大山淳子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ちょっと不思議感のある物語。おばけが語り手になっていたりね。かるーい気持ちでサクッと読んだ。
何でも「いいよ」と受け入れてしまうイーヨくんは、亡くなったお兄さんの妊娠した恋人と結婚することになってしまう。それでも「いいよ」と受け入れた。そんなイーヨくんが変わり者に見える薫さんの心を溶かしていく。その裏に過去の出来事があったりするんだけどね。
何でも受け入れちゃうイーヨくん。自分もこんなふうに何でも「いいよ」と受け入れることができたらなと思う。受け入れることができるって屈託なくできる能力をもっているからでもあるだろうし。一方で、イーヨくんの気持ちが全然描かれないから、何でも受け入れるって人間ばな -
Posted by ブクログ
「猫弁」や「あずかりやさん」シリーズでお馴染みの作家さん。しかしながら、今作はそれらとは全く毛色が異なるサスペンスミステリ。ほのぼの癒し系とは程遠く、終始不穏な雰囲気が漂う。最後まで先が読めず、結末が気になってしょうがない怒涛の展開であるのは間違いなしだが、章ごとに人物視点が変わる上、その都度ストーリーの舞台もガラッと変わるため、それぞれ全く別のストーリーを読んでいるような感覚で、正直なところ繋がりが全く見えなくて途中まで読むのがしんどかった。人物設定も皆がそれぞれ浮世離れし過ぎているというか、リアリティ感がまるでなく、ファンタジーなのは間違いないのだけれど、もう少しリアリティに近づけてくれて
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Posted by ブクログ
ミステリー、なんだろうか?
いや、非難しているわけではなくて。
かつてご近所の困りごと、猫屋敷問題を解決して、一躍有名になった天才弁護士、百瀬太郎。
ところが本人は全くさえない風貌で、その後も事務所に持ち込まれるのは案件よりも猫ばかり。
お見合いも目下三十連敗中。
そこにやっと持ち込まれた霊柩車ジャック事件。
その謎解きがこの作品のメインなのか――と思っていたら、軽く肩透かし。
120ページくらい読むと、この事件、だいたい先が読めてしまう。
百瀬が出会った靴磨きの老婆の素性も、だ。
そしてその予想は、割といい線を行うっていた。
そこがメインと思っていると、あっけなさすぎるのだ。
が、どう -
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Posted by ブクログ
本当にすごく切ない終わり方だった。
同じ作者の猫弁シリーズを読んだあとに手を取った一冊だっただけに、その振り幅に驚いた。
物語の前半はとてもテンポよく読みやすい。自分を死の淵から救ってくれた理々子を心から愛している猫のタマオ。彼女を大切に思うあまり、タマオは理々子の窮地には人間の姿となって何度も彼女を救う。しかし、人間の姿に変身できるのは夜の間だけ。しかも、それは自分の寿命を縮める行為だった。
ありがちな設定かもしれないが、ラストが予想以上に切なかった。猫のタマオには理々子のいる世界が全てだけど、理々子にとってはそうじゃなかった。もちろんタマオのことが大事だけど、人間には人間の世界がある。
物