モーリス・ルブランのレビュー一覧
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▼「怪盗アルセーヌ・ルパン5 813にかくされたなぞ (10歳までに読みたい名作ミステリー)」ルブラン/二階堂黎人。学研プラス 、2017年。
▼以前に8才の娘に偕成社版の「813」を読み聞かせしてみたことがあり、でもそのときは長すぎて複雑すぎたのか飽きてしまって「続813」まで行き着かず。ところがその後、学研プラスの「10歳までに~」シリーズのこの本を娘が読んで、「面白かったからお前も読め」的な圧をかけてきたので読みました。
▼うまくまとめているなあと思いつつ、偕成社版の「続813」を読みたくなりました。それにしてもルパンシリーズはハヤカワ文庫の新訳が止まってしまって残念でなりません。なにやらルパンシリーズは翻訳権が面倒になっているような気配がしますが、こういう子供向けのはいいんでしょうかねえ。 -
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同じシリーズの『813の謎』を、娘(八)に続いて読んだことを娘に伝えたら、「私の読んだものを読みたいと言うのなら、こっちのルパンの本ももう読み終わってるからお読み」という趣旨のことを言われたので、読んだ。確かにそういえば、813よりも前に、はじめのうちは夫が読み聞かせる形で読んでいた。途中から自分一人でいつの間に読み終わっていたらしい。
絵本や漫画ではなくある程度長さのある読み物で、世界古典名作的位置付けの作品としては、このシリーズのルパンものが、娘の読書史上初めてそこそこ自主的に読もうとしている本だと思う。だから私も、ルパンシリーズを読むのはほぼ初めてなのだが、どんな面白さの作品なのだろうという一般的な興味に加えて、これが近ごろうちの子を惹きつけているルパンかねどれどれ、という気持ちで読んだ。
まず、絵が現代風で今の子的に受け入れやすいのではないか。大人たちも、翻訳文学の新訳版が出るとみんな「読みやすくなった」などと喜ぶけれど、こういった本の絵も「なんか古くさい」「可愛くない」と思ってしまったら、とっつきにくい。また、ぱらぱらっとめくったときの絵のページの割り合いも絶妙で、名作を読ませたがるような大人に「絵ばっかり!」と思わせず、かつ名作を読まされようとしている子どもに「字ばっかり!」と思わせない、ちょうどいい分量になっている気がする。
実は初めてこのシリーズを書店で目にしたときは、「アニメっぽい絵だなあ、私が子供の頃はもうちょっと真面目風な本を読んだものだ、こんなものには頼るまい」と思った。が、こうして恩恵にあずかっている今や、「いやはやよくできた本ですなあ!さすが学研さん!」に変わってしまっている。我ながらなんと現金なことよ。
そして、物語の魅力については私が今さら述べることはないが、なぜなぜどうしてこんなことが可能なの?という謎で引っ張られていく楽しさや、その種明かしがされてなるほど!やられた!と唸る瞬間の快感や、ヒーローたるルパンのことを、すごい!なり、かっこいい!なり感じてワクワクすることや、馬車の時代の風景やら、ルパンが美しいと愛してやまないパリの街やらを想像することなど、が渾然一体となって、本を読む時間を楽しいと娘が思ってくれているならいいなあと、親としては思う。
純粋な私の感想は、少女時代のミステリーとの出会いが大まかにはホームズ→クリスティ→エラリーだった身としては、盗む方が主役なんだ!という新鮮さがやはりある。また、種明かしの“種”がルパンの並外れた能力に負うところが大きい点も、名探偵が推理披露する際のパズルのピースがパシパシはまっていくような快感とはちょっと違う。これは、楽しみ方を間違えると不幸な読書になるかもしれないと思った。そしてなんといっても明るい。ルパンはいつも自身と余裕があって楽しそうだし、フランス中の人々がルパンのニュースを新聞で読むのを楽しみにしている雰囲気にも自由さがあるし、そもそも殺人事件が起こらないし、犯罪の動機につながる恨み辛み開陳シーンもない。
ホームズ?との絡みも後々あるようなので(813にもちらっと出てきた)、必ず読むかどうかはわからないが、ゆるゆる楽しんでいきたい。 -
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フランスの作家、モーリス・ルブランが産み出した傑作、「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」シリーズから、ルパンがルパンを追うという、摩訶不思議かつ巧妙な設定にひきこまれる表題作はじめ四つの短編を選び、新訳で紹介する。
