玉木亨のレビュー一覧

  • 白夜に惑う夏

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     アン・クリーヴスのシェトランド諸島を舞台とした4部作の2作目になります。
     前作に引き続きシェトランド署のジミー・ペレスが登場します。

     ペレスの恋人で画家のフランと地元有名人の著名画家のベラの共同個展が行われた会場でフランの作品を観て取乱した男が、翌朝首を吊って死んでいた。

     男は、ジェレミー・ブース、俳優でイギリスの小さな劇団の代表だったが、失踪していた。死因は、他殺と断定され捜査が始まった矢先に、有名画家ベラ・シンクレアの甥のロディが海岸の洞穴で死んでいるのが発見されるが、更には洞穴奥深くに人骨が発見された。

     海岸沿いの田舎街ビティスタに住む裕福で有名人の画家ベラ、ジェレミーの

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    2021年12月23日
  • 怪奇日和

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    ネタバレ

    アメリカの社会問題や差別問題を取り入れつつ、いろんな登場人物たちが収束していく様とハラハラ感、オチのムナクソ悪さが最高だった『こめられた銃弾』が一番好きかな。
    『棘の雨』がそのつぎに好き。

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    2021年08月03日
  • 白夜に惑う夏

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    <シェトランド四重奏>シリーズ第二作目は、白夜が空を覆う夏の季節が舞台。前作は閉鎖的な孤島という地の利を活かした作品だったが、今作では外部からの来訪者によって事件が引き起こされる。登場人物の心情描写が前作以上に緻密なため、非常に焦ったさを感じさせる仕上がりだが、真相解明まで物語を牽引する筆力は今作も健在。登場人物の抱える多様な承認欲求が描かれているので、犯行動機に直結してくるかと思いきや、そこをスルーするのは意外だった。終盤ではペレスとテイラーのコンビ解消が匂わされるが、さて次作の捜査はどうなるのだろう?

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    2021年04月14日
  • 地の告発

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    CL 2021.2.10-2021.2.14

    シェトランド四重奏のラストがショックで、次のシリーズが読めてなかったことに気がついた。
    これは新シリーズの3作目。相変わらず凛とした佇まいの味わい深い作品。

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    2021年02月14日
  • 怪奇日和

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    ネタバレ

    邦訳タイトルは「怪奇日和」だが、収録4作品はどれもホラーと呼ぶ類のものではなく、ファンタジー、サスペンス、SFにミステリーといった趣き。
    「こめられた銃弾」はアメリカならではの銃問題が題材とされており、映像作品を観ているような気分で読み進めることができるが、あまりにも胸糞悪い結末になかなかの衝撃を受けた。
    不思議な雲を舞台に、1人の青年が来し方を振り返って見つめ直し、呪縛から卒業して再生を遂げていく物語である「雲島」は、爽やかな成長譚として気持ちの良い読後感を得ることができた。

    収録順(特に頭に持ってくる作品)については、これで良かったのかどうか、ちょっと微妙な気がしないでもない…。

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    2021年01月17日
  • 大鴉の啼く冬

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    イギリス最北端に位置するシェトランド諸島、島民誰もが顔馴染みの集落で女学生殺人事件が発生する―。大寒波が押し寄せる真冬という作中季節に加え、事件に挑むのはバツイチで出自に訳ありの出戻り刑事。本土から遠く離れた孤島というシチュエーションといい、北欧らしいローカルで仄暗い世界観が堪らない。派手さのない堅実な筋運びで、言ってしまえば地味な作風だが、クライマックスに至るまでの積み上げが実に緻密。村社会の閉塞感、そして家族や学校の抱える諸問題は万国共通なのか。やはりミステリーは米国発より北欧発の方が私は好きですね。

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    2021年01月13日
  • 凍った夏

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    3+

    タイトルだけ見て夏の物語だと思って8月から読み始めたが、メインは記録的大寒波到来中の極寒の真冬。本の中の季節感など想像力でどうとでもなるとは言え、残暑厳しい現実とのギャップは著しく、なかなか読み進められない。冬の物語は冬に読んだ方がより浸れるよなあとしみじみ思う。

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    2020年10月28日
  • 空の幻像

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    ネタバレ

    ペレス警部最新作。
    少しフランの死から復活感がある。
    またサンディが少し成長。
    この辺りのせいか若干話の雰囲気が明るめ。
    ただ最後の真相はお決まりになりつつある展開。
    次作に期待。

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    2018年07月23日
  • マスター・スナイパー

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    大好きなスティーブンハンター。
    ただ、スワガーシリーズほどワクワクしないのは
    きっとスナイパーが主人公側にいないからだ。

