大山淳子のレビュー一覧

  • 赤い靴

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    冒頭読み進めるのが苦痛で途中でやめようかとも思ったのですが、カイが登場してから俄然面白くなり、長編ですが中盤からはグングン引き込まれて、予想と全然違う終わり方も好印象でした。面白かったです。

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    2018年10月09日
  • 光二郎分解日記 相棒は浪人生

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    主人公の光二郎老人の行動がなかなか掴めなくて、前半はどうにも乗り切れなかった。行動は読めないし、何言ってるかわからないしね。中盤以降は面白かったな。

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    2018年09月24日
  • 原之内菊子の憂鬱なインタビュー

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    ネタバレ

    自分は人の話を聞くのが好きだし、人に話すのも好きだ。
    つまり雑談というコミュニケーションが好きだ。新聞記者のインターンをしたのも、きっとそれが関わってると思う。

    人に何か聞くときは大体にして好奇心と興味が理由なので、「自分はあなたの話を聞きたがってますよ!」と伝える為に相槌をうつのだけど、主人公の原之内 菊子に相槌は必要ない。ただ、「はあ、へえ」と言ってるだけで一方的に相手が話してくる特殊な体質だ。

    作中に根っからの悪い人ってのは出てこなくて、みんなどこかにユーモラスが備わってる。
    自分が練馬在住なので練馬のにんじん畑の話には笑ってしまった。作品中に優しさが溢れてるから安心して読み進んでし

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    2018年09月09日
  • 光二郎分解日記 相棒は浪人生

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    とにかく、自分の興味のまま動く光二郎じい。
    そのぶれない姿勢に、周囲も光二郎を受け入れている。

    光二郎が理科の先生ということで、若干のガリレオ風味もありながら、巨悪や凶悪犯がでてこない、普通の町で起きた事件から、事情や心情を考慮しない(ようにみえる)光二郎によって、関わる普通の人の事情と心情が明らかになる。

    光二郎は、このどうなる?次が気になる。
    光二郎を追い出した形になった、五七五口調が混じる雪江の今後の行動も気になる。

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    2018年07月29日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    こういうオムニバス形式のものには手を出していなかったけど、先日、3時のおやつを読んで、なかなかいいかもな…と思って読んだ。結果、とても面白かった。ハズレもなく、小さな繋がりを見つける楽しさもあった。軽いものばかりがあっさり詰まっているのでは?と思ってたけど、どれもしっかりした話だった。よい意味で作者が競い合うのかなぁ。

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    2018年07月21日
  • 原之内菊子の憂鬱なインタビュー

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    テーマは面白い。よくこのテーマでここまでまとまってるなと思う。展開はやや唐突な感じもする。まぁコメディタッチだし、ちゃんと面白いけど。

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    2018年07月13日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    これも大阪で買ってきた一冊。
    以前から読みたいと思っていた本です。

    スカイツリーを見上げる下町のかたすみに、
    ひっそりと息づく商店街がありました。
    それがー『明日町こんぺいとう商店街』。

    明日町こんぺいとう商店街を舞台にした7つの物語。
    七人の作家さんのアンソロジー。

    大島真寿美 『カフェスルス』
    大山敦子  『あずかりやさん』
    彩瀬まる  『伊藤米店』
    千早茜   『チンドン屋』
    松村栄子  『三波呉服店ー2005-』
    吉川トリコ 『キッチン田中』
    中島京子  『砂糖屋綿貫』

    読んだことのある作家さんは、彩瀬まるさん、中島京子さんの二人だけ。

    どの物語も心がほんわかします。

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    2018年06月06日
  • 猫弁と指輪物語

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    無類のお人好し、心優しき猫専門弁護士「猫弁」こと百瀬太郎が受けた依頼は、

