堂先生。
皆狂ってるけど、普通の人も一歩間違えれば半蔵や栄吉みたいになっちゃう可能性もあるのかもしれない。ニュースで流れる事件の犯人も、この小説の登場人物みたいな人達なのかもしれない。
ただの「作り話」じゃない、「現実」にもなり得そうな小説。そう考えるとさらに怖いと思える作品だった。
個人的には「お鈴が来る」が1番怖い。
普通の人達が普通じゃなくなる様って恐怖。不倫相手の女は怖すぎる…奥さんの「でしょ!でしょ!でしょ!」も怖い!!
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これも大好きな本となった。
短編集。
それぞれに吐きたいほど愛していて
愛とはやっぱり狂気をはらんでいるというもの。
全ての話、狂っていて好き。全部イイ!
Posted by ブクログ
描写が良い。混沌とした愛情=狂気がエッジを効かせて描かれている。読んでいて場景が脳裏にありありと浮かび戦慄しました。
三話目は悲しくて切なくて少し泣ける。一番グロ描写が少ない話では無いでしょうか。
ちなみに友人らに貸したら不眠・食欲減退になった等ブーイングが殺到しました。
グロい描写が駄目な方にはお勧め出来ません。
Posted by ブクログ
マジで吐きます。
やられたのは「半蔵の黒子」泣きたくなるのは「まゆかの恋慕」女怖い、吐きそう!と思うのは「お鈴が来る」精神的にダメージを喰らうのは最後です。「英吉の部屋」
吐きたいほど愛されたくはないよ。
Posted by ブクログ
タイトル通りな 吐きたいくらいなオムニバス。でも一気に読めました。1週間経ってまた読みたいくらい現実逃避出来る作品です。グロ系好きな方には超オススメ^^;
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オムニバスになっているんだけど、どの作品もとにかくグロい!しかもあまりにも詳細な状況描写でこっちまで吐きたくなるほど。(しかもお昼ご飯食べながら読んじゃったからなあ)でもかなり面白いです。
Posted by ブクログ
・半蔵の黒子 ★★★★
超キモいおっさんの話。キモさと妄想力半端ない。こんな人実際におったら関わりたくない!
・お鈴が来る ★★★★
ゴキブリが印象的すぎて、そのイメージしかない。
ってか旦那、判断するの遅すぎやろ
・まゆかの恋幕 ★★
この話の前の話がインパクトあり過ぎて、普通!って感じ。
恋愛モノは嫌いなので★2つ。
・秀吉の部屋 ★★★
糞野郎の話。しかも糞野郎という自覚がないので胸糞だ〜
Posted by ブクログ
新堂冬樹さんの、「忘れ雪」を読んだ後にこの本を読み、とても驚きました。
同じ作者さんが書いたとは思えないほど作風が違い、一人の作者さんが書いた本で、全く違う楽しさ、驚き、感想を抱きました。
この本を読んで面白いと思った方は、ぜひ新堂冬樹さんの他の本も読んでみてほしいです。
この本に出てくるさまざまな種類の人々、全員が主役だと思いました。
短編集として、これほど楽しめた本は無かったです。
ぜひ読んでみてください。
Posted by ブクログ
著者のグロ以外の作品は読んでないのでまゆかの恋慕で白冬樹作品も読みたくなった
英吉の部屋は良かった
半蔵とお鈴の話しは、他の黒新堂でグロイシーンばかり読んでしまったのでイマイチ
Posted by ブクログ
愛の形をした狂気を描いた、全四編。
■半蔵の黒子
これが一番最初に来るインパクトはすごい。ビジュアルや臭いから、生理的に吐きそうになる。ありとあらゆる醜さが徹底的に描かれ、目をそらしたくてたまらないけれど、どうしても最後まで読んでしまう。
自分も半蔵かもしれない、という恐怖がこみあげるのは、私だけだろうか。
■お鈴が来る
これも生理的に吐きそうになるけれど、ストーリーの進み方は読めてしまうかもしれない。みんな一番まともな狂い方だと思う。登場人物みんなが陰湿で、いやな感じ。何より主人公が一番いやな感じ。
■まゆかの恋慕
