あらすじ
児童書専門店「夢の扉」を営む水島月菜は、児童文学作家の良城と結婚して8年になる。優しく思いやりのある夫だが、強迫性障害を患っていて、愛する妻に触れることもできなかった。店の隣のバーで働く年下の青年と知り合い、次第に心惹かれていく月菜。しかし、彼もまた誰にも言えない秘密を抱えていた。揺れ動く男女の心の機微を濃やかに描く、究極の純愛小説。
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Posted by ブクログ
人を愛することは、人それぞれに違うもの、違っていい、と思わせてくれました。こんな深い愛情があるなんて。誰よりも強く「抱きしめて欲しい」、「抱きしめたい」。という思いが、苦しい、切ない、悲しい、寂しい、いろいろな感情を経てやっと優しい温かい感情に辿り着く過程が素晴らしかった。
Posted by ブクログ
一言で最高の物語だった。
どんな言葉で言い表したらいいか、この本の素晴らしさが伝わるのか分からない。
ただ、この本を読んで思ったことはたとえスキンシップが取れなくても、心が通じ合っていれば、相手を思いやる気持ちがあれば、どんな壁も乗り越えられるということを。
私には付き合っている彼がいるが訳あって、体の関係を持つことが怖くなって、いわゆるセックスレスになってしまっている。そのことに悩み、彼のことを本当は好きではないのではないか。と幾度となく考えた。だが、この物語のようにいくつもの高い壁を乗り越えられるほどうまくいくとは思えないが、彼のことを心の底から愛し、相手を好きになった初心の気持ちを忘れなければ、どんな障害も乗り越えられる、そんな気がした。
久しぶりの読書
映画化きっかけに、ストーリーが気になって読んでみました。触れられなくても大切に思う人がいるのって尊いこと。重いテーマだけど、読み終わった後のすっきり感があって原作読んで良かったと思います。
Posted by ブクログ
人を深く愛することがどれだけ難しく尊いことなのか。
不潔恐怖症の強迫性障害により、妻にすら触れることができない夫と夫に触れてほしいと思いながらも夫の苦しむ姿を見て耐え忍ぶ妻。
相手を愛しているが故に傷つき、哀しみ、寂しくなる。
2人が別れるシーンでは胸が苦しくなった。
こんなにも愛しているのに、自分では幸せにできない。その無力感。
愛する人と別れたことがある人は、自分に重ねずにはいられないと思う。
「それは、ぼくがそらをしらないからです」
Posted by ブクログ
本当に愛してくれている人は、自分の見えないところでたくさんの時間や労力を使って愛してくれているんだなぁと温かい気持ちになった。 自分用メモ p.225 別の世界こそが本来、あなたの住む場所かもしれないのに、少しも疑おうとしない。