あらすじ
シェトランド署の警部ジミー・ペレスとその婚約者フラン・ハンターは、ペレスの両親に会うため故郷フェア島を訪れていた。だが、島のフィールドセンターでふたりの婚約祝いパーティがひらかれた直後、センターの監視員アンジェラが殺される。折からの嵐で本島との交通が途絶し、“嵐の孤島”と化した島内に潜む犯人を見つけだすべく、警部はひとりきりの捜査を開始した。しかし、奮闘もむなしく事件解決の糸口はいっこうに見つからず、ついには第二の殺人が発生してしまう――現代英国本格ミステリの至宝〈シェトランド四重奏(カルテット)〉、堂々の最終章。/解説=酒井貞道
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シェトランド4部作の最終章
クローズドサークルの中での狂気、だれが犯人なのか?
なぜ被害者の装飾が行われたのか?
深まる謎、戦慄の連続に寝不足気味。
そせてまさかの・・・
女性らしい文体に心惹かれ魅力的な登場人物に感情移入し、美しい自然描写にうっとりしながら読み進めていたのですが。
まさしく『カタストロフィ』
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シェトランド四重奏の4作目。
これで完結となります。
ジミー・ペレス警部は婚約者のフラン・ハンターを連れて、故郷のフェア島へ。
天候不順で、孤立した島への着陸も大揺れとなり、その後は島に閉じ込められてしまう。
両親とフランは互いに気に入るが、船長の父と古風な母と、シェトランド諸島生まれでもない画家のフランとでは、生活の仕方には相当な違いがあることは否めない。
島のフィールドセンターは、バードウォッチャーが世界中からやってくる場所で、住民が何かと集まる中心ともなっていた。
所長の妻アンジェラは、テレビにも出る有名な自然科学者。
ペレスとフランの婚約披露パーティの直後、事件が起こる。
シェトランド本島との交通が途絶したため、単身捜査にあたるペレス。
フランはだんだん、暇をもてあまし、滞在する人々に関わっていくことに。
フィールドセンターの滞在客に渦巻く~さまざまな人間模様。
アンジェラとは不仲の義理の娘。
有能な料理人のジェーン。
新種発見に張り切るバードウォッチャー。
育ちはよさそうだが得体の知れないところのある若者。
一筋縄ではいかない人生を描くのが得意な作者だけに、読み応えのある内容になっています。
刑事にしては優しすぎる共感力の高いペレス、そんな彼へのフランの思い。
この筆致がいいんですよねえ。
意外な結末に仰天し、登場人物同様に呆然としましたが。
1作目からを振り返ると、そうなのかと‥
風が吹きすさぶような厳しい自然の中で生きる、忍耐強く激しさを秘めた人々。
作者の気合と描写力で、全体としてのまとまりは感じました。
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ああ…終わってしまった。。
物語の結末はわかっていた。
そんな雰囲気が早い段階から漂っていたもの。
それはさておき、今回は閉ざされた空間で起こった殺人事件で、ペレスが容疑者たちと対峙してじっくりと捜査を進めていく様は、読みごたえがあり興味深かった。
時にじっくり過ぎて、フランじゃないけど
ちょっとジリジリしてしまったけど。
でも嫌いじゃない、そんなペレス。
この作者の作品は、ほんとにどれも淡々としていて、
先が気になりどんどん読めるというタイプの物語ではないんだけど、読み終えると不思議と次の作品も読みたくなる、スルメ的なおもしろさがある。
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ペレス警部シリーズ、「シェトランド四重奏」の最終話。婚約者を連れ、故郷のフェア島に帰省し、パーティーを開催する。その晩、会場となったフィールドセンターで職員の女性が殺される。孤島で孤軍奮闘するペレスの前に、次々と難題が立ちはだかる。フェア島の厳しくも美しい自然と住民の濃厚な関係、バードウォッチャーたちの独特の世界も描かれ読み応えはあるが、物語終盤は衝撃的な展開となる。
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小さな島の描写だけで、保守的で寒々とした情景が浮かび上がる。バードウォッチャーが集まる自然の楽園。嵐で孤立した島で起きた連続殺人事件。ペレス警部が指揮を執るのだが、、、
悲惨な終わり方が辛かった。
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シェトランド四重奏完結編。
今作はシェトランド本島ではなく、ペレスの故郷フェア島での物語。
3作目を数年前に読んでいるので、前回読んだ2作目からペレスと恋人フランの関係がぐっと進んでおり、結婚を前提とした両親との顔見せの装い。