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    2018年07月18日
  • 水の葬送

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    ネタバレ

    「シェトランド四重奏」を経ての新たなジミー・ペレスシリーズ。前四部作目のラストがあまり好きではなかった。そこからの今作はペレスの内面の暗さ、捜査の過程で少しずつではあるけれど立ち直っていく姿が印象的。ただ今作はあまり魅力的ではなく次作を手に取るかは迷うところ。

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    2018年05月27日
  • 青雷の光る秋

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    ネタバレ

    シェトランド四重奏最終話。相変わらず少し重い雰囲気で進行するが、今回はいつもに比べてすこし柔らかい印象で読んでいたのだが、、、。最後はあまりに悲しい。せっかくならハッピーエンドが良かったのに。次作があるとのこと。早めにこの後を確認したい。

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    2016年10月27日
  • 野兎を悼む春

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    シェトランド四重奏3作目。ペレスの部下、サンディの故郷での話。おもしろくない訳ではなかったが、なかなか読み進めにくく時間がかかった。

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    2016年08月19日
  • 白夜に惑う夏

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    シリーズ2作目。1作目に続き、少し重苦しい雰囲気の中淡々と物語が進行していく。結末はやはり重いが、なかなか面白かった。次作に期待。

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    2016年06月28日
  • 大鴉の啼く冬

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    シェトランド四重奏の1作目。イギリスの北にある島での殺人事件。丁寧な描写で読みやすかった。次作に期待。

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    2016年05月03日
  • 大鴉の啼く冬

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    ネタバレ

    ていねいに描き込んであり、良い作品。伏線が多いため、普通に読んでいれば犯人はすぐにわかる。荒涼とした風景に息が詰まる人間関係。でも、訳がちょっとなあ。そのまんま訳しているので、これはどういう趣旨で書いているのか、と脳内転換して読まなければならないのが難。続編は、日本語訳ではなく、頑張って原書で読んだ方がいいのかも。こんな訳だから海外ミステリが売れないのでは? 原題Raven Black

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    2016年01月16日
  • 野兎を悼む春

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    シェトランド四重奏第3弾。
    このシリーズで読むのに一番時間がかかった作品。
    舞台がシェトランドからウォルセイ島に移って、島が狭くなって息苦しさを感じるのかな?と思ったけど、この後の4冊目ではもっと狭い島でそれを感じなかった。
    ちょっとしんどかったけど、サンディ刑事の成長ぶりは見ていて嬉しい。

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    2015年12月14日
  • 白夜に惑う夏

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    シェトランド四重奏第2弾。これがいちばんミステリらしい仕立てに感じた。
    白夜とお祭りと、夏らしい華やかさを感じる。

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    2015年12月14日
  • 青雷の光る秋

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    シェトランド四重奏シリーズ第四作目。この作品でシリーズ完結する。主人公ペレス警部の故郷のフェア島という島での殺人事件の話。主人公は婚約者と訪れていた島の、バードウォッチャーのための施設であるフィードセンターで殺人事件が起こる。嵐のために島が孤立する中で主人公が一人で調査とすることになる。何もない島で生活する島民と、わざわざ鳥の観察のために島に訪れる外の人間との違いや、未来の生活を悩む人たちの様子が伝わる作品。主人公と婚約者のいい関係がほっとさせる。結末は意外で、衝撃的だった。残念な気持ちが大きいが、ペレス警部シリーズとして作品が出ればいいなと願う。

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    2015年05月25日
  • 野兎を悼む春

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    シェトランド四重奏シリーズ第三作目。今回は主人公ペレス警部と同署で勤務するサンディ刑事の故郷ウォルセイ島が舞台。祖母の死体をサンディ刑事が発見し、ペレス警部と捜査を進める。祖母の農場で考古学の学生らが発掘調査をしていたことがきっかけで、島の遠い過去の出来事とが重なり佐通人事件に発展していく。前作同様過去の秘密が現在の殺人に繋がるパターン。今作はきっかけとか動機とかそういう部分が前作より浅く感じた。狭い島に住む人の閉塞感を感じながら読むのに慣れてきたかも。

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    2015年05月22日
  • 大鴉の啼く冬

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    アン・クリーヴスの「シェトランド四重奏」と言われるシリーズの第一作目。シェトランド島という小さい島でおこる殺人事件の話。女子高校生が死体で発見され、変人扱いされている老人が島中の人々から疑われる。それを島出身の警部と本土から派遣された警部が解明していく。閉鎖された島のなかで、誰もが知り合いという状況や、住みにくいのか住みやすいのかわからない様子などがよく描かれている。ストーリーは多くない登場人物の間でスムーズに進んで読みやすい。謎解きも納得できてまとまっていた。

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    2015年05月17日