住野よるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ本当に、なんでもない三歩の「好きなもの」の話。
最初は「どうしたものか?」と思い、少し飽きそうにもなりましたが、噛めば噛むほど味が出てくる、スルメのような作品でした。結果的に、わりと好きでした。
中でも印象に残ったのは、久しぶりに会った大学時代の友人のエピソード。
恋愛の話かと思いきや、意外と重い内容。でも、そんな友人に三歩がかけた言葉がとても心に残りました。
薄っぺらい美徳の言葉を並べることは誰にでもできるけれど、
「死んじゃ駄目なんて、君の辛さが分からない私には決められない。君の人生だから」
という言葉は三歩らしくて、さらに続く言葉が秀逸でした。
「君が死んだとしても、君を好きなままの私が、少なくともいるから。安心して、生きて欲しい」
こんな言葉があるんだ、と感動しました。
どんな薄っぺらい美徳の言葉よりも、遥かに優しくて、強い言葉だと思います。
ほかにも、三歩がちょっとズルをしてしまった話や、温泉旅行でファンサをしている話など、割とどうでもいいようで「日常にあるよね」と思える、心温まるエピソードが多かったです。
休憩時間にぴったりの一冊でした。 -
Posted by ブクログ
最初からキャラが立ちすぎている主人公で、設定もやや押し付けがましく感じて、「読み終わる頃にはちょっとしんどくなるかも」と不安だった。
でも読み進めるうちに、さまざまなタイプの人との関わりを通して、人間らしさというか、生々しい“人間くささ”がどんどん見えてくる。
キャラの強さ自体はずっとあるのに、不思議とリアリティが増していって、気づけばかなり自然に受け入れられる主人公になっていた。
一編一編がとても短いので、最初は物足りないかもと思ったけど、実際には短編集というより、長編の各章にタイトルがついているような感覚。
それぞれ独立しつつもちゃんと繋がりがあるから、寸足らずな感じはなく、通して楽しめた。
日常の何気ない描写に共感したり、自分の生活にも取り入れたくなるような物の捉え方があったり、うまく言葉にできない心の状態がすくい上げられていたり。
キャラははっきりしていて漫画のように読みやすいのに、しっかり響く部分もある。
読みやすさと深さ、その両方で期待を超えてきた作品だった。
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