綺麗な話。スプラッタ系。
■英吉の部屋
因果応報系だけれど、決して気分は良くない。l誰が一番醜いんだろうと考えてみて、意味のない問いだと思い直す。
全編を通して、ひたすら気分は良くない。自分も実は登場人物たちとあまり変わらず醜いのだろうと、わが身を振り返ってまた嫌な気持ちになる。
そんなことを思いながら、読み進めてしまう。
狂気だけれど、同時に、やっぱりこれは愛なのだ。
Posted by ブクログ
想像しようとしなくても勝手に情景が浮かぶ不快感を初めて味わった。
でもその感覚を覚えた経験としては不快ではない。
新堂さんの本はこういう方面が好き。
Posted by ブクログ
「半蔵の黒子」
迷惑な妄想逆ギレ男、半蔵のストーカー話。半蔵の妄想ぶり、自信過剰ぶりが生理的にくる。まさかの「肉ウジチャーハン」。
「お鈴が来る」
ほんの浮気心が原因で狂った妻。奇行は日に日に激しくなり、しまいには「お鈴がくる!」といもしない人形に怯えるようになる。妻の狂いっぷりに、脱帽。さすがにGを食す場面は、気持ち悪くなった。ラストはお鈴=不倫相手と何となく想像はついていたものの、やはり寒気を覚えた。この後主人公は不倫相手とどのように接したのだろうか。女は恐い。
「まゆかの恋慕」
家の前に倒れていた美少女を介護した主人公は、次第に少女と惹かれ合うようになっていく。しかし少女の過去には秘密があり…。とても悲しい純愛。あのときニュースさえ見なければよかったのに、とゆうか死ぬことないのに、と思ってしまう。二人で一からやり直す道はなかったのだろうか。
「英吉の部屋」
虐待される老人の、独白。最初の方は虐待されている英吉がかわいそうだったけど、だんだん彼の思考回路に嫌気がさしてくる。昔娘である光子を愛のお仕置きと称して監禁し、交際相手へ殴り込み、赤ちゃんを殺した。虐待されて当然だなと思う。しかし彼は娘を殺し、最後まで自分が正しいと正当化する。むかつくけど、何だか人間のいやらしいしぶとさを見た気がする。したたかに生きた者が勝ちなのか。
Posted by ブクログ
新堂冬樹作品はあまり読んだことはなかったのですが、短編集という帯に釣られて購入。とりあえず、主人公に終始嫌悪感を抱いた短編集ですが、唯一不遇な環境に生まれた女子高生と大学生の話だけが、好きかなあと。後、表現がちょっとえげつなくてそこがちょっとネックでした。
Posted by ブクログ
タイトルから白・新堂が書いた恋愛小説かと思ってたら・・・!!!これは黒・新堂のほうの小説ですね。ここまでとことん人間を貶めた小説はなかなかないかも。四つの短編集で、三つ目以外とりあえず出てくる人間が醜いこと醜いこと。とにかく登場人物のみんな吐きたいほどに誰か一途に愛してる。執着してる。そもそも愛とは余裕がなくなって嫉妬や独占欲で人を醜くさせるものですし。あと、出てくる人間も醜いけれど、出てくる料理も醜い!ウジとか、足がもがれたゴキブリだとか、一ヶ月前の刺身だとか、キャットフードとか。さすがにウジやゴキブリはキツイ。もう血と吐瀉物の臭いがどこからともなく漂ってきそうなくらいエグい。でも面白すぎて全部あっという間に読んでしまった。
Posted by ブクログ
短編集。全4話。
帯の『自己の中心で愛を叫ぶ!』の惹句にまずやられましたね(笑)
これ、一見恋愛ものかと思いきや、全く違います!!ひたすらキモイ(笑)ほんっと吐きそうですよ、グロくって(^〜^;)ゞ
私が特に好きだったのは、一話目の『半蔵の黒子』です。主人公の男の自己陶酔ぶり、自信過剰ぶり、思いこみっぷり、そして、主人公の容姿の描写に思わず大爆笑してしまいました(笑うとこじゃないのかもしれないけれど(笑))
そして、主人公のあまりの思いこみの激しさと、容姿の醜さの描写、蛆虫チャーハンなどなど、お腹の底からじわーっときて、次第に全身にくる気持ち悪さは絶品(笑)
ぞわぞわぞわーーーーっと身もだえしてしまうほどでしたね〜。サブイボ(標準語で言えば鳥肌(笑))が全身に!!