フェア島のフィールドセンターはバードウォッチングシーズン真っ盛りだが、生憎の荒天でほとんどの宿泊客は足止めを恐れて帰っていった。
僅かに残った宿泊客とセンター職員、名ばかりセンター長のモーリス、実権を牛耳るモーリスの妻で世間からの注目も高い鳥類学の研究者アンジェラ、料理人のジェーン達でペレスとフランの婚約祝いパーティを開催。
翌日発見されるアンジェラの死体で物語が動き出す。
他の島民も居るには居るが、状況的に犯人はセンターに滞在していた人の中に居る。
嵐のせいで本島から捜査の応援は呼べないが、逆に犯人も島から出ていくことはできない。
ペレスは、フランや父の助けも借りながら単身現場検証や事情聴取を進める。
いわば準孤島クローズドサークルの状況。
そしてやはり起きる次なる殺人。
相変わらず事件自体の奇抜さや展開の意外性、起伏があるわけではない、どちらかというと乏しいのになぜかページが進む不思議。
たぶん、決してキレキレとまではいかなくも、そのじっくりと考え独自のペースを貫き通すペレスの思考回路が自分にとって心地よいのだろう。
今作で一番目を見張ったのは、これまでずっと半人前に見ていた部下サンディにプライベートな問題に関する助言を求めたところ。
しかもそのコメントをかなり素直に受け止めている。
こういうフラットな心持ちが何とも好きなのである。
からの、じわじわと展開しつつのまさかの結末。
いやー、ここでそういう結末になるのは予想だにしていなかった。
いろいろ解せない伏線回収もあるのだが、全部持っていかれた。
色んな意味で、あとがきの酒井さん言うように今一度、この四重奏を最初からまとめて振り返ってみたくなった。
というか逆に、こうして途切れ途切れではなく、最初から読んでいかないと楽しみ切れないなぁとも。
なんか久しぶりにシリーズものを読み切ったなと思ったら、あれ、あれあれ~、あとがきによると次の邦訳作『水の葬送』もペレス刑事ものなの!?
そもそも通り名からして本作で完結だと思っていたし、この結末から展開されるネクストシーズンってどんなんなのよ。
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ショックでした。
まさか最後に殺されたのがあの人だなんて…
シリーズを最初からずっと読んできたので、まさかこんな風に終わるとは…
ペレスシリーズはこの後も続くようですが、読みたいかどうか今は分からない状態
犯人は、今回も最後まで分からなかったので、巧みな筆力だと思います
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シェトランド島シリーズの四作目。
平和ボケと言うべきか。
ここのところ、ハッピーエンドを約束された
コージーミステリーとも言うべき古いミステリーを読んでいたので、
まさかこんな衝撃的な展開になるとは、
全く予想していなかった。
バードウォッチャーたちのオタクな世界も、
このシリーズで初めて登場したペレス警部の故郷フェア島の風景も、
ペレス警部の家族問題も、
著名なフィールドセンターの職員が殺された事件も、
すべて吹っ飛んでしまった。
婚約したばかりのフランが殺されてしまったので。
このシリーズを読み進めて来て、
ある時はシェットランド島の自然を、
ある時は濃い目の人間関係を、
ある時は部下の成長を、
そしてもちろん殺人事件の解決を楽しみながら、
ぺレス警部とフランが関係を育んでいくのを
暖かく見守ってきたのに。
ほんとうに、酷い話だ。
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CL 2018.8.11-2018.8.14
シェトランド四重奏のラスト。
ここまで読んできて、とても好きなシリーズだったのに。
衝撃の結末に納得がいかない。
どうして作者はこの人を死なせる必要があったのか。
残念、残念。
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シリーズの最後なんだけど予想もしなかった展開に驚きと哀しみが大きすぎて、読み終わったあと、心理的になかなか立ち直れなかった。もちろん無関係の人が巻き込まれてしまうことなんてミステリーの世界では日常茶飯事に起こるんだけど。なんて理不尽なんだろう。でも世の中は得てして理不尽なものなんだろう。自分たちだけは大丈夫だという幻想の元にある日常を痛感した。
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シェトランド四重奏シリーズ最終巻。
描写がとてもきれいで、深い余韻を感じさせてくれるこのシリーズ。
でもこの作品に関してはラストが衝撃的すぎて。
納得いかないくらい驚いたし、まさかこの人が死んでしまうなんて。
この衝撃でこのシリーズは完結するんだろうし、きっと作者はこの結末を最初から意図していたんだろうけれど、それでも四作読んできた側としては悲しい。
絶対に順番に呼んだ方がいいシリーズ。
