玉木亨のレビュー一覧

  • 青雷の光る秋

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    小さな島の描写だけで、保守的で寒々とした情景が浮かび上がる。バードウォッチャーが集まる自然の楽園。嵐で孤立した島で起きた連続殺人事件。ペレス警部が指揮を執るのだが、、、
    悲惨な終わり方が辛かった。

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    2023年12月05日
  • 大鴉の啼く冬

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    北欧ミステリとは、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの主に5か国が舞台となるミステリー作品のこと。このジャンルでは、アイスランドを舞台にした「湿地」が有名になりましたね。本書もそんな北欧ミステリです。

    舞台となるのは、アイルランドとノルウェーの中間くらいの海洋に位置するシェットランドの孤島。この地で大晦日の夜、長年の間家に閉じこもる老人を2人の女子高生が訪問するところから物語は始まります。翌朝、2人の女子高生のうちの1人の遺体が近くで発見されました。シェトランドでは数年前にも別の少女少女が疾走する事件が起きています。その過去の事件の容疑者でもあったマグナスは、当

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    2023年12月01日
  • 青雷の光る秋

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    ネタバレ

    シェトランド四重奏完結編。

    今作はシェトランド本島ではなく、ペレスの故郷フェア島での物語。
    3作目を数年前に読んでいるので、前回読んだ2作目からペレスと恋人フランの関係がぐっと進んでおり、結婚を前提とした両親との顔見せの装い。

    フェア島のフィールドセンターはバードウォッチングシーズン真っ盛りだが、生憎の荒天でほとんどの宿泊客は足止めを恐れて帰っていった。
    僅かに残った宿泊客とセンター職員、名ばかりセンター長のモーリス、実権を牛耳るモーリスの妻で世間からの注目も高い鳥類学の研究者アンジェラ、料理人のジェーン達でペレスとフランの婚約祝いパーティを開催。
    翌日発見されるアンジェラの死体で物語が動

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    2024年05月03日
  • 炎の爪痕

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    司書さんから個人的にお借りした本ですが、シリーズ最終巻でした。(なぜこの本を?)
    シリーズの主人公はシェトランド署の警部で、過去に婚約していた女性の娘と二人暮らし。
    婚約していた女性は目の前で刺殺されたらしく、そのトラウマから抜け出せないでいる。
    しかし、シェトランドを含む広域を管轄する主任警部と現在は恋愛関係にあるのだが、今回は二人の間に溝ができて…。
    というような複雑な人間関係が、事件と同じくらいの分量描かれています。

    事件の背景にあったものはなかなかに重苦しく、読後嫌な感じがぬぐえません。
    親に厳しくしつけられ情愛を感じることなく育った父と、親に甘やかされ自分のことしか考えられない母と

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    2023年06月25日
  • 野兎を悼む春

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    ペレス警部シリーズも三作目。ペレスとの付き合いも深まってきました。
    今回は前半かなりゆっくりじっくり進むので、最後の加速が印象的。
    ところで、このシリーズの心の声が好きなんです。みんな、なかなか辛辣で、ニヤリとするところも。
    シェトランドへ行ってみたい。

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    2023年04月22日
  • 炎の爪痕

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    ペレス警部の自宅を訪れたのは、シェトランド本島に一家で移住してきたヘレナ。彼女はまえの持ち主が納屋で自殺して以降、何者かが家に侵入して謎めいた紙片を残していくことに悩まされていた。その納屋で、今度は近所の家の子守りが死体で見つかり、ペレスが捜査担当者となるのだが──。

    第二作を読んで以来、12年ぶりにいきなりシリーズ最終作を手に取ってしまった。過去作も読むことにしよう。

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    2023年04月17日
  • 青雷の光る秋

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    ネタバレ

    ショックでした。
    まさか最後に殺されたのがあの人だなんて…
    シリーズを最初からずっと読んできたので、まさかこんな風に終わるとは…
    ペレスシリーズはこの後も続くようですが、読みたいかどうか今は分からない状態
    犯人は、今回も最後まで分からなかったので、巧みな筆力だと思います

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    2023年04月16日
  • 野兎を悼む春

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    ネタバレ

    構成や描写が巧みで、早々に物語の世界に引き込まれた。
    登場人物が魅力的なだけに犠牲になってしまったのが辛くなったり、サンディの成長が嬉しかったり、最後の展開におお!と思った後になんとなく嫌な予感がしたり…
    犯人は最後まで分からず、予想外の展開に驚きました。

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    2023年04月16日
  • 炎の爪痕

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    CL 2023.3.30-2023.4.2
    シェトランドシリーズ最終章。
    シェトランドという舞台らしいしみじみとした物語が好きだった。今回の真相はやりきれなさが残るけど、ペレスやウィローが地道に捜査を重ねていく過程が好き。ペレスの生活も事件とともに変化してきて、このラストは希望があってよかった。

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    2023年04月02日
  • 水の葬送

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    イギリスの作家「アン・クリーヴス」の長篇ミステリ作品『水の葬送(原題:Dead Water )』を読みました。

    『大鴉の啼く冬』に続き、「アン・クリーヴス」作品です。

    -----story-------------
    シェトランド島の地方検察官「ローナ」は、小船にのせられ外海へ出ようとしていた死体の発見者となる。
    被害者は地元出身の若い新聞記者だった。
    本土から派遣された女性警部が「サンディ刑事」たちと進める捜査に、病気休暇中の「ペレス警部」も参加し、島特有の人間関係とエネルギー産業問題が絡む難事件に挑む。
    〈シェトランド四重奏(カルテット)〉を経て著者が到達した、現代英国ミステリの新たな高

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    2023年03月14日
  • 大鴉の啼く冬

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    イギリスの作家「アン・クリーヴス」の長篇ミステリ作品『大鴉の啼く冬(原題:Raven Black)』を読みました。

