玉木亨のレビュー一覧

  • 水の葬送
    衝撃のシェトランド四重奏終幕を経て、新たなるシーズンの幕開け。

    すっかり心ここにあらずのジミー・ペレスは、まぁそうだよねといったところだが、そのエース不在を補おうと奮闘するサンディの頑張りにエールを送りたい。
    何かと自信がなかったり、びくびくしてはいるものの何とか一人前になろうともがく姿がいじらし...続きを読む
  • 炎の爪痕
    2007年発行の「大鴉の啼く冬」に始まった「シェトランド四重奏(カルテット)」から続いた「ペレス警部シリーズ」、こちらも4作目で完結です。

    英国最北端(つまりスコットランド最北端)のシェトランド諸島。
    荒涼とした景色が美しいが、冬は厳しく、開発もされているが、新しく住む人はそう多くはない。
    イング...続きを読む
  • 炎の爪痕
    『シェトランド』シリーズ最終巻。
    相変わらずの切れ者警部、ジミー・ペレス。だけど同時にこのオトコ、ダメダメ男。そこが魅力的なんだけれど。

    シェトランドである程度裕福なふたつの家族。次々と関係者が殺される。

    あんなに美しい諸島なのに人間臭いドロドロとした感情が見え隠れする。
    嫉妬、憎悪、それらがつ...続きを読む
  • 炎の爪痕
    シェトランド島シリーズの八作目。

    ウィローが妊娠(!)を告げたのに、
    喜びもせず感じの悪いペレス。
    たしかに、
    刑事の仕事をしながら、
    元婚約者の娘キャシーを育てるだけでも大変なのに、
    もうひとり子供を持つことの責任の重さに腰が引けてしまうのはわかるが。

    前の家の持ち主が納屋で首吊り自殺をしたた...続きを読む
  • ブラック・フォン
    文句なしに大満足の一冊。ジョー・ヒル「お試し」としては十分すぎる内容。こんなにも気持ち悪くて、こんなにも美しい物語を、様々なスタイルで読めるなんて。
    私のお気に入りは「ポップ・アート」。近年読んだ中で最も美しい物語。イタロ・カルヴィーノの「木登り男爵」のラストを思わせるクライマックスには泣けました。...続きを読む
  • 地の告発
    シェトランド四重奏という4部作の続きで、ペレス警部シリーズとして通すと7作目。

    英国最北端のシェトランド諸島。
    狭い社会で、村の人間はお互いに何でもよく知っていると思われていたが…
    ペレス警部がささやかな葬儀に出席していた時、突然大きな地滑りが起こった。
    目の前で、農場と墓地を巻き込む事態に。
    ...続きを読む
  • 地の告発
    シェトランド島シリーズの七作目。

    一作目に登場した、いや重要人物だったといって良い隣人が亡くなり、
    その葬儀の最中に地滑りが発生する。
    土砂が直撃し破壊した家は人が住んでいないはずだったが、
    女性の遺体が発見され、検死で殺人だと判明する。
    女性は誰なのか、なぜ空き家にいたのか。

    サンディは前作で...続きを読む
  • 空の幻像
    シェトランド島シリーズの六作目。

    ペレス警部はだいぶ復調したようで良かった。
    事情聴取ではひたすらに相手の言葉を待ち、
    ふらりと単独捜査に出てしまうペレス警部に、
    ウィロー警部がいらいらするのはよくわかる。
    単独捜査をするならするで、
    ガーっと猪突猛進してくれた方が良いかも、と。

    アントス島で行...続きを読む
  • 空の幻像
    アン・クリーヴスのシェトランド島シリーズ4部作の続き。
    ペレス警部シリーズとして通して考えると、6作目。

    4部作で衝撃のラストを迎え、5作目では休職して悲しみに沈んだままのペレスが、事件が起きたため途中からやむなく参加していくという展開でした。
    この作品では仕事にはいくらか意欲的になっています。
    ...続きを読む
  • 地の告発
    アン・クリーブスの、シェトランドシリーズ第二弾、三作目。前のシリーズで最愛のフランを亡くして以降、まだ立ち直れなかったペレス警部だったけれど次第に以前の冴えとその人となりを武器にした捜査力を取り戻してゆく姿にホッとした。しかも、今回は主任警部(上司)との一歩前進した関係も。