私はこの気持ち悪さ、グロテスクさ、結構好きでした(笑)ただ、万人に受けるかというと微妙。ダメな人にはダメだろうな〜。
この本は、単なるグロい本かと思いきや、実はとっても示唆に富んだ作品かも。一話目とか四話目なんかは、現代人の特徴を表していると思う。
つまり、何でも他人に責任をおしつける。うまくいかないことがあるとそれは全て『誰それのせい』とか、『社会のせい』なんて言って、自分を省みることさえしない。根拠のない自信に満ちあふれて、プライドだけが高くなり、謙虚さを失っている。こういった昨今の日本にしばしば見受けられる特徴にのみ的を絞って凝縮した結果が、この話の主人公たちなのかも。
現代人の負の特性をうまく表現しているように思います。・・・ってこの解釈は、穿ちすぎでしょうか?(笑)
Posted by ブクログ
るなてぃっく。ものすごくこわかったです。ゴキブリのシーンはよめなかったのでちょっととばしてしまった…。まゆかの恋慕が一番すき。新堂冬樹さんはとてもすきだったけれど、これはほんとうにこわかった。
Posted by ブクログ
もしかしたら誰しも心の奥底で渦巻いている感情なのかもしれない。どうしようもなく愛してしまい自分を制御できなくなる。そんな事が自分に起きない保証は無い。3遍めのまゆかの恋慕は比較的感情移入できそうな一遍。果たして自分はこれ程人を愛し愛されるのか・・・
Posted by ブクログ
とーにーかーくー臭かった。
悪臭描写のオンパレードに眉間にシワを寄せながら
親指と人差し指で本をつまみながら読んだ。
『半蔵の黒子』
歪んだ愛情表現、思い込みの激しさの部分がとても上手に書かれていてとても怖い。
しかしこの話しがいちばん臭う。
ここまで書くか…というくらい半蔵が臭い臭い。
『まゆかへの恋慕』がいちばん好き。
Posted by ブクログ
わたしは,白新堂しかまだ読んだことがない。
この作品は,ある意味での純愛であるならば白新堂なのだろうか。
でも,人のどす黒いところも表現している意味で言えば,黒新堂でもあるのか。
暗黒純愛小説集・・・。
暗黒純愛・・・内容はどれも愛を受ける側が抱く恐怖があった。
小説集ということで,全4作品。
『半蔵の黒子(ほくろ)』
・・・これは何より初っ端なのに一番グロテスクな作品。読みながら場面を想像するだけで気持ち悪くなってしまった。物語の内容は,自分の妄想に溺れる男のはなし。
あまりミステリーやホラー小説を読まない私なので,過去にグロテスクと感じたのは,綾辻行人の"人の焼け焦げる"表現と,人が切られた際の"肉片ある脂肪"の表現以上に気持ち悪さを感じた。
『お鈴が来る』
・・・円満だった夫妻。その妻に襲い掛かる恐怖と夫を信じたい想い。その狭間で狂っていく妻。妻が思いを打ち明けてくれれば,夫がもっと妻の様子を気遣うなどすれば,そんな結末にはならなかったのでは?と思う。
『まゆかの恋慕』
・・・恋慕(れんぼ)とは恋い慕うこと。本作品中でこの中では一番,綺麗と感じる作品。綺麗というのは曲がっていない,いわゆる一般的な"愛"を感じるということ。登場人物のまゆかが可哀そうでしかたなかった。辛いだろうけど二人で共に生きていく選択もあったはずだ。
『栄吉の部屋』
・・・実の娘に虐待される寝たきり老人の物語。高齢化社会だけあり,フィクションなのに生々感じてならない。娘を愛しすぎた故であり,またこれも自分の妄想に溺れた男の物語。
この作品は,
読んでいて気持ち悪くなる場面が多々ある。それもあって繰り返し読むことはそうはないと思う。わたしはあまり"どろどろした人間関係"や,"人の汚い部分",を物語として読むことを好まない。
読む前は,タイトルから曲がった愛なのだと思ってはいたが,ここまでいくとは思わなった。
Posted by ブクログ
オムニバスで読みやすかった。好きで好きでしかたなくて吐きそうになることが自分にもあったので、タイトルで共感した。まあ、いつものタイトル買いな訳だけど。純粋過ぎる愛は時に猟奇的になるなと改めて思った。
Posted by ブクログ
