柳井正のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
著名な経済評論家の大前さんと、ユニクロを育ててきた柳井さんが往復書簡のような感じで「今の日本はダメだ。もっと世界に目を向けないと」と訴えている本。こういう本ってやっぱり面白い。正直なところ、お二人にはそれほど好感をもっていなかったんだけど(というか別世界の人って感じだろうか)、(わが身を棚に上げておけば)わりとうなずけるところも多かった。
理論家の大前さんと実践家の柳井さんとだと、失敗をしていないぶん大前さんの言うところのほうが、論理だっていることもあり素直にうなずける。柳井さんのほうはある意味、企業の立役者にありがちな厳しさや無茶を強いるような感じが。 -
Posted by ブクログ
成長の種について知りたくて読書。
今まであまり触れたことなかった政治について言及している。
日本人は危機感がないという。果たして本当だろうか。
将来への不安や不満から努力してスキルアップや自己成長へ励む人は多いと思う。
本を読む人も決して他国と比べて少なくないと思う。それでも、失われた20年が続くのはどうしてなのか。
努力の方向が間違えているのか。独りよがりなのか。それtも著者の指摘通り政治なのか。国家組織自体の老朽化なのかを考えた。
過去の栄光が忘れられないのは、バブル以前のを経験している世代であって、バブル以降の世代は、自信もなければ、日本の将来へ展望も見出せないのは、日本が元氣だったリアルな体験がないからではないか。
年齢が下がれば下がるほど内向き志向が鮮明化しており、アメリカなどへの海外留学も減少の一途らしい。
海外へ目が向けられないのではなくて、収入や雇用が不安定で留学への蓄えができないなど別要因もあるような氣がする。
本書発売時は円高進行中だったが、第二次安倍政権成立で円安方向へ転じて、日本人の資産は実質目減りしている。円が弱くなり国内回帰が進んでいるが…。
世界の大学の中での日本の大学ランキングやアメリカへの留学生の人数、相対的貧困率などショッキングな統計が多い。
台頭する周辺国への嫉妬や羨望を乗り越えて、謙虚に学ぶことができるのか。
教育へ重点投資して、語学や世界的に通用する知識を再度教育できるのか。
「成長しなければ、即死する」
全体的に大いに鼓舞される内容。
語学と抜きん出る何かを磨き、一流を目指さないと衰退するとリマインド。
読書時間:約1時間15分 -
Posted by ブクログ
日本の経営者で好きな方は松下幸之助、本田宗一郎です。あと、「海賊と呼ばれた男」の出光佐三。
というか、この方たちの本しか読んだことがないだけですけど。著者の柳井正もこの本を読んで同じような方だなと感じました。
共通する部分は、非常に仕事に情熱的で明確な理念があり泥臭さがあるところ。
本書では日本の腐敗した政治と、理念・情熱・謙虚さを失った日本企業に警笛をならしている。
フリースやヒートテックが売れ、すぐに海外進出するも当初は失敗の連続。その失敗を活かして近年のアジア進出での大成功。
この20年でアジア圏は日本とは比較にならない経済成長を遂げているそうで、日本企業の元気のなさや殿様気分に嘆いています。そこでこのタイトルということ。
今の日本は高度経済成長の遺産(日本人の能力はすごいんだというメンタル面)だけでなんとかやっている感じ。その遺産もあと5年持つのかどうかあやしい。
このままの経済状況であれば2年後までには円は価値がなくなり紙くずと化すらしいです。のらりくらりと政治家が時間稼ぎをしながら未来のお金を使ってきたツケがとうとうやってくるという訳です。
この本を読んでいる最中、日本政治のヤバさを感じましたし、僕自身が今からやりたいこと、できること、理想とする仕事の仕方などいろんな事を考えさせられました。
“毎月きちんと給料が出て、自分の生活を成り立たせるほうが、世の中を変えるよりもはるかに大切。だから新しい挑戦をせず、ひたすら組織のなかで自己保身に走る。しかも、いったん既得権益を手にしたら最後、それを絶対に手離さない。かくしてエネルギーのベクトルは、社会を変えるのではなく、居心地のいい現在の状態をできるだけ温存する方向に傾いていく。”
“海外の管理者階級、いわゆるホワイトカラーたちは、自分たちが会社の一部とは、絶対に考えていない。自らは独立した事業者で、会社と対等の契約を結んでいるという認識である。会社から受け取る報酬は、あくまで自分の技術に対する評価。会社に所属しているから給料が貰えるとは、微塵も思っていない。海外で出会ったビジネスパーソンに、「どういう仕事をしていますか」と尋ねると、たいていの人は「広報をしています」「経理部長です」と、自分の仕事や職務を答える。ところが、これが日本だと「○○社に勤めています」と、会社名がでてしまう。要するに、「就職」ではなく「就社」という感覚なのだろう。”
“現状維持でいい。そう思った途端、進歩は止まる。外の世界では、絶え間ない進化と発展が続いている。何もせずに同じところにとどまっているのは、じつは最大のリスクなのである。この国にもう、安全、安心、安定はない。自分は人生をどうしたいのか、会社をどう変えたいのか、この国をどうすべきか…一人ひとりが日本の置かれた現実を直視しながら、志高く毎日を真剣に生きないかぎり、未来も変わらない。”
“誰にとっても人生は一度だけ。それなのに、「いまの状態がいつまで続くのだろうか」「いざとなったら国はなんとかしてくれるのか」と、たった一度の人生を他人任せにして、びくびくしながら生きるのは、じつにもったいない。人生の主役は自分自身。自分のなかにどれほどの可能性が詰まっているか、試してみないとわからない。” -
Posted by ブクログ
大前研一さんのファンです。
非常に意識(モチベーション)が高くなる対談形式の本作。
この本に載っているデータを、自分で再度調べてみるとさらに
読んだ意味が高まるかと思います。
逆に、著者のバイアスがかかりまくった言い分を鵜呑みにするのもよくないのかなと。
というのも(こういう本を上梓なさるビジネスマンの人は皆さんえてしてその節があるのだが――)、人の心を忘れがちというか、本を執筆する上で仕方ないのかもしれないが、どうしてもビジネス第一路線になる。
それで現に成功している人間の精神状態を、自分にも反映しようとして押しつぶされそうにはならないでほしいのです。
それぞれがこの本を読んで感化されるのはいいけど、ここに書いてあることを実践することだけが成功への道ではないし、ある人にとっては近道である人にとっては遠回りかもしれない。そういう理解が大事だと思う。
こういうキャリアポルノにも似た経営者の啓発本は、自分の中で噛み砕いて着実に進んでいくための糧になると良いですよね。
この本の内容が間違っているといいたいわけではなく、こういう本を読んで世にはばたきたいと思うような人材こそ自らの目で情報を精査することの必要性があるといいたいだけです。
それにつけても言葉遊びが節々に出てくるのが面白かった。至ってまじめなんですけど。
とにかく若者の読むべき本だと思います。