    狭い島の多くはない人間...続きを読む
  • 空の幻像
    シェトランド諸島を舞台に、その自然の美しさや住む人の人情の厚さや人間関係などもうお馴染みになったしまっているはずなのに読むごとに発見する新しい、もしくは古い因縁めいた出来事に心奪われる。
    そして今回もまた。
    幽霊譚、過去に起きた悲しい事件をも踏まえて、今を生きるカップル、親子関係も事件に関わってゆく...続きを読む
  • 水の葬送
    シェトランド四重奏の最後、あの終わり方がどうにも腑に落ちなかったのでその続編!
    ペレス警部が帰ってきたという嬉しさと共に、まだまだ知らなかったシェトランド諸島の別な魅力や問題にもふれることが出来て大満足。
    新しい登場人物もあり、これまでのあの人のあんな横顔や過去も…
    サンディ、大人になって見直してし...続きを読む
  • 炎の爪痕
    ジミーペレスのシリーズ最終話。何はともあれジミーペレスがようやく幸せになれそうで良かった(子どもが出来たとウィローから聞かされた時の、ジミーの態度は酷かったけど!)。事件の方は犯人も含めて、後味が悪かった。追い詰められた子どもたちと無関心の親、虐待の連鎖。子どもが関わる犯罪はとても悲しい。
  • 地の告発
    比較的懇意にしていた知人の葬儀の最中、轟音と共に大規模な地すべりが発生。
    土砂は丘の斜面を駆け抜け、幹線道路を挟んだ農家を直撃。
    亡き恋人フランの墓石も流されてしまうような惨事の中、落ち着きを取り戻したジミー・ペレスは被害の状況を確認しに農家へと向かう。
    そこで発見された赤いドレスに着飾った美しい女...続きを読む
  • 地の告発
    ジミー・ペレスの新作「炎の爪痕」を読もうとしたら、1個前の作品を読んでなかった。前回ウィローが出てきた時、あんまり好きになれないなと思ったが、今回ジミーとの仲が進展して、彼女の印象も変わって、素直に良かったなあと思えた。
    事件は、地滑りで流された家で殺された女性が見つかるところから始まる。近くに住む...続きを読む
  • 炎の爪痕
    司書さんから個人的にお借りした本ですが、シリーズ最終巻でした。(なぜこの本を?)
    シリーズの主人公はシェトランド署の警部で、過去に婚約していた女性の娘と二人暮らし。
    婚約していた女性は目の前で刺殺されたらしく、そのトラウマから抜け出せないでいる。
    しかし、シェトランドを含む広域を管轄する主任警部と現...続きを読む
  • 炎の爪痕
    ペレス警部の自宅を訪れたのは、シェトランド本島に一家で移住してきたヘレナ。彼女はまえの持ち主が納屋で自殺して以降、何者かが家に侵入して謎めいた紙片を残していくことに悩まされていた。その納屋で、今度は近所の家の子守りが死体で見つかり、ペレスが捜査担当者となるのだが──。

    第二作を読んで以来、12年ぶ...続きを読む
  • 炎の爪痕
    CL 2023.3.30-2023.4.2
    シェトランドシリーズ最終章。
    シェトランドという舞台らしいしみじみとした物語が好きだった。今回の真相はやりきれなさが残るけど、ペレスやウィローが地道に捜査を重ねていく過程が好き。ペレスの生活も事件とともに変化してきて、このラストは希望があってよかった。
  • 水の葬送
    イギリスの作家「アン・クリーヴス」の長篇ミステリ作品『水の葬送(原題:Dead Water )』を読みました。

    『大鴉の啼く冬』に続き、「アン・クリーヴス」作品です。

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    シェトランド島の地方検察官「ローナ」は、小船にのせられ外海へ出ようとしていた死体...続きを読む
  • 凍った夏
    イギリスの作家「ジム・ケリー」の長篇ミステリ作品『凍った夏(原題:The Coldest Blood)』を読みました。

    「オリヴァー・ハリス」に続き、イギリスのミステリ作品です。

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    〈現代英国本格の頂点〉が贈る、純度100%の謎解き!
    肘掛け椅子に座...続きを読む