短編集。これはヒドい。桐野夏生は心のグロさだけど
こっちはリアルにグロ注意だった。嘔吐寸前。読後も嫌な感じが残った。
インパクトは抜群。夢中でページをめくった。
Posted by ブクログ
◆半蔵の黒子・・・毒島(ぶすじま)半蔵は、納得がいかなかった。なぜこんなにも思いやりがあり、成績も優秀な自分がこれほどまでに人生がうまくいかないのか。全てはこの名前と頬の黒子が原因なのだ。
◆お鈴が来る・・・家に帰ると今日も待っている、結婚した当初とは何もかもが変わり果ててしまった精神的に病んだ妻の吉美。しかし彼女を精神病院に入れるわけにはいかない。全ては自分のせいなのだから・・・。
◆まゆかの恋慕・・・アパートの前に座り込んでいた見知らぬ女の子。ひどい怪我をしているのを放ってもおけず、僕は彼女を部屋に招き入れた。
◆英吉の部屋・・・なぜこうも実の娘である光子はわしにひどい扱いをするのだろうか。介護という名の虐待。わしは今まであんなにも光子を大切に育ててきたのに。
以上4編の短編集。純愛ではなく、どこまでも狂った愛情。グロテスクな表現多め。
”黒新堂”の本領発揮。どれもこれも「ここまでいくか!」という程究極に偏った狂った愛情表現満載。「自己の中心で愛を叫ぶ!」というのはなんと的確なキャッチフレーズだろうか。確かに気持ち悪い表現のオンパレードだが、それだけではない物語のおもしろさは確かにある。
◆半蔵の黒子・・・やはり4編の中で最もインパクト大な作品はこれであろう。主人公の描写がもう、ありえないくらいに醜い。これ、映像化したらモザイクものだよね?(^^;全ての物事を自分中心に考え、自分の都合のいいように解釈する。勘違いもここまでくると、逆に感心してしまう。この男の思考回路はすごいな!
◆お鈴が来る・・・物語として一番うまくできていると思うのはこれ。オチもきちんとあって、ヒヤリとした感覚も味わえる。でもこれはまぁ、自業自得だよね。
◆まゆかの恋慕・・・この作品だけ少し他の作品と色が違う感じ。純愛といえば純愛。最後だけ思いっきりホラーだけど。
Posted by ブクログ
前回借りた本の最後に同じ出版社から出ている本の紹介が載っていました。
ほんの少しの内容の紹介で興味を持った本を予約しました。
そのうちの1冊がこれ。
この手のものは初めて読みました。
とにかく辛くなる内容のものばかり。
人間の醜い部分やお下劣と言ってもよい描写が続きます。
短編になっているので読み終わると次はもう読むのをやめようと思うのですが
怖いもの見たさってやつでしょうか。
次はどんな内容なんだろう?と気になってしまうのです。
結局全て読んでしまいました。
嫌悪感を持ちつつも私自身にも隠れている感情が入っていたりして
友達や夫に勧めることは出来ないけど
でも読んでみてもいいんじゃないかなーなんて思う本です。
気持ちが落ち込んでいる時は案外浮上できるかもしれない。
楽しい気分の時は辛いかもしれないけどそうでもないかもしれない。
読んでみなければ分からない内容です。
刺激が欲しい人にはお勧めです。
でも怖い。
Posted by ブクログ
これも、「独白するユニバーサル横メルカトル」とは別の意味で気持ちの悪い作品である。
新堂 冬樹が送る「暗黒純愛小説」たち。
短編形式なのだが、それぞれのゆがんだ愛の形が描かれている。
友人に勧めたら「ごめんマジで気持ち悪くて一話目で諦めた」と返されてしまった。うん、確かに、キモいかも。(笑)
Posted by ブクログ
「半蔵の黒子」「お鈴が来る」「まゆかの恋慕」「英吉の部屋」の4作。1・2話は料理の場面(肉ウジチャーハン、ゴキブリ)で気持ち悪くなりました。3話は悲恋のお話。4話は結局部屋から脱出するのが憎らしい。
”吐きたいほど愛される側”にはまわりたくないと切実に思いました。とにかく周りにこういう人がいないことを祈ります。グロ描写が多いのですが、先が気になってさくさく読めました。話に救いがなく、読後はかなり気分が暗くなったので読む時は読後のために明るい気分になれるものを何か用意しておくことをすすめます。