玉木亨のレビュー一覧

  • 青雷の光る秋

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    そうかあ、「本の雑誌」で矢口誠さんが「衝撃」と書いていたのはそっち方面(ドラマとして)のことだったのか。私はてっきりこっち方面(ミステリとして)だと思い込んでて、正直ちょっと肩すかし。

    でも「シェトランド四重奏」してとてもよくまとまっていて、再読に耐える上質の作品ばかりだと思う。四部作の中ではやはり「大鴉の啼く冬」がいちばんいいかな。シェトランドの荒涼たる冬の雰囲気が素晴らしい。シリーズとしてはまだ続くようなので楽しみだ。

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    2013年07月05日
  • 野兎を悼む春

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    シェトランド四部作の三作目。最終作が出たのを知り、慌てて読む。「本の雑誌」で矢口誠さんがその最終作について「予想を遙かに超える衝撃度」「ある意味これは究極の反則技」と紹介していた。うーん、期待しちゃうなあ。

    本作は、シリーズ前作と同じくエキゾチックな大人のミステリ。シェトランドの小さな島で起きた事件をめぐって、おなじみペレス警部が錯綜する人間関係に分け入っていく。この警部が突飛なところのないじっくりした人柄で、好感を持って読んでいけるところがいい。また、今回特に感じたのが、女性の描き方が丁寧で、ミステリによくあるステロタイプなパターンに陥っていないことだ。これはそんなにたやすいことではないと

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    2013年05月30日
  • 青雷の光る秋

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    読んだ〜!
    ジミー・ペレスのうじうじしつつも洞察力もある読み、でも結局はなにもできずーーーー。
    クリーヴスのこの4部作は、謎解き的な興奮度よりも、描かれる人たちがみんななんか一癖、二癖あって、そのドラマが面白い。ちょっとうじうじが目に付きすぎなときもあるんだけど、最終的には、嫌いじゃないんだよな。ジミーのあのいい人度。

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    2013年04月07日
  • 白夜に惑う夏

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    前作「大鴉の啼く冬」に続いてシェトランドが舞台のミステリー。エキゾチックな雰囲気たっぷりで楽しい。「白夜」っていうのがなんとも魅惑的。こういうのが海外ミステリを読む醍醐味だなあと思う。みんながお互いのことを知っている小さなコミュニティだからこそ、誰もが秘密を持っている、というくだりにはうなった。春秋編もあって四部作らしい。楽しみだ。

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    2013年02月02日
  • 野兎を悼む春

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    シェトランド四部作の三作目。今回フランはロンドンヘ行っていてほとんど出てこない。テイラーも出番なし。代わりに出ずっぱりなのがサンディ。前作までは幼稚で浅はかなお荷物くんという描かれ方でしたが、今回故郷の島で祖母の死んでいるのを発見し、事件の当事者関係者がみな自分の近親者であるというむつかしい立場に身を置くことになり、ペレスだったらどうふるまうだろうかと想像しながら対応しているうちに身の処し方がわかってきて、ペレスをして「新しいサンディ」と言わしめる成長を見せます。一度も島を出たことがないが個性的で発展的だったサンディの祖母ミマと、ミマの敷地で遺跡の発掘作業をしていた内向的な本土の学生ハティの二

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    2012年10月11日
  • 白夜に惑う夏

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    シェトランド諸島シリーズの2作目。原題はWhite Nightsで、夏の白夜の季節の出来事が書かれています。ペレス警部とフランは慎重になりながらも互いに抱いていた好意を大切にしながら付き合いを深めており、読みどころとなっている島の住人たちの人間関係の中で、ひとつの大きな流れになっています。前回ペレスとタイプは違いながら良好な協力関係を築いた本土の警部ロイ・テイラーも登場。今回は都会のペースで物事が進まないことにジレて自分を制御しきれないテイラーと、島の時間、島の感覚で地元を理解しながら捜査を進めたいペレスとの間がかなりギクシャク。仕事にやりがいと意義を認めつつも、フランとの関係も大切で、どちら