    鍵のかかった部屋で妊娠していた猫のお相手探し。

    7歳の誕生日、施設に太郎を預け失踪した母の教えを守って、猫弁は今日も空を見上げる。


    サスペンスやハードボイルドを立て続けに読んだ後は、
    優しく癒してくれるミステリーを読みたくなる。

    サスペンスものは、スピーディーでギョッとするような
    展開の連続で、どうしても心が緊張してしまうから。

    リハビリめいた時間を過ごすのにぴったりの作品。

    「猫弁」シリーズの3作目。

    1作目から心をわしづかみにされた。いや、「わしづかみ」という
    表現では乱暴すぎる。

    ふんわりと柔らか

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    2018年04月20日
  • 猫弁と指輪物語

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    シリーズのなかで最初に読んだ本。
    ほっこりという本でありながら最後まで読者をひきつけるのがうまい。
    個人的には最後の、10ページの白川みうみうの回想や思いがつづられているところが大好き。
    野呂のように何度も何度も同じことを挑戦し、失敗を繰り返す。そして今だなお、掴んでいない。
    それがどうした?あきらめずにいること、挑戦し続けることほど難しいことはない。自分を褒めるべき、鼓舞するべきである。ジーンときて、大切なことを教わった。

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    2018年03月09日
  • 光二郎分解日記 相棒は浪人生

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    ミステリーの部分より登場人物のキャラクターに惹かれて読んでしまったって感じです。みんなのその後が気にかかるので次巻も読みます。

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    2018年03月31日
  • 猫弁と少女探偵

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    いままでのシリーズで一番面白かった!!!本当に星5まであと一歩!
    今回は三毛猫のエリザベス・アイザッハ・メアリーちゃんの謎がメイン。前出てきたときはちょっと嫌な感じだった野口美里が再び登場して、いい味を出してた。お金持ちすぎて感覚が違うだけで、根はいい人。なんか憎めない。
    ふたりの子供たちもかわいい。特に百瀬と京子の絡みが微笑ましかった。
    百瀬と亜子がいつも行く喫茶店のウェイターもいい。特に百瀬のアイスコーヒーも三杯目から無料にしてくれるのがくすっとした。登場人物それぞれが本当に魅力的。
    百瀬が亜子との付き合いによってどんどん人間らしくなっていく様子がじーんとする。まわりの人の「壁紙」じゃなく

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    2018年02月04日
  • 猫弁と指輪物語

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    いままでスポットライトが当たってこなかった人物についても描かれた今作。野呂さんやまことの魅力がさらに増した。
    引き続き百瀬と亜子の恋模様が本当にピュアでかわいい。「朝ご飯を食べる仲」ってそういうことじゃない!と思わず心の中でツッコミを入れてしまった(笑)
    百瀬の母についても言及され、2人が無事再会できるように祈ってしまう。
    今回も起こった事件が全て繋がっていく。構成はシリーズのどの本も同じではあるけれど、だんだんとひとつの作品の中でメインとなる謎が洗練され読みやすくなってきた。登場人物たちへの思い入れもどんどん深くなっていく。
    5まではいかないんだけど、シリーズが進むほど面白くなるから限りなく

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    2018年02月02日
  • 猫弁と透明人間

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    前作から更にパワーアップ!!
    百瀬を始め、大福さんも、野呂も、アパートの大家さんである梅園などなど登場人物が掘り下げられて、より愛着が湧くようになった。
    新しく登場した法律王子や透明人間も魅力的。この作品には悪人が本当に出てこない。
    前作よりしっちゃかめっちゃか感が減って、ひとつの話として読みやすくなった。
    百瀬と大福さんのゆっくり進んでいく恋の様子にもほっこりする。
    指輪を買いに行ったのにエンゲージシューズを買うことに決めてしまったり七重のキャットタワーを巡る騒動があったりと、笑えるシーンもたくさんありつつ、人情味あふれる展開に心が温まった。

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    2018年02月01日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街。
    大山淳子氏の「あずかりやさん」がとても良かったので、"出身地"である、こんぺいとう商店街のことをもっと知りたくなりました。

    個人商店が立ち並ぶ商店街は、現代では衰退の傾向にあるけれど、こんぺいとう商店街は、たたむ店あり、新しくできる店ありで細々と続いている。
    家業を継いだ若者や、出て行ってまた戻ってきた者、新しい商売の形、幼なじみと小さな恋の話など、懐かしい雰囲気の中で語られる。
    後に行くにしたがって、他の商店の名前が登場するようになって、箱庭世界が充実していくのが面白い。

    一軒目『カフェ スルス』 大島真寿美

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    2018年01月08日
  • イーヨくんの結婚生活