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シェトランド四重奏第4弾。
ペレス刑事とフランが故郷フェア島に行くところから始まるお話。
フランの心情がいつもより細やかに綴られていて、幸せな気持ちで読んでいたのに。
突然空に放り出されたような衝撃のラスト。
あんまり悲しくて、買ってあった「水の葬送」に即とりかかりました。どうなっちゃうんだペレス。
しかし、この四作のまとまりは素晴らしい。
美しいシェトランドの式を追いながら、いい旅ができました。
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婚約者フランを連れ故郷のフェア島に帰ってきたペレス警部。フェア島のフィールドセンターの所長モーリスの妻で著名な鳥類学者アンジェラが殺害される。事件前夜に解雇を通告された調理人ジェーン。同じ鳥類学者のジョン・ファウラーとサラ・ファウラー夫、バードウォッチャーのダギーとヒュー。崇拝される事を好むアンジェラ。島の男たちと関係をもち、ヒューも関係を認める。客の荷物を調べていたジェーンの殺害。ヒューとアンジェラの本当の関係。アンジェラが有名なった発見に隠された秘密。
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地味だが続きを読みたくなる展開。視点・語り手が細かく変わるから読みやすいということかな。それにしてもこういう結末とは。「シェトランド四重奏」の最終章ではあるがシリーズはまだ続いてるようです。
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シェトランド四重奏の最終章。
あまりに悲しい終わり方。ジミー・ペレス刑事が可哀想でした。
でも、あとがき読んで、もの静かなこの刑事の新シリーズがあると知り
翻訳が出るのを楽しみにしています。
幸せになってほしいなあ。
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そうかあ、「本の雑誌」で矢口誠さんが「衝撃」と書いていたのはそっち方面(ドラマとして)のことだったのか。私はてっきりこっち方面(ミステリとして)だと思い込んでて、正直ちょっと肩すかし。
でも「シェトランド四重奏」してとてもよくまとまっていて、再読に耐える上質の作品ばかりだと思う。四部作の中ではやはり「大鴉の啼く冬」がいちばんいいかな。シェトランドの荒涼たる冬の雰囲気が素晴らしい。シリーズとしてはまだ続くようなので楽しみだ。
Posted by ブクログ
読んだ〜!
ジミー・ペレスのうじうじしつつも洞察力もある読み、でも結局はなにもできずーーーー。
クリーヴスのこの4部作は、謎解き的な興奮度よりも、描かれる人たちがみんななんか一癖、二癖あって、そのドラマが面白い。ちょっとうじうじが目に付きすぎなときもあるんだけど、最終的には、嫌いじゃないんだよな。ジミーのあのいい人度。
Posted by ブクログ
四部作の完結編。こんな終わり方、ありか?
最後の殺人は作者の都合上という気がしてしまう。必然性が薄く感じられる。
これまでの3作は面白かっただけに残念。
最初の殺人と被害者の人物像や行動が明らかにされる過程や、登場人物の描き方など、よかったのになあ。
あと、ジミーの父親がジェームズっていうのもありなんだ。
訳については、名詞の訳し方から自分より年代が上の訳者だとつい思うのだけど、同世代。毎度そう思っては、役者紹介を読み確認しては、自分の認知能力の問題をも確認することになる。海外で教育を受けた方なのだろうか。そういう方だと、日本語が親世代の語彙になりがち。
なんだかんだ、もう延長シリーズ次作『水の葬送』を読み始めている。
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シェトランド四重奏最終話。相変わらず少し重い雰囲気で進行するが、今回はいつもに比べてすこし柔らかい印象で読んでいたのだが、、、。最後はあまりに悲しい。せっかくならハッピーエンドが良かったのに。次作があるとのこと。早めにこの後を確認したい。
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シェトランド四重奏シリーズ第四作目。この作品でシリーズ完結する。主人公ペレス警部の故郷のフェア島という島での殺人事件の話。主人公は婚約者と訪れていた島の、バードウォッチャーのための施設であるフィードセンターで殺人事件が起こる。嵐のために島が孤立する中で主人公が一人で調査とすることになる。何もない島で生活する島民と、わざわざ鳥の観察のために島に訪れる外の人間との違いや、未来の生活を悩む人たちの様子が伝わる作品。主人公と婚約者のいい関係がほっとさせる。結末は意外で、衝撃的だった。残念な気持ちが大きいが、ペレス警部シリーズとして作品が出ればいいなと願う。