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    2012年09月19日
  • 白夜に惑う夏

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    面白かった。

    地味な展開で、自分好み。

    読み終わった後、暗い夜のシーンはなかったのだと思うと不思議な気がします。白夜は一度体験してみたいなぁ。

    「大鴉の啼く冬」は以前読んだと思うのだけれど、なぜか思い出せない。もう一度読んでみようっと。

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    2012年08月29日
  • 野兎を悼む春

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    ネタバレ

    終わってみれば犯人自体は至ってシンプル、動機はやや強引さを感じるもので新しさやすっきり感は少ないのだが、事件解決に至るまでの人間模様の描き方が秀逸。

    特に複数視点で語られていく物語の中で、微妙に広い空白の時間を忍ばせながらのカット割がくせになる。最初は唐突に場面転換するので、違和感を感じたが、慣れてくるととても技量を感じさせる味のある書き方だと思った。

    期待以上におもしろかった。

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    2024年05月03日
  • 野兎を悼む春

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    シェトランド四重奏の3作目。
    独特な雰囲気が魅力的。
    日本紹介は最近だけど、実はベテランの実力派。

    スコットランド最北端の島で起きる事件が、綿密に描かれます。
    ペレス警部はスペイン人が漂着した子孫で、浅黒い肌とスペイン系の名前を持っています。
    今回は、若い部下サンディ刑事が故郷ウォルセイ島に帰っているときに事件が起きて…
    霧の深い夜、いつになく農場に出ていた祖母ミマが射殺されたのです。

    兎を狩りに出ていた隣人の誤射らしいということにはなりますが、それにしても不自然。
    その隣人も、サンディにとっては親戚で、子供の頃からの友達一家なのです。
    祖母ミマは個性的で奔放、若いときに何か事件があったと

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    2023年07月15日
  • 白夜に惑う夏

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    ネタバレ

    島の探偵シリーズとしては第2弾だそうです。今回も、人が二人死んで、発見者が同じ人物というのは、前回と同じでした。登場人物にも慣れてきたので、読みやすかったです。

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    2011年06月18日
  • 大鴉の啼く冬

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    スコットランドの北に浮かぶシェトランド島が舞台。
    完全な孤島というわけではないが離島。
    本土とはやや違う風習。寒い灰色の風景。
    そして、本土から来たヨソモノ。明らかにあやしい老人。

    そんな感じが、所謂「クローズドサークル」の雰囲気を盛り上げて面白い。

    以上、”イカニモ”な感じの設定なのに、読みすすむのはその筆致にあるとおもう。
    それに、クローズドサークルの犯人が誰でしょう?が主題はではない。
     #もっとも、私としては意外な犯人でしたが。
    このシェトランドという「クローズドサークル」な社会と人々を描いたおはなし、と言って良いのではないだろうか。

    そのへんに、イカニモな設定にもかかわらず、グ

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    2021年02月20日
  • 白夜に惑う夏

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    シェトランド島の小さな村を舞台にしたミステリ。謎解きより、丁寧に描かれた登場人物ひとりひとりの背景や経歴がおもしろかった。みなが子どものころから一緒に育ち、互いをよく知っているような小さな村、ってきくと、家族みたいな助け合う関係、なんて思えるけど、そうじゃあなくて、みなが知り合いだからこそ、かえって踏み込みすぎないようにいろいろ見てみないふりをする、みたいな感じがこわかった。 謎解きが、えーなんだあれはあんまり関係なかったのかー、と思うことがあって いまひとつしっくりこなかった気が。(たぶんわたしだけだけど)。

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    2011年09月18日
  • 白夜に惑う夏

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    シェトランド島を舞台にしたミステリ。「大鴉の啼く冬」に続く2作目。4作でまとまるそうです。

    地元の名士で成功した女性画家ベラの開いたパーティ。
    ベラの甥で有名なミュージシャンのロディも花を添える催しだったが、画廊のある豪華な邸宅に集まった人数は意外に少なめで、これが最初の展示だったフランは内心がっかり。
    絵を見て泣き出した男性がいて、地元警官のペレスが話を聞くと、記憶がないようなことを口走る。
    翌日、無人の建物でピエロの仮面をかぶった死体で発見され…
    パーティは取りやめになったという偽のチラシが配られていたこともわかります。