早川文庫からシリーズ全巻新訳が出ないかな~と首を長くして待っているのですが、売れ行きが厳しいのか頓挫していて寂しい。なぜか短編集が理論社から出るという謎。平岡先生の新訳は非常に読みやすくて好きなので迷わず購入しましたが、どうせなら文庫で出してほしかった気もする。内容はどれもわくわくする素晴らしい作品です。特に「赤い絹のスカーフ」はルパンの推理が冴える名作。しかしこうして振り返るとルパンってめちゃくちゃ女の人にモテますよね。こんなあちこちで仲良くして、よくトラブルにならんな(笑) -
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理論社の世界ショートセレクションの1~逃亡真っ最中のノルマンディー地方行きの列車で乗り合わせた婦人はあとから乗ってきて男がルパンだと言い、本物のルパンは不意を突かれて拘束されてしまった。逃亡した偽ルパンを警察を使って追い詰める。ガニマールを招いたルパンは偶然橋の上から降ってきた品物から殺人事件を見抜き、ガニマールにサファイアが縫い込まれている証拠品のショールを持って来させる。精神を病んでいる夫を待ちきれないオルタンスは男と駆け落ちしようとしてレニーヌ大公に邪魔され、山奥の叔父の過去の殺人事件を知る。レニーヌ大公と腹違いの妹主演の映画を観たオルタンスは共演者と恋に落ちた妹を探し出す~1941年に死んだルブランにはルパンシリーズの短編が沢山ある。ほかにもあるらしいが、ルブランは終了
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ルパンの赴くところ事件あり。宝くじ争奪、老男爵殺害、青いダイヤ、謎の金髪美人・・・警察は翻弄され、ガニマール警部は苦虫を噛み潰す。事件の関係者たちはついに英国の名探偵シャーロック・ホームズに出馬を要請した。勇躍フランスへと乗りこんできたホームズとワトスンだが、その出鼻にルパンの強烈な先制パンチが・・・神出鬼没の怪盗対不世出の名探偵、世紀の対決が始まった!
「金髪の女」「ユダヤのランプ」の二篇を収録。やはりルパンの方がカッコよく描かれていますね。原作ではコナン・ドイルの許可が下りずSを後ろにつけて改名していたという解説に驚きました。まあ確かにドイルからすれば微妙な気持ちだったんでしょうね。ルパン派の私としては逮捕されかけてもやっぱりカッコいいなあと思いますが。どちらの作品でも女性がキーパーソンとなりホームズを手こずらせますが、金髪の女の方がトリック的にわくわくしました。なかなか新訳が出ないのが悲しいですが、平岡さんの訳は読みやすくて好きなので是非とも全作揃えてほしいところ。 -
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同時期にイギリスで活躍していたシャーロック・ホームズとアルセーヌ・ルパンの対決は、前作『怪盗紳士ルパン』にも少し語られているが、本作は一冊まるごと探偵と怪盗の対決となっており、読み応えのある作品である。
時期としては、ホームズが長い失踪から帰ってきた『シャーロック・ホームズの帰還』と、最後から二つ目の『最後の挨拶』との間にある頃となる。
本家ホームズは、ワトスンが筆をとっているものがほとんどなので、やはり第三者筆でホームズ譚を読むと、やや違和感を感じる。
長編・中編の以下の二編から成る。
子供の頃、児童書で(本作も児童書だが)、何度も読んだ同作品は、第一話だけだったようだ。
金髪の美女
数学教師ジェルボワ氏が娘のシュザンヌのために古道具店で整理机を購入しようとしたが、その机を売値の三倍の値段で購入したいと持ちかけてくる青年があった。ジェルボワ氏はその依頼をはねつけるが、その数日後白昼堂々と机が盗み出されてしまった。
数か月後、老将軍オートレック男爵の死体が部屋の真ん中に横たわっているのを下男のシャルルが発見し通報する。男爵の遺品のうち非常に価値の高い青いダイヤモンドが競売にかけられクローゾン伯爵夫人が落札する。このダイヤモンドが盗み出されてしまい、家中の数人に容疑がかたまる。
男爵夫人は、この迷宮入り事件の解決のために、ベーカー街二二一番Bに住むシャーロック=ホームズに依頼することを決意する!
ユダヤのランプ
ダンブルバル男爵の寝室からユダヤのランプが盗まれるという事件が発生した。ユダヤのランプ自体の価値は高くないが、ランプの中に宝石のはまった黄金の怪獣を隠していたが、そのことを知る者は家中にはいないはずだった。当局に通報するも解決の見込みが立たず、ダンブルバル男爵は、事件の解決をホームズに依頼する手紙を出すが、その手紙とほぼ同時にルパンからホームズへ、事件から手を引くように警告する手紙が届く。