大山淳子のレビュー一覧
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大山淳子さんのドラマ原作(TBS・講談社ドラマ原作大賞受賞!)によるハートフル・ミステリー。今回初読でした。遅きに失しました。すでにシリーズ化され、2011〜第1シーズン全5作品、2020〜第2シーズン3作品刊行されているようです。
なるほど、シリーズ化に納得です。素直に面白かったです。ストーリーとキャラが、完成度高く両立できている印象で、読後のホッコリ感・温かさが、とーっても心地よいですねー。
お見合い30連敗中の弁護士・百瀬太郎。東大法学部主席卒業だが冴えない容貌とお人好しで、天才とボンクラが同居?
事務所は、トラブルやら訴訟の果て引き取った猫だらけで、「猫弁」と揶揄される始末 -
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このシリーズは三作品、これまでに読んでいる。
「桐島君の青春」を読んだとき、とても楽しんだのだけれど、自分の中である程度この物語に対する思いが一段落した感覚があった。
だから、続編が出たと知っても、読むのをやめようかとも思ったりした。
が、この巻も、しっかり面白い。
桐島君は相変わらず物静かで思慮深い。
語り手も相変わらず意表を突いた設定だし。
特に、「ツキノワグマ」がよかった。
アルツハイマーで妻との記憶をなくしていく夫。
ヘルパーの「ふみこさん」を慕い続ける年老いた男性。
そうした人たちとのかかわりの中で、桐島君自身の淡い恋がすれ違ってしまう物語だ。
ちょっとほろ苦い味わいがいい。 -
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母親は20年前に事故で亡くなっている。
父親は妻の突然の死を受け止められずに、父親を放棄し家出。
それ以来、母親の兄妹である叔父伯母に育てられた5人兄弟の長男がこれまた突然病死した。
その通夜に長男の婚約者を名乗るおばさん妊婦が現れた。
そこから始まる物語。
末っ子の伊代太は、どんなことにも「いいよ」と引き受けてしまうボンヤリさんで「イーヨくん」と呼ばれており、叔父も手を焼き「この女に伊代太を押し付ける」ために妊婦と伊代太を結婚させることに。それにも「いいよ」と受け入れてしまう。
20年前に死んだ母親が、伊代太を心配するあまりにあの世からこの世に戻って見ている視点。
叔父・伯母の視点。
伊 -
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ネタバレ就活で言われたたった一言が主人公をひきこもりにしてしまう。たった一言なのにと思うようだけど今まで否定されずに生きた環境が彼女の精神面では受け止めれなかったのはなんだかよく分かる。
叱られたことが極端に少ないと叱られることを受け止める力がすごく弱くなる。褒められてるのにたった一つの叱られることによってそれが勝ってしまう。唯一幼い頃に亡くなった祖母だけが彼女を厳しく育てようとしていた。だからって主人公の親が悪いわけじゃなく、彼女を想う気持ちも伝わってきた。
そういう弱ってる時に偶然他人の通夜に行ってしまいそこから通夜に癒しを求めて通うようになる主人公。そこでは亡き祖母を思わす通夜女がいて、この人 -
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二宮光二郎(75)は、元理科教師で趣味は分解。最近少し記憶があやしい。そんな光二郎が、草刈り中の老人を刺したという話家族のもとに飛び込んできた。冤罪を晴らすため、孫であり浪人生のかけるは家族と、周囲のじいさんばあさんも巻き込んで光二郎と奔走する。
大山さんのお話は、どれもキャラクターが魅力的です。
この本の主人公の光二郎とかけるもそうですが、世間ずれしていなくて、皆どこか生き辛そうに見えるのに、不思議とするすると世の中を渡っていて、優しく希望があって。読んでいるほうまで優しい気持ちになれます。
光二郎は自分の興味に正直で奇矯なふるまいをする自由人ですし、かけるはいまいち覇気のないふわふわした -