    夜も暗くならない、そんな時期にはおかしな事も起こるという荒涼とし

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    2023年09月07日
  • 白夜に惑う夏

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    シリーズ2作目、前回から引き続いて主人公の刑事の捜査と恋愛が中心。恋愛といっても甘いものではなく、中年?の落ち着いた現実的なものでした。
    地域に根ざした小コミュニティーでの殺人で、こういう冷静な描写はイギリスの女性作家ならではと感じた。2作目ということでだんだん判ってきましたが、もう少しこの地域の描写などしてもらえたら嬉しいかも。

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    2009年12月18日
  • 大鴉の啼く冬

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    シェトランド島を舞台とする4部作の1作目だそう。ほぼタイトル通りの期待に応える雰囲気と内容です。

    女性作家が書いているだけあって、地元のペレス警部もちょっとイイ感じ。本土のインヴァネス署から来たテイラー警部と共に、捜査に当たります。
    雪に埋もれた風景の中を行き来する女子高生、その親たち、バイキングのような船主の息子、幼い子を連れた離婚女性フラン、大金持ちのフランの元夫、知的障害のある一人暮らしの老人マグナス…
    誰もがよく知り合っている村で、1年前に越してきた娘キャサリンが殺された。

    数年前の少女行方不明事件も思い出させて、大きな祭りへ向かう時期に、村は紛糾する。
    スコットランド北端からノル

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    2023年09月07日
  • 凍った夏

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     本の初めの宣伝文によると、英国本格ミステリとのこと。全編シリアス調のイギリスの冬の暗い雰囲気が漂っている。翻訳は読みやすいが、風景描写などの記述で見慣れない単語が時々出てくる。事故死に見える事件を新聞記者が謎を解く物語だが、そもそもの初めの事件記述から疑うことのできる内容が省かれている。途中の説明で少しずつ解明されているが、最初から疑う内容に思う。作者はD.セイヤーズを慕っているようだが、セイヤーズの方が読みやすい(例えば、『不自然な死』はすばらしい)。伏線も推理もあり、決して駄作ではないとは思うが、J.D.カーの不可能性と、結末の意外性は残念ながら感じられなかった。

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    2026年05月28日
  • 終着点

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    主人公は女性2人。訳あって、死体遺棄をするが、その2人の目線で、現在と過去が、入れ替わりで語られていく。結果、最後は、大きな裏切りもあるのだが、そこまでが非常に長かった。我慢強く読まねばって感じ。

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    2025年12月09日
  • 終着点

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    試み自体は評価できる。
    ただ、意外性はあまり感じられなかった。詳細が次第にわかってきたものの、想定の範囲内というか……。
    イギリスものは好きだが、この手の倒叙(っぽい)ものはあまり好きではないということが実感できた。

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    2025年09月29日
  • 終着点

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    とある集合住宅の一室で、一人の男性の死体を前に向かい合う二人の女性。
    なぜ、何があったのか?

    そこから、若いエラの視点では過去へと話が遡り、年上のモリーの視点では、未来へと話が進んでいきます。
    凝った構成で、緊密な展開。

    二人は、社会運動家。
    集合住宅の取り壊しによる立ち退きに抗議して、住民に協力しています。
    高層ビルが既に目の前で建築中という状態なので、諦めて出ていった人も増えてきました。
    若いエラは、成り行きで反対運動のシンボルのようになっていたのですが…

    モリーは、長年様々な運動に携わってきましたが、年齢的な衰えを感じ、悩んでもいます。
    この件で知り合ったエラには、力になりたい感情

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    2025年09月15日
  • 大鴉の啼く冬

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    海外ミステリーに慣れたくて手に取ってみた一冊。じっとりとした、閉鎖的なロケーションで起きる事件が、淡々と解決に向け進んでいく感じが嫌いではなかったです。シリーズ物のようなので、次のも読んでみようと思います。

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    2025年05月26日