モーリス・ルブランのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ルパンシリーズは、長編よりも短編の方が冴えるのかもしれない…と思った。
少なくとも私にとっては、奇巌城よりは面白かった。
唯一、「地獄の罠」を除いて。
「太陽のたわむれ」「赤い絹のスカーフ」では、ルパンの推理力が冴え渡り、相手方よりも常に一方上手を行くのに、このストーリーでは、犯人の仕掛けた罠にまんまと嵌り、絶体絶命のピンチにまで陥っている。
それまでのストーリーからのイメージで行けば、罠に嵌るより先に、相手方を罠に嵌めちまう…か、若しくは、まんまと罠に嵌った風を装って、どんでん返しの鮮やかな切り返しが出て来るのを期待してしまう。少なくともホームズならば、こんな罠に嵌る…とは到底思えない。
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Posted by ブクログ
作者モーリス・ルブランが亡くなられてから70年を経て世に出た、ルパンシリーズ最終作「ルパン、最期の恋」。
楽しめた!
ルパンの冷静で、強く、抜け目が無く、そして魅力的な姿が描かれている。
冒頭で、ルパンの祖先が手に入れた一冊の本から話が展開するなんてのも、感激!
そして、愛に生きるルパン
大きな人類愛、そして、一人の女性に対する愛が素敵に描かれていた。
やはり遂行途中のままの原作であるということなので、完成していないのが残念なんだけども、ルブランがこのように「ルパン」を終わらせたのは意味があると思う。
本書には、巻末に、ルパン第一作「アルセーヌ・ルパンの逮捕」も収録されていて、こちら -
Posted by ブクログ
アルセーヌ・ルパンシリーズの新訳版。
新訳ということで古臭い表現もなく、読みやすい感じでした。再読だったので改めてルパンってミステリーの古典なんだな、と感じました。
好きなのは『王妃の首飾り』不可思議な状況で盗まれた首飾りの謎をめぐる話。ルパンが正体を現してからのルパンの迫力が鬼気迫るものがあって印象的です。
『ハートの7』はわたし(モーリス・ルブラン)とアルセーヌ・ルパンの出会いの話です。
ルブランの家に侵入しながら、何も盗らなかった強盗の謎が思わぬ展開につながっていき面白かったです。また作者自身が作品の中に出てくるということも、この話を初めて読んだ小学生の時には新鮮で、その意味でも個