玉木亨のレビュー一覧
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ネタバレ恋人のフランと有名画家ベラ・シンクレアが開催する絵画展にやって来たペレス警部。ベラの自画像を見て泣き崩れる男。厨房でペレスが話を聞くと記憶がないと語る男。シェフのマーティンと男を残し会場に戻った隙に消えた男。翌日ピエロの仮面をつけケニーの所有する小屋で首を吊って死んでいた男。他殺と断定された遺体。ベラに失恋して失踪したケニーの兄ローレンスの可能性を示唆するマーティンの母親でケニーたちの友人のアギー。来場者の少なかった絵画展。何者かの妨害工作。ペレスがつかんだ男の正体。教育劇団のジェレミー。発見されたベラの甥ロディの遺体。。ローレンスの失踪に自分は関係ないと証言するベラ。ロディの遺体発見現場で見つかった古い人骨。ベラの屋敷の写真に写っていたジェレミー。ローレンスの失踪当時に島にやって来ていたジェレミー。ローレンスとケニーの妻エディスとの関係。
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シェトランド四部作の三作目。最終作が出たのを知り、慌てて読む。「本の雑誌」で矢口誠さんがその最終作について「予想を遙かに超える衝撃度」「ある意味これは究極の反則技」と紹介していた。うーん、期待しちゃうなあ。
本作は、シリーズ前作と同じくエキゾチックな大人のミステリ。シェトランドの小さな島で起きた事件をめぐって、おなじみペレス警部が錯綜する人間関係に分け入っていく。この警部が突飛なところのないじっくりした人柄で、好感を持って読んでいけるところがいい。また、今回特に感じたのが、女性の描き方が丁寧で、ミステリによくあるステロタイプなパターンに陥っていないことだ。これはそんなにたやすいことではないと思う。
さあ、この四部作はどんなふうに幕切れを迎えるのか。楽しみだ~。 -
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シェトランド四部作の三作目。今回フランはロンドンヘ行っていてほとんど出てこない。テイラーも出番なし。代わりに出ずっぱりなのがサンディ。前作までは幼稚で浅はかなお荷物くんという描かれ方でしたが、今回故郷の島で祖母の死んでいるのを発見し、事件の当事者関係者がみな自分の近親者であるというむつかしい立場に身を置くことになり、ペレスだったらどうふるまうだろうかと想像しながら対応しているうちに身の処し方がわかってきて、ペレスをして「新しいサンディ」と言わしめる成長を見せます。一度も島を出たことがないが個性的で発展的だったサンディの祖母ミマと、ミマの敷地で遺跡の発掘作業をしていた内向的な本土の学生ハティの二人の女性の対比が印象的。人間ドラマが相変わらず読み応えがありましたが今回謎解きはやや後味が良くなくて残念でした。
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シェトランド諸島シリーズの2作目。原題はWhite Nightsで、夏の白夜の季節の出来事が書かれています。ペレス警部とフランは慎重になりながらも互いに抱いていた好意を大切にしながら付き合いを深めており、読みどころとなっている島の住人たちの人間関係の中で、ひとつの大きな流れになっています。前回ペレスとタイプは違いながら良好な協力関係を築いた本土の警部ロイ・テイラーも登場。今回は都会のペースで物事が進まないことにジレて自分を制御しきれないテイラーと、島の時間、島の感覚で地元を理解しながら捜査を進めたいペレスとの間がかなりギクシャク。仕事にやりがいと意義を認めつつも、フランとの関係も大切で、どちらにも優劣をつけられずに割り切れない悩みを抱えるペレスがとても人間くさくて好感が持てます。事件は、フランが島に住むカリスマ女性アーティストと一緒に開いた展示会のオープニングセレモニーに現れ突然泣き始めた謎の男が、翌朝死体となって発見されるという、島の日常とはかけ離れたもの。真相は過去に起こったことに端を発しており、ペレスの粘り強く根気のある聞き込みなどから、明らかになります。謎ときと同じくらい、島という濃密な小社会の人間関係が興味深く読み応えがあります。解説が丁寧でした。順番にあと2作も読むつもりです。
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シェトランド四重奏の3作目。
独特な雰囲気が魅力的。
日本紹介は最近だけど、実はベテランの実力派。
スコットランド最北端の島で起きる事件が、綿密に描かれます。
ペレス警部はスペイン人が漂着した子孫で、浅黒い肌とスペイン系の名前を持っています。
今回は、若い部下サンディ刑事が故郷ウォルセイ島に帰っているときに事件が起きて…
霧の深い夜、いつになく農場に出ていた祖母ミマが射殺されたのです。
兎を狩りに出ていた隣人の誤射らしいということにはなりますが、それにしても不自然。
その隣人も、サンディにとっては親戚で、子供の頃からの友達一家なのです。
祖母ミマは個性的で奔放、若いときに何か事件があったという噂もありました。
ミマの息子であるサンディの父親はミマと仲が良く、母の死を深く悼みます。
サンディの母親は主婦ながらやり手で面倒見が良く、ミマとは対照的な性格でした。
ペレス警部も、捜査に訪れます。
島の古代遺跡は何度か調査され、今はミマの農場の一隅を発掘するために、村には考古学を学ぶ大学生らが滞在していました。
骨が発見され、考古学的な発見かと色めき立っていたのですが。
研究に打ち込んでいる女性も、いきいきと描かれています。
長年にわたる村の人間関係が濃密。
狭いけれど、互いによくよく知っているようで、どこかすれ違ってしまう所もあって。
のんきな若者が身近な事実に直面して、成長する話でもあります。
ペレス警部は今回は恋人にあまり会うこともなく、一人で捜査に当たる時間が長いのですが。
その間に思いを募らせて、それなりに進展が…?
単純でない読み応えを楽しめるシリーズです。