    「P・G・ウッドハウス」、「セバスチャン・フォークス」の作品に続き、イギリス作家の作品です。

    -----story-------------
    【CWA最優秀長編賞受賞作】
    新年を迎えたシェトランド島。
    孤独な老人「マグナス」を深夜に訪れた黒髪の少女「キャサリン」は、4日後の朝、大鴉の舞い飛ぶ雪原で死んでいた。
    真っ赤なマフラーで首を絞められて。
    住人の誰もが顔見知りの小さな町で、誰が、なぜ彼女を殺したのか? 
    8年前の少女失踪事件との奇妙な共通項とは? 
    「ペレス警部」の前に

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    2023年03月14日
  • 凍った夏

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    イギリスの作家「ジム・ケリー」の長篇ミステリ作品『凍った夏(原題:The Coldest Blood)』を読みました。

    「オリヴァー・ハリス」に続き、イギリスのミステリ作品です。

    -----story-------------
    〈現代英国本格の頂点〉が贈る、純度100%の謎解き!
    肘掛け椅子に座ったまま凍死した男。
    現場に残る謎に「名探偵」だけが気付く。

    公営アパートで肘掛け椅子に座ったまま男性が凍死した。
    自殺の可能性が高いとされたが、取材に訪れた新聞記者の「ドライデン」は疑問をおぼえる。
    死んだ男は金に困っていたが、部屋のコイン式電気メーターには硬貨が補充されていた。
    自殺する人間が

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    2023年02月15日
  • 炎の爪痕

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    ネタバレ

    シリーズ完結。
    15年かけてシェトランドに思いを馳せて来たので
    感慨深いものがあります。
    特に4作目の衝撃は今なお忘れられません。

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    2023年01月26日
  • 白夜に惑う夏

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    ネタバレ

    シェトランドシリーズ第2巻。
    前回と打って変わり、今回は夏のシェトランド諸島。描写が良い。

    北極圏に近いからか、夏は白夜があるらしい。
    いまいち距離感が掴めないけど、イギリス本島(と言っても良い?)の北の方でもそうなのだろうか?

    2作目の今回も、事件自体は結構シンプル。
    ペレスとフランの前で泣き崩れた記憶喪失の男が、翌日ボート小屋で死体となって発見される。しかもピエロの仮面を被って。シェトランド諸島の北側が舞台。夜でも明るいことによる不協和音と、前作以上に閉塞感のある人間関係。

    今回も、最後の最後まで犯人がわかりません笑
    2作目でようやく気付いたけど、伏線は張ってあれども、真相まで辿り着

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    2023年01月22日
  • 大鴉の啼く冬

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    ネタバレ

    アン・クリーヴスのシェトランドシリーズ(カルテット)第1巻。
    全8冊のシリーズがとうとう完結したとのことで。
    15年ぶりの再読(奥付見て、購入してからそんなに経つかと愕然)。

    女の子が殺された。過去にも行方不明になった女の子がいる。現場近くに怪しい男が住んでいる。
    事件自体はシンプルで、大掛かりなトリックはない。小さなコミュニティのシェトランド諸島で、誰が何のために殺したか。4人の視点から語られる。

    終盤近くになり、殺された女の子の行動が明らかにされる。そこからの展開は早い。
    シェトランド諸島の有名な祭りアップ・ヘリー・アーの最中、容疑者と思われる登場人物が順番に姿を現す場面は圧巻。最後の

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    2023年01月03日
  • 大鴉の啼く冬

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    シェトランドについては犬しかイメージがなかったが、木も生えない寒い土地で、イギリスからもノルウェーからも14時間も掛かる場所だとは思っていなかった。天然のクローズドサークルだが、謎解きのミステリではなかった。狭い世界に暮らす人間模様をミステリ仕立てで表現したものといった印象。
    手掛かりらしい手掛かりは与えられないので、最後まで犯人は分からなかったが、胸に何かが残る作品だった。

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    2022年11月12日
  • ブラック・フォン

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    映画『ブラックフォン』が面白かったので原作も読んでみた。
    こちらは短編なので映画よりあっさり。後日談が収録されていたけれど、映画のラストのほうが好き。
    ホラーだけでなく、純文学系のストーリーもいくつか収録されていて、なかなか読み応えがあった。

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    2022年10月15日
  • 怪奇日和

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    お父さんのSキング様同様なオーセンテックなストーリーを緻密なキャラ心情表現で爆あげしたのを今風にバージョンアップしたような感じが好き♪

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    2022年10月06日
  • 大鴉の啼く冬

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    イギリス最北端にあるシェトランド諸島を舞台に、それぞれの人生でこの諸島と何らかの関係を持ち続ける人々の間で発生する事件。ある女学生が死体で発見され、8年前に発生した少女失踪事件(その後死体で発見される)が想起されるなか、両方の事件の容疑者として知的障害のある老人が逮捕される。
    事件の謎がクリアに解き明かされないなか、新たに少女失踪事件が発生する。犯人は誰だ?第三の連続事件か?と謎を膨らませて最終章へと向かう。
    派手さはないが、事件の真相へと地道に捜査を進める地元の警部ジミー・ペレス。静かに進行していた犯人探しが、第三の事件発生と同時に急展開する。
    犯人として絞り込まれた人物を追い求め、たどり着

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    2022年05月18日
  • 地の告発

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    シリーズ7作目。
    ペレス警部の心理、行動とシェトランドの風土も絡んだ捜査の進行など、文章も読みやすく読んでいて楽しい。
    サンディも少し成長してきた。
    次作が最終作とのこと、新たな恋の行方も含め、最後はある程度のハッピーエンドを期待。

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    2021年12月20日