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    究極の純粋さと並外れた能力のおかげで他人から見れば上手く生きられないイーヨ君。
    でも本人は不満を感じることなく、むしろ人より幸せに生きており、それがだんだん周囲の人を変えて行く。
    猫弁の百瀬にも通じる魅力を感じました。

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    2017年12月24日
  • 光二郎分解日記 相棒は浪人生

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    理科や数学の先生で、良い意味で変った人を何人か思い出す。
    頭の中に独特の回路を持っているのだろう。

    二宮光二郎・75歳は、元中学校の理科の先生で、なんでも分解して直してしまう。
    無口だが、たまにしゃべると何言ってるのか解らないし、突然猛ダッシュしたりする。
    行動は奇矯だが、一本筋の通った人間で、そしてとても優しい。
    いいなあ、好きだなあ、大山さんの描く、こういう“変わり者”キャラ。

    いろいろ秘密を抱えている、シルバー人材センターの老人たちも個性的。
    “老人の勝ち組”って、あまり考えたことがなかったが、自分は負け組みだと思う人からは、勝ち組はまぶしく見えるのだろう。
    当たり前に受け取っている

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    2017年11月20日
  • 光二郎分解日記 西郷さんの犬

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    コミカルでハートウォーミングなミステリ第二弾。相変わらず楽しいなあ。「猫弁」シリーズとのリンクも若干あって、それもまたファンには嬉しいところ。たしかに事件はささっと解決しませんが、イライラはしなかったなあ。のんびりと物語を楽しみたい一冊です。
    西郷さんの犬の銅像盗難事件、振り込め詐欺、ドッグショーを巡る疑惑、などなど、個々の事件はさほど大きくないけれど盛りだくさんな内容。それがラストに向けてすべてきれいにつながっていく過程も圧巻だし、なんといっても光二郎をはじめとするキャラクターの魅力がとても良いのです。セリフの数々にも笑わされたり、はっとさせられたり、ほんわかさせられたり。あたたかい気持ちに

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    2017年10月22日
  • 光二郎分解日記 西郷さんの犬

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    光二郎分解日記シリーズ、2作目。

    光二郎さんの奥様、元子さんのおっしゃる通り、なかなか展開がササッと進まないけど、そこが全然イヤじゃなくて、微笑ましくて可愛くて、楽しかった。皆、いい人たちばかり。更に、猫弁のまこと先生が出てきた時は嬉しくて飛び跳ねそうになっちゃった。大山先生のワールドはホントに大好き。このシリーズも続いて欲しいな。

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    2017年10月08日
  • 光二郎分解日記 西郷さんの犬

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    「相棒は浪人生」に続く、「光二郎分解日記」シリーズの2作目。

    大山淳子さんは、解決まで時間がかかりイライラするミステリーを「イラミス」と呼んでいる。

    イライラするのは光二郎さんの言動ではない。前作を読んで、光二郎さんはブレない人だとわかったから。今回は、むしろ、孫のかける。

    あれ、前作のかけるは、こんなにポンコツだったっけ。
    ポンコツなのだが憎み切れない。やっぱり、「いい子だ」と思わされる、そこがイライラするのだ。

    さて、今作では、「おぼっちゃま」刑事の頭野の素性が明かされる。このシリーズのゆるやかな雰囲気に、どこか剣呑な空気が入り込む。

    上野の西郷さんの銅像から、愛犬の姿が消えた

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    2017年09月03日
  • 光二郎分解日記 相棒は浪人生

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    七十五歳で、元理科教師の二宮光二郎。趣味は分解。
    近頃、短期記憶があやしくなってきており、本人もそれを自覚している。
    そんな光二郎が、傷害事件の容疑者に…。

    人の優しい目線があふれている。
    年のせいか、やさしさに触れると、すぐにウルウルしてしまう。

    人、生きものは究極の孤独な存在だ。
    「ワタシ」は「アナタ」に、「アナタ」は「ワタシ」になれない。
    「ワタシ」の中に誰かが入り込んで、「ワタシ」の思考を読み取ってくれたとしても、
    「アナタ」の思考にはならない。

    そんな、限界のない孤独の中にいる生き物たち。

    昔、「ウサギは寂しいと死ぬ」という話があった。
    これは、間違いなのだそうだ。でも、人は

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    2017年09月03日