玉木亨のレビュー一覧
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アン・クリーヴスのシェトランド諸島を舞台とした4部作の2作目になります。
前作に引き続きシェトランド署のジミー・ペレスが登場します。
ペレスの恋人で画家のフランと地元有名人の著名画家のベラの共同個展が行われた会場でフランの作品を観て取乱した男が、翌朝首を吊って死んでいた。
男は、ジェレミー・ブース、俳優でイギリスの小さな劇団の代表だったが、失踪していた。死因は、他殺と断定され捜査が始まった矢先に、有名画家ベラ・シンクレアの甥のロディが海岸の洞穴で死んでいるのが発見されるが、更には洞穴奥深くに人骨が発見された。
海岸沿いの田舎街ビティスタに住む裕福で有名人の画家ベラ、ジェレミーの -
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ネタバレ邦訳タイトルは「怪奇日和」だが、収録4作品はどれもホラーと呼ぶ類のものではなく、ファンタジー、サスペンス、SFにミステリーといった趣き。
「こめられた銃弾」はアメリカならではの銃問題が題材とされており、映像作品を観ているような気分で読み進めることができるが、あまりにも胸糞悪い結末になかなかの衝撃を受けた。
不思議な雲を舞台に、1人の青年が来し方を振り返って見つめ直し、呪縛から卒業して再生を遂げていく物語である「雲島」は、爽やかな成長譚として気持ちの良い読後感を得ることができた。
収録順(特に頭に持ってくる作品)については、これで良かったのかどうか、ちょっと微妙な気がしないでもない…。 -
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Posted by ブクログ
シェトランド四重奏シリーズ第四作目。この作品でシリーズ完結する。主人公ペレス警部の故郷のフェア島という島での殺人事件の話。主人公は婚約者と訪れていた島の、バードウォッチャーのための施設であるフィードセンターで殺人事件が起こる。嵐のために島が孤立する中で主人公が一人で調査とすることになる。何もない島で生活する島民と、わざわざ鳥の観察のために島に訪れる外の人間との違いや、未来の生活を悩む人たちの様子が伝わる作品。主人公と婚約者のいい関係がほっとさせる。結末は意外で、衝撃的だった。残念な気持ちが大きいが、ペレス警部シリーズとして作品が出ればいいなと願う。