モーリス・ルブランのレビュー一覧
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内容と人物の描写が難しい。これを小学生のときに確信を持って読めたら、よほどの天才児じゃないだろうか。サクサク読めないという点では、マイナスであるが、今から50年以上前の作品でこれだけのワクワク感を出せるのは、さすがルパンシリーズ、クラシックだ。
じっくりかみ締めて読んだが、久しぶりの謎解きが楽しかった。小学生の時はただ文字を追っていただけだと改めて思う。差別表現も多くて、当時の戦争時代の名残だろうが、文章の最後にあえて表現はそのまま出したとの脚注があった。しかしそれでも、過激過ぎる表現と感じた。知的障害的(発話障害)な表現を「おし」ということがはじめて知った。たぶん小学生のまーちゃんは、知的 -
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ルパンがルパンになる前の物語。
けなげな女性に恋をしたルパンは結婚を申し込みに彼女の父親のもとを訪れる。
しかし身分を口実に反対された彼は、その父親が持つ秘密をネタに結婚を承諾させようとその秘密を盗み出す。
そこに隠された秘密とは・・・。
普仏戦争にまつわるお宝を追うグループと100年前からまったく年をとってないと思われる怪しい麗人、そしてその麗人に協力する事で事件に絡んでいくダンドレジー。
そのダンドレジーがルパンになる前のルパンです。
アニメのルパンシリーズでも名作の呼び声の高い「カリオストロの城」の原作ともいえる物です。
物語はルパンと名乗る以前の話なんですが、ルパンの持つニヒルで -
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悪名高い伯爵と結婚した末に、幼い息子と実父を一度に失う悲劇に見舞われたヴェロニク。十四年後、彼女は悲しみを忘れるべく遠くの町で働き成功していたが、偶然見た映画の一場面で、見知らぬ土地の小屋に自分のサインが刻まれていることに気づく。探偵の情報をもとにその小屋に行ってみると、中には男性の遺体が!それは新たな惨劇の始まりに過ぎなかった。
こんな怖い話だったっけ・・・まあタイトルからしてアレだけど。子供の頃にルパンシリーズは全部読んだはずだが記憶がない。序盤から中盤、もはや後半までマジ救いのない展開すぎで苦笑い。後半はあっさりルパンの正体が明かされて若干拍子抜けした部分も。ヴェロニクがここまで追い込 -
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所々スムーズに読めなくて苦労する作品だったが、訳者あとがきにこの作品が世に出た経緯が書かれていて納得した。
モーリス・ルブラン本人はもっと推敲したかったかもしれないが、一読者としては公開してくれて嬉しい。
カリオストロ伯爵夫人では無邪気な青年だったのが、すっかり壮年期を迎え世のため後世のためにどう生きるかに重きを置いていて、人としての円熟味が心地よい余韻をもたらした。
その一方で惚れっぽい性格・気障な愛情表現は相変わらずでラブロマンスが作品に色を添える。
シリーズの締めくくりとして穏やかにクローズしていくので、派手なアクションや展開を求める人には少し物足りないかもしれない。
ハッピーエン