玉木亨のレビュー一覧
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スコットランドの北に浮かぶシェトランド島が舞台。
完全な孤島というわけではないが離島。
本土とはやや違う風習。寒い灰色の風景。
そして、本土から来たヨソモノ。明らかにあやしい老人。
そんな感じが、所謂「クローズドサークル」の雰囲気を盛り上げて面白い。
以上、”イカニモ”な感じの設定なのに、読みすすむのはその筆致にあるとおもう。
それに、クローズドサークルの犯人が誰でしょう?が主題はではない。
#もっとも、私としては意外な犯人でしたが。
このシェトランドという「クローズドサークル」な社会と人々を描いたおはなし、と言って良いのではないだろうか。
そのへんに、イカニモな設定にもかかわらず、グイグイと引き込まれる要素だあったのではないかと思うのである。 -
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シェトランド島を舞台にしたミステリ。「大鴉の啼く冬」に続く2作目。4作でまとまるそうです。
地元の名士で成功した女性画家ベラの開いたパーティ。
ベラの甥で有名なミュージシャンのロディも花を添える催しだったが、画廊のある豪華な邸宅に集まった人数は意外に少なめで、これが最初の展示だったフランは内心がっかり。
絵を見て泣き出した男性がいて、地元警官のペレスが話を聞くと、記憶がないようなことを口走る。
翌日、無人の建物でピエロの仮面をかぶった死体で発見され…
パーティは取りやめになったという偽のチラシが配られていたこともわかります。
夜も暗くならない、そんな時期にはおかしな事も起こるという荒涼とした村。
地元の人々の暮らしがわかりやすく描かれ、いい感じです。
同じ小学校に通った幼なじみがほとんどそのまま暮らしている村。何も秘密はないようでいて、少しずつ秘密があった‥
主に地元警官のジミー・ペレスの視点で描かれます。
スペイン人が漂着した子孫で、黒髪で肌の色も濃い、英国最北で北欧に近い気候の村では異色の存在。
前作のヒロイン、フラン・ハンターとしだいに仲が深まっていくのも微笑ましい。
前作でも登場したスコットランド本土のインヴァネス警察のテイラー主任警部も、ペレスとは対照的にプライドが高く、本当は理詰めで力づくで押すタイプ。ペレスのやり方が合う場合と認めつつもなかなか思うように動けなくて内心イライラしているのが、おかしい。
これが2作目なら上手すぎるけど、実はベテラン。前作でCWA最優秀長篇賞を受賞しています。 -
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シェトランド島を舞台とする4部作の1作目だそう。ほぼタイトル通りの期待に応える雰囲気と内容です。
女性作家が書いているだけあって、地元のペレス警部もちょっとイイ感じ。本土のインヴァネス署から来たテイラー警部と共に、捜査に当たります。
雪に埋もれた風景の中を行き来する女子高生、その親たち、バイキングのような船主の息子、幼い子を連れた離婚女性フラン、大金持ちのフランの元夫、知的障害のある一人暮らしの老人マグナス…
誰もがよく知り合っている村で、1年前に越してきた娘キャサリンが殺された。
数年前の少女行方不明事件も思い出させて、大きな祭りへ向かう時期に、村は紛糾する。
スコットランド北端からノルウェーへ向かう架け橋のような島の形。
その中でも寒村というと、想像を絶するものが。
でも現代なんで、車で行けば大きな街もあるんだけど。
離婚後もこの地に留まっている女性フランがヒロインで、ペレス警部としだいに仲が深まりそう。
2006年、CWA最優秀長編賞を受賞した作品。 -
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本の初めの宣伝文によると、英国本格ミステリとのこと。全編シリアス調のイギリスの冬の暗い雰囲気が漂っている。翻訳は読みやすいが、風景描写などの記述で見慣れない単語が時々出てくる。事故死に見える事件を新聞記者が謎を解く物語だが、そもそもの初めの事件記述から疑うことのできる内容が省かれている。途中の説明で少しずつ解明されているが、最初から疑う内容に思う。作者はD.セイヤーズを慕っているようだが、セイヤーズの方が読みやすい(例えば、『不自然な死』はすばらしい)。伏線も推理もあり、決して駄作ではないとは思うが、J.D.カーの不可能性と、結末の意外性は残念ながら感じられなかった。
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とある集合住宅の一室で、一人の男性の死体を前に向かい合う二人の女性。
なぜ、何があったのか?
そこから、若いエラの視点では過去へと話が遡り、年上のモリーの視点では、未来へと話が進んでいきます。
凝った構成で、緊密な展開。
二人は、社会運動家。
集合住宅の取り壊しによる立ち退きに抗議して、住民に協力しています。
高層ビルが既に目の前で建築中という状態なので、諦めて出ていった人も増えてきました。
若いエラは、成り行きで反対運動のシンボルのようになっていたのですが…
モリーは、長年様々な運動に携わってきましたが、年齢的な衰えを感じ、悩んでもいます。
この件で知り合ったエラには、力になりたい感情を抱くのですが?
パワフルで魅力がある、若い女性はどこへ向かうのか。
イギリスの社会運動の現実にも触れる、辛口な内容。
誰にでもオススメというのではないけれど~
読みごたえはありました☆ -
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1人の男性の死体を前にして、2人の女性が対峙する。そこから片方は未来へと、片方は過去に遡って語られる。男性は一体誰なのか。次々と出てくる人物たちにも詳しい説明はされず、2人の女性は常に不安定で猜疑心の塊。特にエラは言っていることが出まかせで危なかっしく信用できない。2人を全く好きになれず、一体何が言いたいのか?どこへ行きつくのかと、読み進めるのが少々しんどかった。矛盾だらけの活動家たち、男性優位を振りかざした警察の権力、どちらも気分が悪かったが、生きづらい女性たちを描いた、辛口シスターフッドの話だったんだな、と最後はいろいろ終わってホッとした。
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ここ数ヶ月かけて読み続けていたシェトランドシリーズがとうとう完結。
最初の頃に抱いていたシェトランドのイメージは
のどかな風景、自然に囲まれた素朴な人々、だったけど、読み終えた今は、
プライバシーゼロ、噂話にあふれた知り合いだらけの場所、というふうに変わった。
シリーズを通して描かれたのはやっぱり家族。
ただただ幸せなだけではない、複雑で、変化しやすく、離れ難い関係を、様々な家族を通して繰り返し繰り返し見せられて来た作品だった。
今回の殺人事件の結末は辛いものだったけど、
メインキャラクターたちのラストは明るい兆しの見えるもので良かった良かった。
いや、でも、ペレスに関しては
わたしとしては「うーーーん」でしたけどね! -
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あれっ、
確かわたしはミステリーを読んでいたはず…
なんだけど、もはやこのシリーズ、
ジャンルはミステリーと言うよりは人間ドラマ。
ザ・シェトランドの人々。
おなじみの登場人物や、何かありそげな住民たちの
頭の中を覗き、その関係性をあれこれと想像するのが日常となり、犯人が誰なのかは二の次になってきた。
今回はシリーズ一作目に登場し、犯人扱いされた老人
マグナスが再登場。
愛すべきキャラクターだった彼がなんだか懐かしく、しんみりとした気持ちになった。
と、ここからは心の声です- - -
あ〜、それにしてもペレスの恋心がもうやばい!
元々が真面目なだけに、どうなってしまうのか?
お願いだからもうその辺でやめて…と願ってる。
サンディの恋は応援できるのになぁ。
いよいよ次はシリーズ最終巻!