新堂冬樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
短編集。全4話。
帯の『自己の中心で愛を叫ぶ!』の惹句にまずやられましたね(笑)
これ、一見恋愛ものかと思いきや、全く違います!!ひたすらキモイ(笑)ほんっと吐きそうですよ、グロくって(^〜^;)ゞ
私が特に好きだったのは、一話目の『半蔵の黒子』です。主人公の男の自己陶酔ぶり、自信過剰ぶり、思いこみっぷり、そして、主人公の容姿の描写に思わず大爆笑してしまいました(笑うとこじゃないのかもしれないけれど(笑))
そして、主人公のあまりの思いこみの激しさと、容姿の醜さの描写、蛆虫チャーハンなどなど、お腹の底からじわーっときて、次第に全身にくる気持ち悪さは絶品(笑)
ぞわぞわぞわーーーーっと身もだえしてしまうほどでしたね〜。サブイボ(標準語で言えば鳥肌(笑))が全身に!!
私はこの気持ち悪さ、グロテスクさ、結構好きでした(笑)ただ、万人に受けるかというと微妙。ダメな人にはダメだろうな〜。
この本は、単なるグロい本かと思いきや、実はとっても示唆に富んだ作品かも。一話目とか四話目なんかは、現代人の特徴を表していると思う。
つまり、何でも他人に責任をおしつける。うまくいかないことがあるとそれは全て『誰それのせい』とか、『社会のせい』なんて言って、自分を省みることさえしない。根拠のない自信に満ちあふれて、プライドだけが高くなり、謙虚さを失っている。こういった昨今の日本にしばしば見受けられる特徴にのみ的を絞って凝縮した結果が、この話の主人公たちなのかも。
現代人の負の特性をうまく表現しているように思います。・・・ってこの解釈は、穿ちすぎでしょうか?(笑)
-
Posted by ブクログ
先祖代々70年続く誘拐を家業とする「浅井家」の物語。
誘拐するターゲットは極悪人に絞り、誘拐した極悪人は超大型犬用の檻を室内に設置して監禁し、汚く稼いだお金をごっそり身代金として要求すると云う家族全員チカラを合わせての家業だ。
浅井家十戒と云う厳しいルールを掲げ、決して人を傷つけることなく誘拐によっての身代金を得るまでを遂行することを戒めていた。
がしかし固い絆で結ばれていた浅井家だが、ここにきて五代目跡目争いが顕著となり、長男の太陽と次男の吹雪との確執が一家を二分することになる。
ページをめくって先に進むのだが、全く物語の先が読めない展開が続く。
まさに二転三転四転五転と、話がゴロゴロ変わって行くのだ。
なぜ父親でリーダーである大地が、息子の太陽と吹雪に跡目争いの勝負を要求したのか⋯。
この一冊はクライム・ノベルと同時に家族愛をも絡めた新堂冬樹氏ならではの物語となっていた。
それにしても新堂冬樹氏の発想豊かな物語は面白かった。